1. 2014年1月

2014年1月アーカイブ

祝婚歌 (吉野弘 作)

 
吉野弘さんという詩人が2月15日逝去されたことを新聞で知った。
恥ずかしながら、吉野さんのことは全く知らなかった。
吉野さんの「祝婚歌」は、結婚式の祝辞などで紹介されたりするらしいが、この詩が使われた結婚式に出席したことがなかった。
 
読めば読むほど、含蓄深く、過去の自分を振り返ると耳が痛い。
夫婦が、この詩のようなことを意識して生活すれば、もう少し離婚も減るのかな。
 
 
「祝婚歌」
 
二人が 睦まじくいるためには 愚かでいるほうがいい
立派すぎないほうがいい
立派すぎることは長持ちしないことだと 気付いているほうがいい
完璧をめざさないほうがいい
完璧なんて不自然なことだと うそぶいているほうがいい
二人のうちどちらかが ふざけているほうがいい
ずっこけているほうがいい
互いに非難することになっても
非難できる資格が自分にあったかどうか あとで 疑わしくなるほうがいい
正しいことを言うときは 少しひかえめにするほうがいい
正しいことを言うときは 相手を傷つけやすいものだと気付いているほうがいい
立派でありたいとか 正しくありたいとか 無理な緊張には 色目を使わず
ゆったり ゆたかに光を浴びているほうがいい
健康で 風に吹かれながら 生きていることのなつかしさに ふと 胸が熱くなる
そんな日があってもいい
そして
なぜ胸が熱くなるのか 黙っていても
二人にはわかるのであってほしい

あの「派遣村」は何だったのか・・・

 
(女性弁護士の法律コラム NO.156)
 
支持率が低下しないことをいいことに、安倍首相がアベノミクスの「成果」や「積極的平和主義」、沖縄の基地問題など、とうとうと持論を展開する報道が不愉快きわまりない。
 
その上、安倍首相の息がかかった、NHK籾井会長の従軍慰安婦発言、NHK経営委員である長谷川三千子氏の女性蔑視発言など、そのとりまき連中の人権無視の発言にも腹が立つ。
 
この今の時代が、今後将来起こるかもしれない「戦争」の前=「戦前」の姿かも?と思うと、こんなこと絶対に許しちゃいけないと思う。
 
そしてまた、安倍路線を受けて発表されたのが、昨日(1月29日)の労働政策審議会の部会の報告書。
労働者派遣法の改正について議論してきた労政審は、現在3年となっている派遣受け入れ期間の上限を廃止し、3年ごとに働く人を入れ替えさえすれば、企業は同じ職場で派遣を無期限に継続できるとした報告書をまとめた。
2015年4月の実施をめざすという。
 
2008年秋のリーマンショックを機に起こった大量の「派遣切り」や「雇い止め」。
「派遣村」が社会問題化した。
そして、民主党政権の下で、不十分ながら、日雇派遣の規制や違法派遣の「みなし雇用」の改正が実現したのが2012年3月。
 
派遣労働は、働く企業に直接雇用されるものではないため、あくまで一時的な仕事に限られるというのが法の大原則だったものを、この報告書は、企業は人さえ代えれば永久に派遣労働者を使うことができるというように転換するもので、これでは、今後ますます不安定な労働者が増加していくことは目に見えている。
そして、一人ひとりの派遣労働者は、3年たてばポイ捨て。
働いている間は、「雇い止め」を怖れ、自分の権利も主張できない。
 
こんな改悪は、絶対に認められない。
 

私のタイムログ

 
先日、新聞に、家電業界のスマホの次のターゲットはタイムログだと書いてあった。
「タイムログ」って何?と思い調べてみると、「人間の生活における様々な記録」という説明があった。
要するに日記?
いやいや、最近は、体重計における毎日の体重や体脂肪率の数値をそのままパソコンに取り入れたり、GPS付き腕時計によってランニングの距離や時間などをパソコンに記録することができる。
日々のあらゆる記録が正確にパソコンやスマホで管理できるから驚きである。
 
私のタイムログは、やはりアナログ(手書き)だ。
私たち弁護士は、業務の記録は、業務用の手帳を見れば、ほとんど正確にわかる。
あとは、プライベートな部分。
 
1つは、家計簿。大学生の頃からずっとつけている。
毎年12月になると、たくさんの種類の家計簿が出版されるが、8年程前から、高橋書店発行の「一ヶ月の収支がひと目でわかる家計簿」を愛用している。
家計簿をずっとつけているおかげで、仕事上も、破産者の家計表のチェックや別居夫婦の間で婚姻費用を決める際の家計の実態把握には、ある程度、自信を持っている。
 
