(女性弁護士の法律コラム NO.167)
現在、過労自殺(労災認定されている)により死亡された労働者の遺族の代理人として、会社に損害賠償を求めて提訴した事件を担当している。
会社側は、長時間労働が自殺の原因であることを認めず、「夫婦の不和」が原因だと主張している。
証拠として、亡くなられた本人のメールを多数提出しているが、会社側の代理人弁護士は、準備書面の中で、夫婦のメールの内容が「今から帰る」「仕事」などといった素っ気ないものが多いので、愛し合っている夫婦なら、もっと愛情を裏付けるメールがあるはずだと反論している。
会社側の代理人弁護士が本当にそう思っているのか、あるいは、会社側の立場に立って心にもないことを書いたのかは定かではないが、私が会社側代理人だったら、このような準備書面は書けないなあ。
夫婦の「愛の表現」など多種多様である。
およそメール上の言葉だけで判断できるはずがない。
メールではないが、昔よく言われた、家では「メシ」「風呂」「寝る」しか言わないおとーちゃんにもきっと夫婦の愛情はあるだろう。
私自身、メールでゴチャゴチャ書くのがあまり好きではなく、誰に対しても、用件のみの素っ気ないメールを書くことが多い。
長時間労働で自殺にまで追いやられた挙げ句、メールの表現から「夫婦に愛情がなかった」とまで言われたら、遺族の無念な思いや怒りはより一層増すばかりである。
2014年4月アーカイブ
春の山の見所は、何と言っても、咲き始めたたくさんの春の花に会えることだ。
中でも、可憐ではあるが凛としたカタクリの花は、春の花の代表じゃないかと思っている。
そのカタクリの花がたくさん咲く、滋賀県の高島トレイルの一部にある乗鞍岳(643.5m)に、4月27日、登って来た。
コースは、国境スキー場から乗鞍岳を経て黒河峠まで。
国境スキー場のゲレンデを直登し、ゲレンデを登り切った所から登山道が始まる。
そして主稜尾根に出ると、そこから、チラホラとカタクリが咲いている。
なだらかな登山道を進んでいくと、あちこちにカタクリが!
乗鞍岳を超えても、まだしばらくはカタクリが咲いていた。
今年は、この辺りの山は雪が少なかったせいか、登山道に雪は全く残っていなかった。
カタクリの花も鹿が食べたのかもしれないが、やや少ないと思った。
なんのことはない低い段差で右足をくじいてしまうというアクシデントがあったが、楽しい春の山だった。
うちの事務所には、小さな庭がある。
東側だが、高い塀があるので、陽はあまりあたらない。
そこに、昨年夏、都忘れの花の苗を植えた。
これは、昨年、岐阜の実家を売却したので、実家の庭から持って来たものである。
母が亡くなって十年余りの間、時々草取りに帰省していたものの、日常的に庭の手入れなどする人もなかったが、この花は枯れることなく、たくましく育っていた。
そして、今年、最近やっと花をつけた。
都忘れの花は、小さくて可憐で好きだ。
花言葉は「しばしの別れ」。
鎌倉時代に承久の変で北条氏に破れ佐渡に流罪となった順徳天皇が、ある日、庭の片隅に咲いているこの花を見つけ、「この花を見ていると、少しの間でも都を忘れることができる」と言ったことから、この名で呼ばれるようになったらしい。
(女性弁護士の法律コラム NO.166)
昨日は、所属している法律家団体の例会があった。
「労働政策の動向と労働者保護の法的課題」と題して、弁護士でもある吉田美喜夫立命館大学教授にご講演いただいた。
4月22日、経済財政諮問会議・産業競争力会議合同会議(議長・安倍晋三首相)が労働時間規制の撤廃する制度導入の検討を求める文書を提出するなどの動きもあり、タイムリーな企画だった。
労働基準法で、労働時間は「1日8時間、週40時間」と定められ、それ以上働いたら残業代を払わなくてもならないにもかかわらず、どんなに長く働いても残業代はゼロにする企てが進んでいる。
