1. 2011年6月

2011年6月アーカイブ

 
東日本大震災による被災者が、将来、損害賠償を求める際の記録として利用できる記録ノート(新潟県弁護士会作成)については、5月16日の当コラムでご紹介しました。
 
今回、ご紹介するのは、原発事故の被害者の方々が、東京電力に対する損害賠償を求める際の記録して役立つよう、福島県弁護士会が作成した「福島県原子力災害被災者・記録ノート」です。
 
原発事故の被害者の皆さんの多くは、損害賠償請求の内容や方法などについての情報も少なく、不安な日々を送っておられると思います。
しかし、記憶は時間の経過とともに薄れていく可能性があり、かつ、日々の生活の中で、何をどのように記録しておいたらよいか、どのような資料を残しておいたらよいのかなどがわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記録ノートは、原発事故による補償を受けるために必要なことを書き留めておくもので、そのほかに、弁護士会をはじめとする相談窓口の記載や賠償金支払いまでの流れの説明もあります。
 
福島県弁護士会のホームページからダウンロードできますので、是非、ご活用ください。

相続放棄は、いつから「3ヶ月以内」なの?

 
相続を放棄したい場合、民法は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、・・・放棄しなければならない」と定めています(915条)。
 
「自己のために相続の開始があったことを知った時から」というのは、通常、被相続人が死亡したということを知った日の場合が多いですが、第1順位の相続人が全員放棄したため、第2順位の人が相続人となるような場合には、自分が相続人となったことを知った日となりますので、必ずしも死亡した日とは一致しませんね。
 
また、この「3ヶ月」という期間は、相続するか放棄するかを考えるための期間ですので、自分が相続人となったということだけでなく、どのような相続財産があるのかを認識した、あるいは認識しうべき時から計算されるというのが判例の立場で(最高裁昭和59年4月27日)、家裁の実務でもこのように運用されています。
従って、仮に親と長年音信不通状態で離れて暮らしており、親が死亡したことは連絡を受けたが、親に借金があることまでは全く知らず、銀行から請求を受けて初めて知ったというような場合には、その銀行から請求書が届いた時が「3ヶ月」の期間の始まりとなります。
その意味で、いつから「3ヶ月」かを計算するかは重要なので、迷うようなことがあれば、弁護士にご相談ください。
 
 

切り絵作家 蒼山日菜さん

 
毎週日曜夜、テレビ東京系列で放映されている「ソロモン流」。
アーティスト、料理研究家、フラワーデザイナー、俳優など、様々なジャンルで、今、最も輝いて活躍する人たちの仕事や生活を紹介するドキュメンタリー番組である。
 
6月26日は、フランス在住の切り絵作家「蒼山日菜」さん。40歳。
2008年、スイスのシャルメ美術館で3年に1度行われるペーパーアートの国際コンクールでアジア人として初めてグランプリに輝く。
 
「切り絵」とは言っても、これまで私が持っていたイメージとは全く異なっていた。
 
0.3ミリという線の細さで表現されるその美しさは、まさに魔法のよう。これが紙でできてるの?実物を見てみたい!
言葉では言い表せないので、彼女のホームページやYouTubuをぜひ見てほしい。
 
蒼山さんは、23歳でフランス人と結婚。1児をもうける。しかし、言葉もわからない異国、異文化の地で、友人もなく、うつに。そんな折、2000年に切り絵を知り、夢中に。
 
日々新たな作品作りにも挑戦されており、今後、京都の高山寺の「鳥獣戯画」や高台寺にある台座の模様に取り組むとのことで、京都で蒼山さんの作品をじかに見ることができる日もそんなに遠くない気がする。
 
楽しみ。
 

北海道のアスパラガス

 
元うちの事務所で事務員さんとして働いていたMちゃん。
結婚して、今は、北海道に住んでいる。そのMちゃんから、先週、大量にアスパラガスが届いた。
 
近所のスーパーには、やせ細ったアスパラしか売っていないので、北海道のぶっといアスパラは嬉しい。
早速、千切りしたじゃがいも、アスパラガス、豚肉を一緒に塩こしょうで炒めて食べる。
う~ん、美味!
冷凍保存用には、ゆでたが、少々、ゆですぎたかも。
ゆで加減が難しい。
自分はゆで方を失敗しておきながら、翌日、事務所では「ゆですぎたらあかんよ」などとえらそうに忠告してしまった。
やっぱ、焼いた方がコリコリした感触が残って、私は好き。
 
Mちゃん、どうも、ありがとう!
 