2つ目は、4年前から「3年日誌」を書くようになり、今年は4年目になるので、また新しい「3年日誌」を購入した。
日記とは言っても、その日に何があったかを記すための、ほぼ備忘録がわりに使っているにすぎないが、何も書いていないと、どんどん忘れていくもので、結構役立っている。
 
タイムログをつけるというのは、1つの習慣あるいは癖なんだろうと思う。
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.155)
 
以前(2011年8月12日)にも、このコラムで書いたことがありますが、民法733条が女性だけに離婚後6ヶ月経過しないと再婚できないと定めていることは、法の下の平等に反し、すごく不合理な規定だと思っています。
 
そんな折り、大学時代からの友人である岩城穣弁護士(大阪弁護士会所属)が、民法733条の再婚禁止期間を適用させなかったという画期的な成果を得たと事務所ニュースで読んだので、紹介します。
 
A子さん(1945年生)は、1969年にBと結婚したが、1989年から別居。その後Bとは音信不通状態。
他方、A子さんは1993年頃からCと同棲を開始し、事実上の夫婦として暮らしてきた。
A子さんとBは2011年11月に離婚が成立したが、内縁の夫Cが末期ガンであることが判明。すぐにでもCとの婚姻届を出したいが、民法の規定に従って離婚後6ヶ月も待っていたら、Cは死んでしまうかもしれない。
A子さんは、既に60代で民法733条が危惧するような妊娠の可能性はない。
 
そこで、A子さんは、弁護士と相談し、Bとの離婚届とCとの婚姻届の両方を役所を提出することにしました。
すると、戸籍係から電話があり、岩城弁護士はこれまでの経緯を説明し、受理しなければ国家賠償請求訴訟も辞さないと強く申し入れました。
またA子さん自身も役所に一生懸命説明したところ、なんと婚姻届は受理されたそうです。
Cはその2ヶ月後に死亡されたそうです。
 
民法733条は、離婚後6ヶ月以内の再婚を認めると、前婚か後婚かどちらの夫の子どもかわからなくなるのでそれを防ぐというのが立法趣旨です。
しかし、再婚が認められなくても、妊娠してしまう女性もいるでしょうし、現在はDNA鑑定によりかなり高い確率で親子関係は判定できます。
また、A子さんのように、そもそも妊娠する可能性がない女性もいます。
最高裁は、未だに民法733条は違憲ではないとしていますが、どう考えても不合理な規定です。
 
岩城弁護士も書いていますが、おそらく、戸籍係の担当者は法務省に「お伺い」をたてて受理を決めたものと推測されます。
 
このようなケースがあることを知ると、たとえ最高裁の判例があっても、おかしいことに対し最初からあきらめてはいけないと思いました。
とても勉強になりました。
 
 
 
 
 
 
 

 
日本テレビ系列で、先週から放映が始まった「明日、ママがいない」。
芦田愛菜が主演。私はあまりマナちゃんが好きじゃないので、初めは観るつもりはなかった。
 
ところが、第1話放映後、このドラマが児童擁護施設関係者の人権を侵害しているとして、赤ちゃんポストを設置する慈恵病院(熊本市)が1月22日、放送人権委員会に審議を求める申立を行ったことで、注目されることになった。
そこで、昨日、第2話が放映されたので観てみた。
 
確かに、すごい内容のドラマだった。
職員が子どもらに「お前らはペット」だとか、「(里親に気に入られたいなら)泣け」とか言ったり、施設に入所している子どもたちも大人顔負けの言葉を吐いたりし、施設外の子どもからイジメを受けたりもする。
慈恵病院の産婦人科部長が「第1回放送後に、施設の子どもがいじめられたとの報告を伝え聞き、緊急性が高いと判断した」と語ったのもうなづける。
 
私の依頼者の子どもが、父親から虐待を受け何ヶ月か児童擁護施設に入所したことがあった。
また、母親がやむなく子どもを置いて自宅を出たため、児童擁護施設に入所した子どももいた。
その後、その子どもらは、そのような施設で保護されたからこそ、危害を免れ、カウンセリングも受けたりして、現在は母親と共に普通の生活を送っている。
 
しかし、このドラマの施設職員やの子どもらの描き方では、それが「フィクション」であるとの断りが挿入されていても、どうしても悪く暗いイメージしか持てない。
 
現在、児童擁護施設に入所している子どもは約3万人にも及ぶという。
ドラマとは言え、その子どもとそこに働く職員らの心を傷つけたり、社会的な偏見をもたらしたりしないような番組作りを強く求めたい。

「離婚について」という講演をしてきました。

 
(女性弁護士の法律コラム NO.154)
 