第1次安倍内閣の時、財界から「ホワイトカラーエグゼンプション」が提言され、法案化までされたが、国民世論の激しい批判を受け、国会で審議すらできなかった。
それが、またしても、第2次安倍内閣で浮上してきた。
今回は、対象として、年収1000万円以上の高収入社員のほか、高収入でなくても、労働組合との合意で認められた社員を検討するという。
吉田先生は、使用者が労働者から労働力を買うのが労働契約で、その労働力は何ではかるかというと「指揮命令が及ぶ労働時間」である、従って、何時間働いても残業代を払わないことは、もはや「労働力」を買うのではなく、「人間そのもの」を買う=奴隷労働と同じだと語られた。
また、解雇に関する規制もどんどん緩められていこうとしているが、解雇が自由にできれば、労働者は結局、有給休暇や育児休業などの様々な権利を行使したくても、解雇を怖れ、結局、権利行使もできなくなる。
派遣法もどんどん改悪されていっている。
こんな労働者の使い捨ては絶対許してはならない。
春は、たけのこのおいしい季節。
大好物ではないが、やはり春には、若竹煮やたけのこご飯が食べたくなる。
ゆでるのが面倒なので、普段は、専ら、パックに入った「水煮」を買って料理する。
ずいぶん以前になるが、皮付きたけのこをいただき、料理本を読みながら、大量の水にぬかを入れ、悪戦苦闘して湯がいたことがあった。
でも、悪戦苦闘したわりには、あくが抜けきらず、ちょっと苦かったりした。
そして、先日、久々に皮付きたけのこをいただいた。
私は、この日のために、ナチュナルライフ研究家佐光紀子さんが2009年4月24日付け日経新聞夕刊で書かれていた「温故知新のエコライフ」というコラム記事を大事に保管していた。
その記事の中で、佐光さんが、たけのこ湯がきの欲求不満を解消する魔法の粉として紹介されていたのは、なんと重曹だった。
重曹とは、さすが佐光さん!
近所の八百屋さんに教えてもらったというその方法は、グラグラ煮立った鍋に重曹少々と皮をむいたたけのこを入れると、20分くらいでおいしくゆであがるとのこと。
これだ!
重曹は家にあるが、袋には料理には使用していけないと書いてあった。
それで、スーパーで料理用の重曹を買い求めた。
また、佐光さんの記事には、水と重曹の分量が書いてなかったので、インターネットで調べると、ちゃんと重曹で湯がく方法が紹介され、そこに分量も書いてあった。
水1リットルに、重曹小さじ半分から1杯。
重曹を入れすぎると、たけのこが黒ずんでしまうと説明されていた。
見事、簡単においしいたけのこがゆで上がった。
メニューは、もちろん若竹煮とたけのこご飯。
(女性弁護士の法律コラム NO.165)
2010年7月31日付けの当ブログで、自衛隊内のセクハラ及び退職強要で原告女性が勝訴したことを書きましたが、今度は、自衛隊内の「いじめ」による自殺です。
2004年、先輩の暴行や恐喝などの「いじめ」を苦に自殺した海上自衛隊護衛艦「たちかぜ」乗組員の1等海士(当時21歳)の遺族が国などに約1億5000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京高裁は、2014年4月23日、いじめと自殺との因果関係を認め、1審の東京地裁が認定した440万円を大幅に増額する約7300万円の損害賠償を認めました。
1審は、「自殺は予測できなかった」として先輩による暴行と恐喝について賠償責任を認めただけでした。
いじめと自殺の因果関係を認める決め手となった文書は、3等海佐による「乗組員アンケートが存在する」という内部告発から明らかになりました。
文書隠し発覚後、海上幕僚監部の訟務専門官がこのアンケートを破棄するよう現場に指示していたことも判明。
結局、廃棄には至らず、2012年9月、国側から高裁に提出されました。