 

簡単料理(その5)~タイ風カレー

 
タイ料理が好き。
 
京都地裁のすぐ近くに「バンコク・ガーデン」というタイ料理の店があるので、無性にタイ料理が食べたくなると、一人でお昼に行ったりする。
裁判官や修習生も来てたりする。
また、河原町丸太町の東北角にも「パクチー」という店があり、そこには、時々、夜、元フラメンコ仲間と行ったりする。
 
でも自宅でタイ料理なるものを作ったことはこれまでなかったが、昨日初めて作ってみて意外に簡単だったので、ご紹介。
 
具材は、鶏もも肉のほか、好きな野菜。昨日は、ピーマン、なす、トマト、かぼちゃを入れた。
それらを簡単に炒めた後、クミンというスパイス(スーパーに売ってます)を大さじ2杯ととうがらし4-5本入れ、あとはココナッツミルク1缶と水を1/2Cとナンプラー(家になかったので、醤油で代用)大さじ1杯入れて煮込むだけ。
ちょっと味が物足りなかったので、市販のカレールーをほんのひとかけ入れてみた。
それだけで、これって、まさにタイ風カレーやん。
 
 

相続財産管理人の仕事

 
昨日は、当初雨予報だった天気予報がかわり、午後からは晴れ、しかも今年一番の暑さとなった。
先日、家裁から選任された相続財産管理人としての仕事をするために、午後から担当事務局のTさんと二人で山科へ。
山科と言っても、もう滋賀県との県境に近い場所。
 
相続財産管理人というのは、相続人がいない、あるいは不明の場合に、利害関係人から申立てがあると、家裁から選任され、相続財産を管理し処理するなどの仕事をする(民法951条~)。
 
この件の相続財産でわかっているのは、今のところ自宅不動産だけ。
その自宅不動産の状況を確認するためと他に相続財産がないかの調査のため訪れた。
 
長らく人が住んでいないため、予想どおり、カビくさい臭いとほこりだらけの部屋には家具や衣類などがそのままの状態で放置されていた。窓を開け放ち、二人で、軍手をはめて、汗をかきながら、通帳や書類、手紙などの類がないかを探したが、結局、あまり成果はなかった。
 
こういうことも弁護士の仕事の1つなんです。
 
 
 
 

だまされた国民の責任

 
最近の毎日新聞には、なかなかすぐれた記事が掲載されている。
今朝の朝刊の和歌山支局の記者が書いた「だまされた国民の責任も問う 原発を拒否した町が教えること」もその1つ。
 
和歌山県日高町と旧日置川町(現白浜町)での、町を二分した原発誘致拒否。兄弟、親戚で賛否が分かれ、結婚式や葬式に出ないなど人間関係がずたずたになった。
しかし、京大の研究者小出裕章助教や今中哲二助教らの支えもあり、今ここに原発はない。
 
記者は、小出さんの「だまされた国民の責任もある」という言葉から、かつて敗戦直後の1946年に、だまされた国民にも戦争責任があると断じた映画監督伊丹万作のエッセイを紹介する。
「『だまされていた』といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう。いや、現在でもすでに別のうそによってだまされ始めているにちがいない」(ちくま学芸文庫「伊丹万作エッセイ集」所収)
 
「安全神話」を吹聴した国や電力会社のが厳しく批判されるのは当然だが、だまされた国民の責任からも目を背けてはならない。
原発差し止め判決を下した井戸謙一元裁判官は、福島原発事故後、各所でその思いを語っておられるが、他方、日本全国の原発差止め訴訟で、差し止めを求める住民側に敗訴判決を下した裁判官たちは、今いったいどういう思いでいるのだろうか。
退官して現役の裁判官でない人も少なくないに違いないが、誰からも、その声が聞こえない。「だまされていた国民」の一人、それも原発を止めることができたかもしれない国民として、是非、その胸の内を語ってほしいものだ。
 
