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(最新法令:離婚)養育費の先取特権とは?

2026年4月1日施行の改正民法によって、養育費の制度についても改正が行われたことは、以前にご説明しました。

https://www.kyotolaw.jp/introduction/muramatsu/person/2025/12/7313.html

 

月額2万円という法定養育費が新設されたとともに、これまでは、裁判所の判決や調停調書あるいは公正証書など法的効力の高い文書(債務名義)がないと給料などに強制執行をすることができませんでしたが、改正により養育費については先取特権(さきどりとっけん)が認められ、その権利を有することを証明する文書などがあれば、「他の債権者よりも優先して債務者の財産から弁済を受けることができる」ようになりました。

 

よって、養育費を請求できる人(債権者)は、養育費支払合意書など「その権利を有することを証明する文書」を執行裁判所に提出して、債務者に対し強制執行を申し立てることができます。

どこかの機関が自動的に取り立ててくれるわけではなく、あくまで債権者自身が裁判所に申し立てる必要があります。

 

ただし、無制限に取り決めた金額の全額が優先されるわけではありません。優先的に扱われるのは、法務省令により、月額8万円に子どもの数を乗じた金額までとなっています。

 

改正法の施行は2026年4月1日からですが、それ以前に離婚が成立している場合でも、施行日以降に発生する養育費については先取特権の対象となります。

 

なお、合意文書ではなく、法定養育費による強制執行の申立てがあった場合には、債務者にとって酷な場合もあり得ることから、執行裁判所は、必要があると認めるときは、債務者を審尋する(裁判所が債務者の意見などを聞く)ことができるとされました(改正後民事執行法193条3項)

4月25日午後、自由法曹団京都支部主催で、JR向日町駅前タワーマンションの工事現場とアリーナ建設地の現地視察の企画があったので参加した。

 

まず、駅前のタワマン工事現場。

JR向日町駅のホームからよく見える。JR向日町駅は、京都府向日市にあり、京都駅からは普通電車で3駅8分という近さである。

下の写真の左側は建設中の5階建ての駅ビル。その向こう側の重機がある辺りがタワマン建設予定地。

 

 

これは、京都府向日市のJR向日町駅前再開発事業として行われ、高さ130m・38階建て・約330戸の高層マンション建設が計画されている。建設されれば、京都府内初のタワーマンションとなる。

現在建設中の5階建て駅ビルでさえ、かなり高く見えるのに、38階建てなど巨大すぎて、およそ想像できない。景観・街並みや環境などが大きく変わることは明らかだろう。

しかも、駅ビルとタワマンとが3階部分の渡り廊下で相互に行き来できるという構造になっているようで、これによって本来可分な2つの棟を「一体」と見て住宅棟の容積率をクリアしているとのことであった。

現在、近隣住民の方々が建築確認取り消しを求め、京都府建築審査会に審査請求中。

 

次は、京都アリーナ(仮称)建設地へ移動。

京都市・北山アリーナ計画が住民の大きな反対運動によって頓挫した後、2024年3月に京都府は、突如、向日市にある向日町競輪場横に、9300人以上の観客が入れる巨大アリーナを建設すると発表した。総額348億円をかけ、3年後の開業を目指している。しかし、住民には事前に何の説明もない発表だった。

 

JR向日町駅から阪急東向日駅を通り、建設予定地へ向かう。

京都市内と違って、道路は片側一車線しかなく、歩道も整備されておらず狭く、競輪場周辺の道路事情は最悪である。

 

建設地は、競輪場の広さを縮小し、その隣接地にアリーナの建物を建てる。

計画の全体像については、北山アリーナが頓挫した「経験」からだろうか、住民が何度求めても明らかにされていない。

 

下の写真は、競輪場の建設地。

 

 

下の写真は、アリーナ建設地。

 

そして、建設地のすぐ横には、閑静な住宅街もある。

 

 

 

最後に、住民の皆さんも交えて、お話を伺った。

 

京都府は、アリーナ来場者の車による来場は想定せず、電車やバスあるいは徒歩での来場を基本として考えているとのこと。

しかし、前記したとおり、周辺の道路事情は最悪で、現在整備計画もなく、イベント終了時に多くの観客がどのように駅まで歩くのか、近隣住居への迷惑、人や車の渋滞、救急車などの運行などを考えると、住民の不安が増すことは明らかだ。

