遺産の分け方をめぐって争いなることがよくありますが、逆に借金が多い場合はどうすればよいでしょうか。
相続財産はプラスの財産だけでなく、借金などのマイナス財産も含みますので、借金だけを相続しないという都合のよいことはできません。
ただ、借金の方が多い場合、相続人には負担になりますから、民法は、相続放棄と限定承認という2つの制度を定めています。
相続放棄は、相続は一切しないというものです。限定承認は、借金について、相続したプラス財産の限度内だけで責任を負うというものです。
どちらも相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内(考慮期間)に家庭裁判所に申し立てねばなりません。
限定承認のメリットは、プラスとマイナスがどちらが多いかわからない場合、精算した結果、プラスの財産が残れば、これを相続することができるところにあります。ただし、限定承認は、相続人全員でしなければなりません。
気を付けなければならないことは、財産の全部または一部を処分したり、隠したりした場合には、相続を承認したものとみなされ、もはや放棄も限定承認もできなくなりますので、注意しましょう。
2010年9月アーカイブ
私の故郷、岐阜県産である。
実は、明宝ハムは知っていたが、明宝ケチャプは知らなかった。
他の人のブログで「おいしい!」と絶賛されていたので、先日、岐阜県へ登山にでかけた帰りに買ってみた。値段は1本580円とややお高め。
昨夜、野菜と肉のケチャップ炒めを作り、初めて食べてみた。
おいしい!
確かに、普通のケチャップとは違う。完熟トマト(桃太郎)を使用した手作りで、その上、無添加・無着色。まるで、生のトマトを食べているよう。
また岐阜県へ行く時には、買おっと。
消費者金融大手の武富士が、9月28日、東京地裁に会社更生法の申立てをしました。
せっかく過払い金の示談が成立したのに支払いがストップされてしまい、今後どうなるのだろうと不安を感じられている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
会社更生というのは、経済的に行き詰まった株式会社が再建を応援してくれるスポンサーを探して更生計画案を作り、その計画案に利害関係者の多数が同意すれば、その計画に従って再建をしていく手続きです。
過払い金の返還を求める権利を持っている人は、債権者となりますから、裁判所から指定された債権届出期間内に自分の債権を届け出る必要があります。
ただ、一般的には、自分が持っている債権額の2割くらいの弁済しかないようです。
また、更生計画案が多数の同意を得られなかった場合や、同意を得られても、その後計画が履行できなくなった場合には、破産手続きに移行することになります。
仕事が混んでしまって、ずいぶんブログ書くのをサボってしまいました。生きてます。
今、注目の検察官。そのバッジって見たことありますか?
弁護士バッジは、テレビドラマでも割とよく見かけますよね。ひまわりの中に、天びんが描かれています。天びんは「公正平等」、ひまわりは「自由と正義」の象徴です。
検察官のバッジは、真ん中に紅の朝日、まわりに菊の白い花と金色の葉があります。朝日は夏の照りつける日差しを、白い菊は秋の霜を思い起こさせ、検察官の責任と刑罰のきびしさを物語っているそうです。
押収した証拠品に手を加えた主任検事、その報告を受けても隠そうした上司の検察官。バッジが泣いています。
本日の朝日新聞朝刊1面トップのスクープですね。
大阪地検特捜部が証拠品として押収したフロッピーディスクの最終更新日時を、主任検事が検察側のストーリーに合うよう、書き換えていたことが判明。主任検事は「誤って書き換えてしまった」と説明。だが、検察関係者は「主任検事が一部同僚に『捜査の見立てに合うようデータを変えた』と話した」としている。
法律家として人間として絶対に許されないことであり、強く怒りを感じる。
こんなことは一人の検事にできることではない。組織ぐるみで行われたこととしか考えられない。
とかげの尻尾切りで終わらせるのでなく、警察・検察の体質を変えるよう、徹底的に調査してほしいと思う。
(京都新聞2010年9月18日朝刊)
京都府警下鴨署の巡査部長である夫からDVを受けていた妻が右京署に被害届を出したところ、その直後に、その情報が下鴨署に伝えられ、更に下鴨署が夫本人に伝えていたことがわかったという。そのため、妻は、夫側から被害届を取り下げるよう圧力を受けた。