 

 
相続人が相続を放棄したい場合、民法は「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に」家庭裁判所に申述しなければならない、と定めています(915・938条)。
 
この「3ヶ月」という期間について、東日本大震災の特例措置として、震災発生3ヶ月前の平成22年12月11日以降に自己のために相続の開始があったことを知った方については、相続をするか、あるいは放棄するかを考える期間について、
平成23年11月30日まで
延長されることになりました(6月17日に国会で成立)。
 
従って、相続放棄をする場合には、11月30日までに家裁で手続きを行ってください。
ただし、特例の対象となるのは、災害救助法が適用されている地域のうち被災地を中心とした9県に被災時に住所を置いていた人です。被災地以外に住む相続人は対象外ですので、注意してください。
 
 

映画「チャイナ・シンドローム」

 
原発を描いた映画だと聞いたので、DVDを借りて観た。
 
ジェーン・フォンダ演じるキンバリーは、テレビ局のレポーター。
原子力発電所のドキュメンタリーの取材中、原発トラブルに遭遇。しかし、その後、発電所側からトラブルの報告は何もなし。
だが、発電所の技師ゴデルはトラブルの原因につながる重大な欠陥を発見。キンバリーと連絡を取り、マスコミに公表しようとするが、証拠資料は奪われてしまい、ゴデルは原子力制御室にたてこもる。
そしてテレビ報道が始まった直後、発電所側が要請した警官にゴデルは「精神異常者」として撃ち殺されてしまう。
キンバリーは「彼はまぎれもなくヒーローでした」と泣きながら叫ぶが・・・・
 
「チャイナ・シンドローム」とは、燃料がメルトダウンして地面に潜り込み、地球の反対側にある中国まで到達する、というジョーク。
作品中でジョークとして語られる。
 
この映画は1979年3月16日に公開されたが、その12日後の3月28日にペンシルベニア州のスリーマイル島の原子力発電所でメルトダウン事故が実際に起こり、大きな反響を呼んだ。
 
2011年3月に発生した東日本の地震によって起こった福島第1原子力発電所事故では、当初はメルトダウンは起こっていないとしていたが、専門家が懸念していたとおり、地震の数日後以内にはメルトダウンを起こしていたことがわかった。
この映画の発電所側の対応は、まさしく今、現実に日本で起こっていることと重なってしまう。
 
原発という社会問題とマスコミのありかたを問うた、素晴らしい作品。現在に置き変えても、全く遜色ない。
 
 

吉本漫才師おしどりの「脱ってみる?」

 
脱原発で頑張っている夫婦漫才師がいる。
「おしどり」のマコさんとケンさん。(2011年6月15日付け毎日新聞朝刊)
 
コンビを結成した2003年に若手漫才師の登竜門「M1ーグランプリ」で準決勝に進出したらしいが、私自身は彼らの漫才を観たことがない。
 
二人は、東京電力福島第1原発事故に関する政府や東電の会見に出席し、出席するだけでなく、入念に下調べをして質問もする。
そして、その詳細をマコさんが「おしどり」のHPのブログで紹介する。
すごい!
 
「絶対にテレビに出られへんようになる」と忠告されたが、「芸人は国のために漫才したらあかん。お客さんの幸せのためにせなあかん」という大先輩の故喜味こいしさんの言葉を胸に刻んでいる。
 
脱原発の輪は着実に広がっている。
そして彼らの漫才も観てみたいな。
 
 

成年後見人の職務

 
認知症の高齢者や判断能力が不十分な人を不利益から守る制度として「成年後見制度」があります(2010年9月2日付け本コラム)。
 
家裁は、後見開始を認めると、成年後見人を選びます。子どもや兄弟などの親族が後見人になることもあります。
後見人の主な仕事は、財産管理能力が不十分な被後見人に代わって、その財産を管理するというものです。
財産の管理とは、現状の維持だけでなく、処分する行為も含みます。例えば、印鑑・通帳の保管、介護サービス契約の締結、生活資金を捻出するための不動産の売却など多岐に及びます。
その前提として、後見人は、選任後速やかに財産を調査し目録を作成しなければなりません。
後見事務を処理するための費用は、被後見人の財産から支出することができます。
また、申立をすれば、家裁は報酬も決めてくれ、受領することができます。
 