大津市のいじめ自殺事件でも、生徒のアンケートについて、当初、教育委員会は一部を隠蔽するということがありました。
また、私が過去に関わった京都市立小学校の教務主任の教師の過労死事件では、なぜか、死亡年度だけの職員会議の議事録が「なくなって」いました。
「不都合な事実」隠しは、企業だけでなく、国や自治体などどこにでもあるということを痛感します。
内部告発した3等海佐は、2013年12月11日、「信念で告発した」と証言したそうです。
ところが、報道によると、この3等海佐は、現在、規律違反の疑いで懲戒処分の手続きが進められているとのことです。
国が今すべきことは、内部告発者の責任追及ではなく、「隠蔽」体質の改善や自衛隊内部のハラスメント対策ではないでしょうか。
茨城県に住む友人から、神奈川県の女性が昨年1月インターネットで呼びかけた「憲法9条にノーベル賞を」という運動にいたく感激して、友人知人に署名等を広めているというメールをもらった。
改憲に反対し憲法9条を守る運動にこんな形もあるんだと思った。
この運動に賛同する人は全国に広がり、推薦する人も学者ら43人にのぼるとのこと。
ノーベル賞は、個人か団体に限り、憲法は受賞できないが、憲法9条を保持し続けた「日本国民」を受賞者と提案した。
そんな折り、ノーベル委員会はこの提案を受け取り、今年のノーベル平和賞の候補の1つにしたとのメールが、4月9日、実行委員会事務局に届いたという報道があった(2014年4月12日付け京都新聞朝刊)。
私の友人は、もし受賞できて、安倍首相が授賞式に出席するようなことになれば、これは「ブラックユーモア」かも(!?)って言っていたが・・・
でも、安倍首相は、現行憲法9条のままで、解釈によって集団的自衛権を認めようとしているのだから、もし私たち国民がそれを許すのであれば、憲法9条にノーベル平和賞の資格なんてない。
本当にノーベル平和賞の名にふさわしい憲法9条として、国民がしっかり守っていかなければならないと思う。
この運動が、憲法9条を守るという意味で大きく広がることを期待している。
4月5日(土)午前11時から放映されたテレビ朝日系「LIFE~夢のカタチ~」。
京都のパティスリが取り上げられると予告編で観ていたので録画しておいたところ、なんとご近所にあるケーキ屋さん「アグレアーブル」だった。ビックリ!
このブログの「事務所界隈(その1)」で書いた家具屋さん「宮崎」の建物は、解体され、今はマンション建築中だ。
その「宮崎」の西側に昨年4月にできたのが「アグレアーブル」。
住所は、堺町夷川西入。
「アグレアーブル」というのは、快適なとか心地よいという意味。
店主の加藤さんは、京都の和菓子屋さんに生まれながら、長男でなかったため、好きな洋菓子の方へ進み、フランスで修行された方。
テレビでは、フルーツなどは旬の食材しか使わないと語っていた。
早速、行ってみた。
今回買ったのは、店の名前にもなっている「アグレアーブル」というチョコレートケーキとブラッドオレンジのコンフィチュール。
スイーツの味には全く精通していないが、「アグレアーブル」というケーキは、はちみつ風味のキャラメルと紅茶風味のショコラのムースが絶妙にマッチしていた。
次は、イチゴ系かなあ・・・
やっと、健康診断の「基準」が変わりそうです。
日本人間ドック学会と健康保険組合連合会は、4月4日、血圧や肥満度などについて、健康診断や人間ドックで「異常なし」とする値を緩めると発表しました(2014年4月5日付け朝日新聞朝刊)。
国内で人間ドックを受けた人の値を調べたところ、血圧やコレステロールの値がこれまでの基準より高くても「健康」な人が多数いたからです。
新たな「正常値」は、例えば、
血圧は、これまでの「上129~下84」が「上147~下94」、
総コレステロールは、これまでの「199まで」が、男性は「254まで」。
