1. あなたは家族の筆跡がわかりますか?
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あなたは家族の筆跡がわかりますか?

文化庁が2026年10月2日に公表した「国語に関する世論調査」によると、文字を手書きする習慣を大切にすべきだと考える人は8割を占めた一方、日常生活で手書きする機会がないと答えた人は3割に上った。

専門家は、社会のデジタル化による影響を指摘している、という。

 

私自身は、ビジネス文書はパソコンで作成するし、仕事や友人同士でメールのやりとりもする。ただ、友人に手紙を書く時や自分のスケジュール等を書く時などは手書きにしている。

 

確かに、これだけスマホやパソコンが普及すれば、ビジネスはもとより、友人・知人、そして家族とのやりとりもメールやラインで行う人が多いので、学校生活以外には、あまり「手書きする」ことはなくなってきているだろう。

 

私たち弁護士の仕事で、「筆跡」が争われる代表的なものに自筆証書遺言がある。

親が書いた手書きの遺言書をめぐって、「これは親の字じゃない。偽造だ」などと、子どもである兄弟姉妹が骨肉の争いをすることは時々ある。

そのような紛争の場合、裁判所では、専門家に筆跡鑑定してもらうのだが、鑑定するには、その遺言書を書いた人自身の筆跡が必要で、それと遺言書を対照して、専門家は鑑定を行う。これまでは、本人の筆跡として、手紙や年賀状、日記などを提出することができた。

でも、これからは、なかなか本人の筆跡を証明するものを集めるのが難しくなっていくだろう。

まあ、そもそも、親の筆跡を知らない息子や娘、互いの筆跡を知らない夫婦なども増えていくだろう。

 

ちなみに、最高裁は、2026年9月30日付けで、「紀州のドン・ファン」と呼ばれ2018年に死亡した和歌山県の資産家の遺言書の効力が争われた訴訟で、親族側の上告を棄却する決定を出した。これで、全財産を田辺市に寄付するとした遺言書を有効とした1・2審判決が確定した。

この訴訟でも、1・2審では、もちろん筆跡鑑定が行われている。

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