 

殺される夫の条件

 
妻が夫を殺害するという事件が相次いでいる。
 
報道によると、その背景にはDVがあるという。保護命令を申し立てたり、弁護士に相談したりするなどの方法はとらなかったのだろうか。
でも、所詮、保護命令にも期限があり、DVで夫が警察につかまってもじきに出所してくる、離婚しても追いかけてくるのではないか。
そういう恐怖や絶望感が妻を殺人にまで追い込んでいくのだろうか。悲しい事件である。
DVなどの性暴力について相談や診察を一度にできる「ワンストップセンター」が全国各地に設置されることが求められる。
 
ところで、AERAの2010年8月30日の記事は、「殺される夫の条件」。
 
残念ながら、直接原文にはあたっていないが、その条件とは、
1、妻にDVしたことがある。
2、浮気したことがある。
3、生活に余裕がある「小金持ち」だ。
4、妻から離婚を申し込まれても応じる気がない。
5、妻はちょっとした美人だ。
 
世の中のDV夫よ、高いびきをかいて安眠していると、そのまま地獄に堕ちることにもなりかねませんぞ!
 

今年も恋の花 咲かせます

 
「花の寺」として有名な宇治市にある三室戸寺。
広い庭園に四季折々に花が咲く。私も5月のしゃくなげの頃に訪れたことがある。
 
今の三室戸寺は、アジサイ。
境内には植栽された約1万本のアジサイが見頃を迎えている。
 
その三室戸寺で、ハート形のアジサイが咲き、「見つけたら幸せになれる」と話題を集めている(本日付け京都新聞朝刊)。
 
アジサイの花は、通常は球形にまとまって咲く。
しかし、房の分かれ具合によってハート型になるものも時々見られるという。
三室戸寺では、昨年初めて発見され、今年もいくつか見つかっている。
でも、花の形は気候などで毎日変わるらしい。
そのため「見つかったら恋が成就するかも」。
 
でも、アジサイの花ことばの1つは「移り気」。
その恋は移り気?
いやいや、ロマンチックですね❤
 
 
 

イタリア映画「道(La Strada)」 

 
どうしても、もう1度、観たいとずっと思っていた。
フェデリコ・フェリーニ監督のイタリア映画「道」(1954年の作品)。
 
おそらく初めて観たのは小学生の頃にテレビで。
父が観ていたので、私もその横で観ていたが、涙が止まらなかったことだけが強く記憶に残っており、いったいどんなストーリーだったんだろうという思いがずっとあった。
「少女」と「おじさん」とサーカスの物語という記憶だったが、今回DVDであらためて観て、それは正確ではなかった。
 
1万リラで大道芸人ザンパーノに売られたジェルソミーナは、ザンパーノの大道芸を手伝わされる。
「女房」として。
自由奔放で粗暴で女好きのザンパーノを嫌って1度は逃げ出すが、連れ戻されてしまう。
そしてザンパーノが喧嘩によって警察に逮捕されたため、逃げる機会はあったが、彼の帰りを待つ。
その後、ザンパーノが綱渡り芸人を殺害した場に居合わせたジェルソミーナは頭が変になり、そんな彼女をザンパーノは置き去りにする。
数年後、ジェルソミーナが死んだことを知ったザンパーノは海辺で号泣する。
 
ジェルソミーナは、「白痴」と解説されているようだが、私にはそうは思えず、純真だが、頭の良い女性だと感じた。
表情でその感情を表現する演技は素晴らしい。
 
そして、綱渡り芸人が語った「世の中に役に立たないものはない」「道端の小石でも」という言葉が、この映画のテーマかもしれない。
その言葉によって、ザンパーノには自分しかいないと考え、彼が警察から帰ってくるのを待つジェルソミーナ。
そんな彼女をザンパーノは見捨てるが、それを後悔して号泣するラストシーン。
 