ひどい話である。
DV事案については、京都府警もわりと機敏に対応してくれ、頑張ってくれていると思っていたのに、やはり身内には甘い。
下鴨署の副署長は「事実確認のため、伝えただけ」とコメントしているが、夫が一般人なら、こんなことしないでしょう。
ちなみにDV法は、被害者の安全の確保や秘密の保持に十分配慮するよう、捜査関係者にも求めています(23条)。
私の8月31日付「マチベンの日々」でもご紹介したように、昨夜放映された「科捜研の女、最終回スペシャル」では、うちの事務所の4階会議室がロケに使われました。
いつ事務所が登場するか、ドキドキわくわく。
結構早い段階で、主人公マリコが法律事務所を尋ねてくる場面が登場。あと最後の方でも、2回位出てきました。
ロケ日の8月30日はロケに長時間かかったはずだと納得。
ストーリーは知らなかったが、実は弁護士が犯人でした。犯行動機は現実離れしてたけど、ドラマとしては楽しめました。
夫婦が不幸にも別居したとき、共働き夫婦ならともかく、専業主婦やパートとして過ごしてきた妻の方は、途端に経済的な困難に直面してしまいます。
民法760条は、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する」と規定しています。
この費用の中には、夫婦と子の衣食住の費用、子の出産・養育・教育費用、病気の治療費等が含まれます。
この婚姻費用分担義務は、夫婦の関係が破綻して別居している場合であっても、離婚するまでなくなりません。
婚姻費用を誰がいくら負担するかは、夫婦の話し合いで決めることができます。
もし話し合いで決まらない時には、夫の住所地を管轄する家庭裁判所に、婚姻費用分担の調停を申し立てることができます。
調停がまとまらない場合には、家庭裁判所が審判を下します。裁判所が決める場合、分担する金額は、夫婦双方の収入、資産その他一切の事情を考慮して決められます。
あるテレビ番組の中で、トマト栽培農家の人が紹介されていたものです。
皮を湯むきしたトマトをタッパウエアーなどに入れ、それに蜂蜜をかけ、2時間ほど常温でおきます。
その後、冷蔵庫で冷やして食べます。
すご~く甘いトマトができあがります。
ミニトマトでもOK。
そのまま食べても、またヨーグルトなどをかけて食べても、とてもおいしいです。
昨日午後は、立命館大学法科大学院へ行き、リーガルクリニック・アドバイザーをしてきました。
何をするかというと、ロースクール生が「女性と人権」に関する法律相談(離婚やDV、セクハラなど)をするのを横で聞いていて助言や補足などをします。相談に来られるのは、一般の女性です。
ロー生は二人1組で、1時間の相談時間が取ってあります。
実際の実務の世界では、区役所の無料法律相談なら1人20分、弁護士会なら1人30分ですから、ロー生による1時間の相談は、ぎこちないけど、丁寧でした。
昨日の相談は、破産法や仮処分など、少し「女性と人権」からは離れた分野の知識を必要とする相談だったので、私が口をはさむことが多くなってしまいました。ロー生には、せっかくの専門知識を生かせなくて残念だったと思いますが、現実の法律相談は、学校で習うような典型的な相談ばかりじゃないですから、仕方ありませんね。
ロー生の皆さん、これからも頑張ってください。
昨日に続き、村木無罪判決について。
今朝の朝刊は、どこも一面トップ。
朝日新聞朝刊に江川さんのコメントが載っていた。
「判決には、今回の捜査の問題点を指摘する部分が乏しく不満だ。『供述調書さえとれればいい』という特捜部の体質の背景には、裁判所の捜査チェックもあるはずだ。今回はそんな『なれ合い』を見直す貴重な機会なのに。あえて批判を控えたようにも見える」
全く同感!
今日、予想どおり、村木厚子元厚生労働省局長の無罪判決が大阪地裁で言い渡された。
調書は警察や検察の「作文」というのは、真面目に刑事事件を取り組んだことのある弁護士なら誰もが感じていること。
警察・検察の「作文」と、この「作文」を鵜呑みにする裁判官によって、これまで多くのえん罪が生み出されてきた。
村木さんの事件は、裁判の中で、調書に署名をした証人が「誘導された」と証言したから良かったものの、もしそうでなかったら、どうなっていたか・・・・
密室での取調べは、もうやめにして、すべての取調べを録音・録画すべしというのが可視化の主張。
村木判決に関して岡田外相は「可視が必要」とコメントしていたが、ここでもマニュフェスト違反の民主党はどうするの?