 

長年京都に住んでいても、向日市という町はあまり訪れたことがなく、なじみがなかったが、実際に現地を訪れてみて、行政が町を壊していく様を実感することができた。

 

今後も注目していきたい。

 

「戦争反対」「憲法9条を守ろう!」という声が、これまで声をあげてこなかった普通の若者も含めて、徐々に広がりを見せている。

 

そんな中、私は、2026年4月22日付け朝日新聞夕刊のある記事にとても感銘を受けたので、ここに紹介しておきたい。

 

トランプ大統領は、イランへの軍事攻撃をめぐり、「日本は助けてくれなかった」と不満を口にした。1991年の湾岸戦争の時に続き、再び、日本の「貢献」がとりざたされている。

 

1991年にアメリカが湾岸戦争を始めた時も日本は自衛隊を派遣しなかった。

そんな時、当時高知市の私立高校3年生の柏木文蔵さん(当時17歳)は「憲法9条を知らない米国人は、日本を嫌うかもしれない」と心配になり、アメリカの著名なコラムニストのボブ・グリーン氏に手紙を送った。

「1人の兵士も湾岸に送らない理由がある。日本国憲法9条だ。私たちは45年以来、戦争を放棄している」

そして米国人、なかでも米兵の文通友達を募り、「戦わない理由」を直接説明したいとも書いた。

これがグリーン氏の目に留まり、戦争が終わった直後の1991年4月15日付けシカゴ・トリビューン紙で記事となり、柏木さんの元には、文通を求め、なんと100通を超える航空郵便が届いた。

シカゴ郊外の高校生は「本当に試されるのは戦争を始める能力ではなく、戦争を回避する能力だ」と記していた。

柏木さんの卒業後、学校は、「17歳の若人の投じた一石の行方を平和へのあゆみのシンボルとして残す」との思いから、「文蔵の一石」という冊子をまとめた。

柏木さんは、後に群馬県で医師になったが。、約10年前に若くして他界されたという。

 

もし、柏木さんが生きていたなら、今の国際情勢や日本政府の動きなどについて、どのように語り行動しただろう。

柏木さんのような若者がいたことが何より頼もしい。

 

今こそ憲法9条の精神を本当に実践していく時だと思う。

憲法9条を改悪することなど絶対にあってはならない。

 

 

 

 

(労働)インシビリティ

「インシビリティ」という言葉については、聞き慣れない方も少なくないと思います。

パワハラには当てはまらないけれど、相互尊重に反する無礼な行動を指します。

 

2026年4月23日付け毎日新聞朝刊に、神奈川県立保健福祉大大学院の津野香奈美教授の「インシビリティ」に関する記事が掲載されていました。

 

それによると、「インシビリテイ」は、例えば、「舌打ちする」「話しかけても、こちらを見ない」「にらみつける」などがあるそうです。

会議中の「内職」も相手の話を聞く意思がないことを示しているので、注意が必要とも書かれており、「ドキッ!」としました。

特定の人だけ「○○ちゃん」など呼び方を変えることも該当するそうです。

 

2022年に企業にパワハラ対策を義務付けた改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)が全面施行され、明確にパワハラの定義に当てはまる行動には対処できるようになったのですが、それでない行動は逆に野放しになってしまうということです。

 

津野教授は、まずはパワハラ未満の無礼な態度は、インシビリティだと認識することが大事と言います。そして、インシビリティを受けたら、できれば直接指摘できるとよいとも。直接言わないと相手も気づけないからです。直接できなければ、第三者からでも。誰も口に出さないと、その行為の承認につながります。

そして、インシビィテイ防止に必要なのは、コミュニケーションを積極的に取り合い、お互いの価値観や認識を確認し合う時間を取ることがよいとのことです。

 

見過ごしやすい「インシビィテイ」。

働きやすい職場作りを目指したいものですね。

 

 

 

2026年4月22日付け毎日新聞朝刊で、東京地裁が同月13日「フキハラ」(不機嫌ハラスメント)事案を労災認定したとの報道がありました。

 