何か深いものが流れていて、あのセリフは?あの表情は?何を意味しているのだろうと何度も思い返してしまう作品だった。
テーマ曲の音楽も素晴らしい。
1957年、戦後日本で初めて上映されたイタリア映画である。
アカデミー外国語映画賞受賞。
お薦め映画の1つである。
 

 
昨日、隣の席のF川弁護士から「こんな判例、知ってました?」と教えられた。
東京高裁で平成21年10月15日に判決が出ているにもかかわらず、なぜか公刊物の判例時報に掲載されたのが、1年半以上経過した2011年6月1日号(NO2108)。
 
この判決は、男女が交際中、合意で性交渉をし、合意で妊娠中絶手術を行った場合でも、男性が女性の身体的、精神的苦痛や経済的負担の不利益を軽減し、解消するための行為をしないことが不法行為にあたるとしたもの。
 
合意で性交渉をして妊娠そして中絶に至った時に、相手の男性に損害賠償できるか?という相談をたまに受けることがある。
今までは、「中絶費用は半分請求できるけど、慰謝料は難しいと思いますよ」というのが大方の弁護士の答えだったと思う。
 
この事件では、男性は中絶費用として30万円を渡しているようだが、裁判所は、女性の慰謝料を200万円、治療費を68万4604円とした上で、その半分の134万2302円から支払い済みの30万円を引いた114万2302円の支払いを男性に命じた。
裁判所は、女性が中絶を選択せざるを得ない場合においては、直接的に身体的及び精神的苦痛にさらされるとともに、経済的負担をせざるを得ないが、これらは共同の性行為に由来するものであるから、男女が等しくその不利益を分担すべき、と判示している。
 
合意とは言え、中絶で大きな負担を負う女性にとっては、歓迎すべき判決である。
でも、この理屈からすると、不倫の場合や夫婦の場合でも、認められるんだろうか?
議論を呼びそう。
 
 

ふんばろう東日本支援プロジェクト

 
東日本大震災で、全国から日本赤十字社などに寄せられた義援金2513億円のうち、これまでに被災自治体に配布された金額は、およそ3割にあたる822億円で、残りの1691億円は(おそらく銀行口座に)眠ったままになっているという。
死者・行方不明者、全壊・半壊家屋の正確な数字が自治体から上がってこないため、あとになって義援金が不足する事態を避けるため、というのが理由らしいが、なんとも割り切れない。今、徐々に復興に向けて頑張っている被災者にとっては1日も早い義援金の支給が必要だと思う。
 
ところで、「ふんばろう東日本支援プロジェクト」というホームページがある。
 
被災地の各避難所や個人宅などから寄せられた、現在、必要な物資のリストが掲載されている。
これを見ていると、各避難所や個人宅ごと、あるいは季節によっても必要な物が異なることがわかる。
私も、このホームページを見て、今日初めて、宮城県の多賀城市役所に物資を送った。
まだライフラインが完全でない地域も少なくない。私たちにできることを息長く続けることが大切。
 
 
 
 

 
震災直後の家屋倒壊や津波などの「直接死」ではないが、避難所生活など震災の環境の変化によって死亡することを、「震災関連死」と言います。
 
「震災関連死」と判定されると、遺族には災害弔慰金が支給されます。その金額は、生計維持者の方が死亡した場合は500万円、その他の方が死亡した場合は250万円です。
しかし、これまで「震災関連死」の基準に全国統一的なものはなく、被災地の市町村から厚生労働省に問い合わせが相次いでいました。
そこで、厚生労働省は、東日本大震災では、同省が2004年の新潟県中越地震で長岡市が作成した「震災関連死」の認定規準を各都道府県に示し、各市町村へ周知するよう求めています(京都新聞2011年6月6日付け夕刊)。
 
長岡市の基準によると、
・地震が発生した2004年10月23日から10月末までの死亡は関連死と「推定」
・1ヶ月以内は「可能性が高い」
・1ヶ月以上は「可能性が低い」
・6ヶ月以上経過後の死亡は「震災関連死でないと推定」
などとされています。
 
 

携帯電話の「がん」危険性を指摘(WHO)

