1. 2018年7月

2018年7月アーカイブ

 
以前、新聞に掲載された書評を読み、その切り抜きを大切に保管して「読んでみたい」と思っていた1冊をやっと手に取った。
終末期医療のあり方を問う、現役医師によるデビュー作の小説。
2016年9月に単行本が出版されたが、本の帯によると、2018年6月21日放送の「NHKラジオ深夜便」に著者が出演したことによって、緊急文庫化されたようだ。
 
主人公は、大学病院から地域の訪問クリニックへ異動になった医師水戸倫子。
左遷、いや、それ以下だと落ち込む倫子。
クリニックは、在宅で最期の時を迎える患者を診ているが、大学病院では病気を治すこと、命を救うことが医師の使命としか考えてこなかった倫子は、「治療法のない患者に、医師は何ができるのか」と医師の存在価値について悩む。
 
第1話から第5話の短編連作の中で、何人かの終末期の患者とその死に関わり、徐々に、クリニックの医師としてのスキルを高め学び、成長していく姿を描く。
そして、第6話「サイレント・ブレス」では、倫子自身が父親を看取ることになる・・・
 
脇を固める登場人物たちも少しコミカルで、茶髪でピアスの男性看護師コースケ、クリニックのスタッフが常連として通う「ケイズ・キッチン」のニューーハーフ店主ケイちゃんが作る珍妙な料理などが、深刻なテーマを和らげてくれる。
そして、倫子を「左遷」した直属の上司大河内教授が、ずっと倫子を見守り、医師の終末期医療への関わりを語り助言する。
 
倫子は、苦しみに耐える延命よりも、心地よさを優先する医療もある、と知った。
穏やかで安らぎに満ちた、いわばサイレント・ブレスを守る医療が求められている、と。
 
深く胸にしみこむ1冊となった。
折しも、京都での地域医療のパイオニアであった医師早川一光さんが亡くなられたばかりで、ずっと地域医療に取り組んで来られた早川医師の姿に重なるものもあった。
 
「人は誰しも死んでいく」
わかりきったことだし、実際に両親を見送っているのに、私自身は、まだ、自分がどんな終末期を迎えるか、はっきり決めることができないでいる。
ただ、人との関わりを大切にして、自分の一生を終えたいとだけは心から思う。
 
オススメの1冊である。
 
 
 
 

借家で一人暮らしの女性の相談

 
(女性弁護士の法律コラム NO.242)
 
豪雨の後の京都は、連日、40度近くの猛暑日が続いている。外を歩くと、溶けてしまいそうな暑さである。
 
京都市内の各区役所では、毎週水曜日午後に無料法律相談が行われている。
昨日は、区役所の無料法律相談の担当日だったので、一番猛暑の時間帯に出かけた。
午後1時過ぎから午後3時過ぎまでの時間帯に6人の相談者の相談を聞かなければならないので、区役所の担当者から「一人20分でお願いします」と釘をさされる。
しかも、相談開始から15分経過すると、担当者が「あと5分です」と声をかける。
ゆっくり相談を聞くことができないのがつらいところである。
 
昨日の相談の中で印象に残った女性がいた。
その70代後半の女性は、借家の借り主で、家主から、突然、老朽化を理由に明け渡しを求める手紙が届いたとのことであった。
夫は既に亡くなり、娘らも独立し、長年住み慣れたこの家で一生を終えようと思っていたところに、家主から明け渡しを求められ、途方にくれていた。
 
娘さんが家主と交渉するようだったので、家主側の「老朽化」という理由は、なかなか認められるわけがないので、とりあえず「明け渡しはできない」と回答をし、家主の出方をみるようアドバイスをした。
 
一人で年金だけで生活しており、これから他に家を借りられる所もなく、長生きしたからこんなことが起こるのか、もう死んでしまいたい、などと目に涙をためて言われた。
法テラスを利用すれば、弁護士費用は立て替えてくれるので、弁護士に依頼することもできることを説明したが、たとえ分割でも返済していかなければならないので、そんな余裕はないとも言われた。
法的には大丈夫かもしれないが、今後家主が何をやってくるかわからないという不安な気持ちが抑えられないのであろう。
自治体の住宅などの公的な施設やサービスがもっと充実していたら、彼女のような心配もしなくてもよいのに・・
 