従来、消費者被害に遭った場合、契約の取消などを求めて裁判を起こせるのは、その被害を受けた当事者に限られていました。そのため、被害金額が少額だったり、裁判にかかる費用や専門知識などの問題により、泣き寝入りを余儀なくされた場合もたくさんあったと思います。
そのような問題を解決するため、2007年6月7日改正された消費者契約法が施行され、「消費者団体訴訟制度」が導入されました。
この制度は、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体が、消費者の利益を守るため、事業者の不当な勧誘行為や契約条項の使用に対し、法的に差止めを求めることができるという制度です。
そして、この法律にもとづいて、今年9月6日、消費者機構日本という団体が、不動産賃貸業者の三井ホームエステートに対し、賃貸借契約書の中の更新料や修繕費用などの条項を差し止めを求める裁判を提起しました。
この制度によって、これまで泣き寝入りせざるを得なかった多くの消費者被害がなくなることを期待します。
将来、認知症など自分の判断能力が低下した場合、財産の管理はどうなるんだろうと不安を感じることがあると思います。
そんな場合に備え、あらかじめ信頼できる人との間で、自分の生活や財産管理などを委ねる契約を結んでおく「任意後見」という制度があります。
まず、最初に、信頼できる人との間で、「任意後見契約」を結ぶ必要があります。
後見人の資格には、特に制限はありません。
契約は、公証人が作成する公正証書でする必要があります。契約が成立すると、公証人は、任意後見契約の登記を嘱託することになります。
任意後見契約の効力が生ずるのは、実際に本人に精神上の障害が生じ、本人や配偶者などからの申立により、家庭裁判所が任意後見監督人を選任した時からです。
任意後見監督人は、任意後見人の事務を監督して、不正や不当に本人の財産を喪失させたりすることがないようにするため選任されます。
任意後見人が行うべき仕事の内容は、本人との間で決めた任意後見契約の中身で決まりますから、その内容は一人一人異なることとなります。
ただし、後見人ができるのは契約等の「法律行為」であり、身の回りの世話など「事実行為」は含まれません。
今朝の京都新聞朝刊の一面に、こんなタイトルの記事がデカデカと載っていた。
記事によると、京田辺市は、6日も最高気温が38.3度に達し、今夏で4回目となる国内最高気温を記録したとのこと。
でも、その温度観測機器には、つる性の夏草が大量にからみついていた。
記事は「温度測定は、常に外気を取り入れる必要があるが、機器内に空気が滞留した状態で測定されていた可能性がある」と指摘。つるは6日に撤去された。
データというものをそのまま信用しちゃいけないってことですね。
あ~あ、暑い!
昨日は、京都府京田辺市で39.9度(午後2時54分)を記録した。全国で今年一番の暑さ。どんなんやろ?肌がピリピリって感じやろか?
一昨日は、ジムで4キロランニング。
昨日午後は、京都市内でもあまりの暑さに外に出るのもイヤで、ジムへも行かず、自宅で仕事。
この暑さ、いつまで続くのかなあ・・・
午前中は、大津地裁で裁判。大津駅前の雰囲気が少し変わっていたので、ずいぶん久しぶりだったかなあ。
終了後に大津在住の友人とランチした後、京都駅から伏見へ行き、医師と面談。これから起こす裁判の準備として、色々と教えていただいた。
9月になっても猛暑が続く。
認知症の高齢者を狙って過剰なリフォーム工事契約を結ばせるなどの悪質な商法があとを絶ちません。
認知症の高齢者や判断能力が不十分な方は、詐欺師の手にかかると、大切な財産を簡単に取られてしまう危険性があります。
そこで、これらの人を不利益から守る制度が「成年後見制度」です。
本人や配偶者、4親等内の親族、市町村長などが家庭裁判所に申し立てることができます。
民法で定める後見制度には、「後見」(重度)、「保佐」(中度)、「補助」(軽度)に分かれており、それぞれ援助者として「成年後見人」「保佐人」「補助人」が選ばれます。通常は、親族が選ばれることが多いですが、弁護士などの専門家を選任することも可能です。
成年後見人は、本人に代わって、預貯金や不動産を管理したり、本人が生活する上で必要な契約を締結したりします。
本人が悪徳商法に騙された場合でも、その契約を取り消すこともできます。