 
世界保健機構(WHO)の国際がん研究機関は、5月31日、携帯電話の電磁波とがん発症の関連性について、「聴神経腫瘍や(脳腫瘍の一種である)神経膠腫(こうしゅ)の危険性が限定的ながら認められる」との調査結果を発表した(2011年6月1日京都新聞夕刊)。
 
携帯電話が発する高周波電磁波の健康への影響については、国内外で研究が進められ、発がんリスクが高まると指摘する研究者もいるが、明確な結論は出ていない。
日本では、携帯電話の基地局周辺の住民が健康被害を訴えて裁判を行っているが、まだ因果関係を認めた裁判例はない。
 
今回、国際がん研究機関ががんの危険性を指摘したのは、携帯の契約者が世界で50億人に上り、確定的な研究結果が判明してから警告するのでは被害が大きくなる恐れがあると判断したため。
特に子どもは使用を控えた方がいいとのこと。
同機関は、結論が出るまでの予防的措置として、イヤホンとマイクが一体となったヘッドセットを利用することを勧めている。
 
要するに、あとは自己責任ということね。
私はと言えば、携帯電話を「携帯」しているだけで、メール以外はほとんど利用していないが・・・
 
携帯電話と発ガン性の関係も、原発と同じく、長期間の「人体実験」によらなければ判明しないのだろうか?
なんか、わりきれない。
 
 

 
元裁判官で、この春からは滋賀県で弁護士をされている井戸謙一さん。
原発(石川県志賀原発2号機)差止め判決を書いた唯一の裁判官。京都地裁にもしばらく在籍されていたので、身近に感じる。
 
原発には「素人」の裁判官が、国の政策を否定する判決をなぜ書いたのか?その思いを聞いてみたいと思っていた。
 
本日付け朝日新聞朝刊にインタビュー記事が掲載された。
「貞観地震(869年)、長い歴史から見れば、わずか千年前に起こったことは、また起こりうる『具体的危険』だと思います。原発という危険なものを扱う以上、当然、備えるべきです。」
「甘い想定で、『安全だ、安全だ』と声高に言っても、その主張に乗るわけにはいきません。」
「一般論で言えば自分で決断ができないときに、肩書のある人たちの見解に沿ったほうが無難かな、という心理が働く可能性があります。」
「いくら世論と乖離していても、少数者の言い分にすぎなくても、主張に合理性があると思ったら認めなければいけません。」
「結論として原告の主張が認められるとすれば、国策に反していても原告勝訴とする。それが裁判官の仕事です」
 
立派な肩書きの人の意見に賛同していたほうが、あとで間違いがわかっても、あまり非難を受けない・・・・・そんな心理状態の中で、「安全性」の立証はあくまで被告側が尽くすべしとして、原発差止めを認めたことは、やはり相当の信念と勇気が必要だっただろう。
 
「原発訴訟もそうですが、訴えをどこにも聞き届けてもらえず、司法に一縷の望みをかける例が多い。それを正面から受け止めて、救済すべきものはきちんと救済する。そこに本来、裁判官のやりがいはあります。司法は、市民の最後の砦であるべきです。」
 
あ~、涙が出てくる。現役の裁判官は、この井戸さんの言葉を重く受け止めてほしい。
 
 

養育費の決め方

 
離婚の時に親権者にならなくても、子どもとの親子関係がなくなってしまうわけではありませんので、未成年の子どもを扶養する義務は、両親が双方で負担しなければなりません。
そして子どもを引き取らない親が、実際に子どもを育てている親に対し、養育費を払うことになります。
 
養育費を誰がいくら負担するかは、話し合いで決めることになります。話し合いができない場合には、家庭裁判所に調停を申し立てて、話し合い、それでもまとまらない場合には、家裁が審判で決めてくれます。
また、両親の話し合いで決めることができた場合でも、最低、その内容を合意書の形にして残しておきましょう。また、将来、支払いが遅れたり、未払いとなったりする場合にそなえ、公証人役場で公正証書を作成してもらった方が良いと思います。
 
養育費の具体的な算定にあたっては、両親の収入の額が判断の資料となります。家裁では一応の目安になる「算定票」を持っており、通常は、それにもとづいて調停が進められます。
 

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