ここ数年、日曜の夜午後8時からは、NHKの大河ドラマを観る。
大いに興味がそそられるストーリーの場合と、あまり面白くなくても惰性で観るストーリーの場合とがある。
現在放映中の「豊臣兄弟!」は、まあ、面白いと思いつつ観ているものの、ややホームドラマ的な描き方が気になる。
それにもまして、ドラマとは言え、史実とあまりに異なる場面もあって、これはどうかな?と思うこともある。
例えば、「賤ヶ岳の戦い」の場面で、中川清秀が裏切り者として前田利家に殺されたが、史実では裏切り者ではないのに、このような描き方はおかしいとネットで書かれていた。
私自身は、歴史にあまり詳しくないが、柴田勝家の最期には驚いた。
勝家が妻であるお市の方と手に手をとって城の天守閣から飛び降りたのである。「それはないやろ」と心底思った。戦国時代の武将なんだから、自死する時はやはり切腹でしょう、と。
このことについて、2026年10月18日付け朝日新聞で、テレビでもおなじみの城郭考古学者千田喜博先生が「お城探訪」で書いておられた。
それによると、勝家は天主最上階に登り、「勝家の腹の切り方を見て後学にせよ」と敵味方に宣言した。そして、市らを刺し、自身は正式な切腹の作法にのっとって腹を十文字に切って果てた、とのこと。
これは、勝家があらかじめ一人の老女を選んで切腹に立ち会わせ、この女性が場外に脱出できるようにして、後世に正しく伝えられたからだった。
勝家が当時の武士としての名誉と尊厳が末永く守られることを強く願ったから、と千田先生は書かれている。
更に、千田先生は、史実を無視して全く異なる死に方を二人がしたとして描いたのは、死者の尊厳を著しく傷つけることではなかったか、とも書かれていた。
そのような勝家の最期の話は知らなかったので、私は、なるほどといたく得心した。
実際に起こった歴史的な出来事をドラマ化する場合には、やはり、重要な場面では史実に忠実にそって描いてほしいと思った。