女性は、30~44歳は「238まで」、45~64歳は「273まで」、65~80歳は「280まで」。
今まで、諸外国や日本の他の学会から、健康診断の基準値がきびし過ぎるという意見や研究結果が何度も発表されていたので、私は、ずっと健康診断の「基準」には疑問を持っていました。
健康「基準」を低めに設定すれば、降圧剤や抗コレステロール剤が年間数千億円規模で売れるため、こんな「基準」にしてるんだろうと思っていました。
私も、コレステロール値が、40代までは正常値でしたが、50代になると、毎年、正常値を超えるようになり、再検査を指示されていました。
でも、新聞で、更年期の女性は、女性ホルモンが減少するため総コレステロール値が高くなると読んでいたので、再検査も行かず、無視してきました。
また、基準の変更は、今後の裁判にも大きな影響があると思います。
脳疾患などによる過労死裁判等では、発症前の血圧が基準を超える「高血圧」だったのか「異常なし」だったのかは、とても大きく関係してくるからです。
なお、学会は、新基準を6月に正式に決め、来年4月から運用する予定だそうです。
桜は満開と言うのに、先週末は、天気が不安定で寒かった。
天気予報では、5日土曜の夕方から雨になるかも、とのこと。
そこで、5日は朝早く起き、天気が良いうちに、今年初めての山歩きとお花見をすることにした。
いつものように、自宅から哲学の道まで歩く。
哲学の道の桜は満開。
哲学の道の桜の下を歩いて、鹿ヶ谷の登山口から大文字山の火床へ向かう。
寒かったので厚着してきたが、急登なので、どんどん暑くなる。
しかし、火床周辺は、やはり寒い。風がないだけマシだった。
火床で少し休んだ後、山頂へ向かう。
山頂で、木に取り付けられた温度計を見ると、4度。
じっとしていると、寒い。
山頂から山科へ下山する。
昨年の台風のせいだろうか、登山道脇にはたくさんの倒木があった。
山科側の登山口である毘沙門堂の桜も満開。
たくさんの人でにぎわっていた。
疎水まで歩く。疎水の桜も満開。
桜のピンクと菜の花の黄色とのコラボが見事!
ベンチで、焼きそばを作って食べていると、山口県から夜行バスで来たというおじさんから話しかけられた。
おじさんは、哲学の道の桜より山科の疎水の桜の方が好きなので、今年も京都に来たと言っていた。
私は、歩いて、こんな美しい桜を見られることに感謝!
帰りは、疎水をずっと歩き、御陵駅から地下鉄に乗り、正午すぎには帰り着いた。
4月から、また新しい年度が始まった。
弁護士会も4月から会長などの役員が入れ代わり、各種委員会のメンバーも代わって、新年度がスタートした。
テレビや新聞などのマスコミは、4月1日から17年ぶりに消費税が5%から8%に上がったことへの様子を連日のように報道している。
家計に直撃していることは事実なので「節約策」も良いが、消費税が本当に社会保障に使用されるのかどうか、税金の使い途をもっと監視していかないと、復興税と同じ道をたどるのではないかと思ってしまう。
「節約」が趣味のような私は、「もうこれ以上、節約するところがない」と思いつつ、時々野菜を冷蔵庫に入れたまま腐らせてしまうのはやめておこうとかすかな決意をしている。
4月1日は、いとこの娘の大学入学式だった。
滋賀県の大学なので、午後から始まる入学式の前に待ち合わせて、少しおしゃべりをした。
久しぶりに会った彼女は、もうすっかり大人の女性になっており、私に手を振ってくれなければ、気が付かなかったかもしれない。
黒のスーツ姿は輝いていた。
土日はアルバイトをしているという彼女に「ブラック企業じゃない?」と聞いた。
そんな心配や4年後の就職の心配を今からしてしまうほど、今の若者を取り巻く社会状況は厳しい。
「大きな目を開いて、社会を見つめてほしい。
大きな目を開いて、自分の人生を見つめてほしい。」
それが私の贈る言葉。