1月20日午前、京都市ひとり親家庭支援センターで「離婚について」というタイトルで講演を行いました。
離婚に関する法律の内容や手続きなど、基礎的なことをお話しました。
 
講演の準備をする中で統計を調べてみると、2012年の離婚件数は、約23万6000組。
これは、2分13秒に1組の夫婦が離婚していることになります。
また、同居期間で比べると、5年未満の離婚件数が最も多く、次いで5~10年未満が多いことがわかりました。
ただ、20年以上という中高年の離婚件数も横ばいで目立ちます。
 
約90%の夫婦が協議離婚により離婚しているという実態は、数字的には以前からあまり変わっていないというのが実感です。
 
午後は、引き続き個別の法律相談を受けました。
やはり一人ひとりの悩みや抱えておられる問題は様々でした。
「こんなこと尋ねてもいいだろうか」と思わず、気軽に法律相談に来ていただきたいと思いました。

親と子どもの関係について

 
(女性弁護士の法律コラム NO.153)
 
最近、父親と子どもとの関係をめぐる最高裁の判決が相次いで出された。
その内容は、事務所のトップページの「最新判例」で紹介しているが、以下の2つだ。
 
●2013年12月 性別を女から男へと変更した父親に、人工受精によって誕生した子をその父親の子と推定
●2014年1月  認知した父親でも認知後無効を主張できる
 
前者の判例は、生物学的には明らかに子どもができない夫婦の間に人工授精によって誕生した子をその夫婦の子と認定した。
性同一障害特例法ができたことを背景に、生物学的な関係がない親子に社会的な意味での親子関係を認めたことになる。
他方、タレントのMさんは、自分の卵子と夫の精子を用いて、アメリカで代理出産をしたが、最高裁は平成19年3月、Mさんの実子とは認めないという判断を下した。
生まれた子は、生物学的意味では明らかにMさん夫婦の子であるにもかかわらず、Mさんが懐胎・出産したのではないという事実で否定した。
わが国では「代理出産制度」が認められていないというのも理由に揚げられているが、生まれてきた子どものことを考えると、このような扱いは妥当なんだろうかと思ってしまう。
 
次に後者のホットな最高裁判例は、父親が一度認知をしても、その後、反対事実を主張してその認知の効力を覆すことができるとの初判断を示した。
他方、「夫の子」と推定されて誕生した子どもについては、誕生したことを知ってから1年が経過してしまうと、原則として「自分の子でない」と主張することはできない。
子どもの法的な地位を早期に安定させる趣旨であると言われているが、そうであれば、認知を受けた子どもも同じではないのか。
 
私自身としては、冒頭の最高裁判例との関係で、上記の2つの事柄がなんとなく統一的に理解できず、わりきれない思いが残る。
 
民法制定当時には考えられなかったような多様な家族関係が存在する。
だから、現在は過渡期なのかなと思う。
いずれにしても、何の罪もない子どもが平等な取り扱いがなされるような法解釈や法制度の整備が早急に求められる。
 
福山雅治主演の「そして父になる」という最新映画。
取り違えられた子どもを長年育てた後にその事実を知った夫婦・家族の苦悩がテーマの映画だと聞いた。
観たいと思っていたが、観逃してしまった。
テレビで放映されたら、絶対に観ようと思っている。
 
 
 
 

やっと体調が回復してきました。

 
前回のブログで書いたように、新年早々から風邪を引いてしまい、仕事が始まってもずっと咳が続き体調がなかなか回復しませんでした。
先週も裁判や打ち合わせが入っていたので、仕事を休むことはできませんでした。
 
NHKの「あさイチ」で、風邪を治す薬はない(できればノーベル賞もの)、風邪は10日も経てば治ると言っていたので、その言葉を信じて、必要以外は、事務所でも自宅でもおとなしくしていました。
 
そして今週になって、徐々に体力も回復してきました。
 
先週、たまたま元依頼者のNさんに新年のあいさつと「風邪引いています」とメールをしたところ、すぐに野菜やインスタントおかゆなどをどっさり持って事務所まで飛んできてくれたことには、とても感激し、感謝感謝でした。
 
今年は少し出遅れましたが、これから健康に気を付けながら頑張ります!
 
 
 

明けましておめでとうございます

 
2014年、明けましておめでとうございます。
本日から業務を開始しております。
今年もどうかよろしくお願いします。
 
ところで、今年は、元日から最悪の幕開けになってしまいました。
1月1日に旅先で38度の発熱。夜中じゅう咳も止まらず、苦しみました。
でも翌朝、熱が下がったので外出したところ、また体調不良に。
「寝正月」になってしまいました。
 
「体力」や「健康」に過信しない。
肝に命じます。
 
 
 
 
 
 
 

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