弁護士が受ける法律相談に楽しいものがあるはずもないが、暗い気持ちになった。
 
法律相談中、外はどしゃぶりの夕立だったが、終了して帰る頃には、雨は上がっていた。
雨上がり後のあまり涼しくないムッとする空気の中を、暗い思いで帰った。
 

 
トマトが大好きで、毎朝の朝食では、北海道から取り寄せたトマトジュースを愛飲している。
(→検索欄で「私のお気に入り(その3)~ミニトマトジュース~」)
 
もちろん、トマトそのものも、サラダや煮込み料理など、頻繁に使って食べる。
でも、最近のトマトはあまりおいしくないとずっと感じていた。
料理に使えば味はそんなにわからないが、サラダなど生のままで食べると、あまりおいしくない。
子どもの頃は、まるごとかぶりついていたのに、こんな味だったかなあ・・と。
 
そんな折り、アメーラトマトを知った。
アメーラというのは商標名で、品種は「桃太郎」とのこと。
静岡県と長野県軽井沢町で生まれ栽培されているトマトで、小ぶりなので少し値段は高いが、糖度が高く、まるでフルーツのよう。
まるごとかぶりついても、とても美味しい。
 
私の最近のお気に入りである。
 
 
 
 

 
このたびの豪雨被害に遭われた皆様には心よりお見舞い申し上げます。
 
今朝の朝刊では、全国で死亡者は120名を超えており、行方不明者の数も含めると、甚大な被害が生じたことがわかってきました。
 
京都市内でも、先週は大雨が続きました。
このままだと、桂川や鴨川があふれるのではないかと思うほど、ずっと降り続きました。
実際に、京都市内の北部では避難指示が発令されたり、私たちの近隣の学区でも避難勧告が出されたりしました。
 
自然災害とは言え、この異常気象も地球温暖化がもたらした「人災」なのでしょう。
今一度、環境について考え取り組むことが必要な気がしています。
 
 

白山白川郷ホワイトロード

 
7月1日(日)は、岐阜県と石川県をつなぐドライブロード「白山白川郷ホワイトロード」(旧 白山スーパー林道)へ行った。
目的は、このロードの最高地点(1450m)の三方岩駐車場から、三方岩岳(1736m)に登るためだ。
 
先週早くも関東地方は梅雨明けしたので、東海北陸地方も梅雨明けするかと思っていたら、6月29日に岐阜県下呂市では大雨による土砂崩れがあってJR高山線が運休となるなど各地で被害が発生し、6月30日(土)も天気は悪かった。
その意味で、7月1日は、束の間の晴れ間だったかもしれない。
 
ロードの最高地点の三方岩駐車場と、そこから見る三方岩岳。
 

 
駐車場には、まだ雪が残っていた。
 

 
 
三方岩岳は、駐車場からだと、往復約1時間半から2時間のコースで、登山道も整備されており、初心者コースの山だ。
でも、標高は1000mを越えており、展望も良い。
 
登山道には、高山植物が咲いていた。
 
ゴゼンタチバナ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ニッコウキスゲ

 
約40分で山頂に到着。
山頂は、広々として、360度の展望だったが、風が強く吹いて、ジッと立っていられないほどだった。
 

 

 
 
山頂から白山を望む。今日は、白山の山開きの日だ。でも、まだ、たくさん雪が残っている。
 

 
下山して駐車場に戻った後は、滝を見るため、車で石川県側へ。
 
ふくべ大滝。
道路沿いにあって、国見岳の断崖から86m直下する豪壮な大滝。
水しぶきが道路までかかってくる。
 

 
姥ヶ滝
この滝に行くには、川沿いの遊歩道を約15~20分かけて歩いて行かなければならない。
落差76mの滝で、山の中腹から崖壁を数百条の細かい流れがすべるように落ちる。
この様子がまるで老婆が白髪を振り乱したように見えることから名前が付いたとされる。
いやいや、とても美しい滝。日本の滝百選の1つとのこと。
 

 
白山白川郷ホワイトロードを満喫した1日だった。

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