被災者男性(当時24歳)は、2017年に東京ガスに入社し、翌18年春に子会社に出向しましたが、同年8月にうつ病を発症し自殺しました。

判決は、グループが男性含めて3人と小規模だった職場環境に言及し、「十分な支援・フォローがされていなかった」と指摘した上で、直属の上司が繰り返し厳しい態度で接した点を重視して「相当な精神的な負荷があった」と認定しました。

遺族側代理人は、「明白なパワハラとは言いがたい不機嫌ハラスメントを重く見た判断だ」と評価しました。

 

新聞報道だけなので、事実関係の詳細はわかりませんが、上司などとのやりとりだけではパワハラと言えないような場合にでも、状況によってはハラスメントにあたるとしたことは注目に値されます。

 

 

 

(労働)労災の「残業時間」認定にスマホ情報

過労死や過労自殺が「労働災害」「公務災害」と認定されるには、被災労働者の残業時間がどのくらいあったのかが重要な資料となります。

そして、往々にして、労働者側と会社側とで残業時間の数字が異なります。

 

しかし、出退勤記録が杜撰、タイムカードがない、あるいは正しく打刻されないという職場も少なくなく、過去の労災認定事案では、被災した労働者の残業時間を証明するのに様々な資料が使用されてきました。

業務用パソコンの使用時間や業務に関するメールの送受信記録、夫の帰宅時間を記録していた「妻のメモ」が証拠となった事件もありました。

 

2026年4月20日付け読売新聞夕刊では、昨年7月に都内の労基署が、製造工場で働いていた会社員男性の過労自殺を認定した事案について、決め手となったのは、その男性のスマホの位置情報であったと報じています。

勤務先が提出した出退勤記録では残業はほぼなしとされていましたが、男性のスマホのアプリに記録されていた位置情報データから、連日、工場にいたことが判明。

労基署は、男性が工場にいた時には仕事に専念していたとする同僚証言も考慮して、自殺までの1ヶ月間で残業時間が173時間に達したと判断し、労災を認めました。

 

厚生労働省によると、過重な業務や仕事の強いストレスが原因で、脳や心臓の疾患、精神障害を発症して2024年度に労災認定された件数は1304件と、5年前の1.8倍に増加しています。

かし、自民党は、労働基準監督署に対し「時間外労働を月45時間以内に削減することを求める一律の指導を見直す」との提言を、4月15日、高市首相に渡しました。

また、高市首相自身も、昨秋、厚生労働相に「労働時間規制の緩和検討」を指示し、2月の施政方針演説では「裁量労働制」の見直しに意欲を示しています。

 

月45時間を超えれば過労死のリスクは高まります。

自民党の提言では、労働基準監督官が十分な指導ができなくなり、長時間労働が助長される恐れがあると言えるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

たけのこの「あく抜き」

たけのこが美味しい季節となり、先日、友人から皮付きのたけのこを1本いただいた。

昨年は不作だったが、今年はたくさんとれたよう。

 

めざすは、たけのこご飯とたけのことワカメの煮物。ちょうど、生ワカメもいただいたばかり。

 

皮付きたけのこは新鮮で、嬉しいが、「あく抜き」がちょっと億劫。

そんな億劫さを解消できる魔法がある。

古い新聞記事を切り抜いて保管してあった。

魔法は「重曹」。

すぐに近くのスーパーマーケットに食用重曹を買いに行った。

 

方法は簡単。

はじめからたけのこの皮をむいて、重曹で湯がくだけ。1リットルの水に重曹を小さじ半量から1杯。ゆで時間も20~30分くらい。

 

本当にあくが残らず、おいしくゆであがるから不思議。

やはり新鮮なたけのこは柔らかくて美味しい。

ここ数日は、毎日、たけのこご飯と煮物を楽しんでます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「平和憲法守る」思いに共鳴広がる

衆院選圧勝で改憲に意欲を示す高市首相や同政権内での憲法改悪に向けた動きに対し、憲法が改悪されて日本が戦争に加担する国になっていくのではないかという不安を感じている人は少なくないだろう。

もちろん、私もその一人である。

 

「平和憲法を守りたい」

そんな思いに共鳴する動きが、交流サイト(SNS)を通じて全国に広がっていることは、とても心強い。

 

「スタンディングを行います。おそらく私1人ですが」と4月5日茨城県つくば市在住の20代の女性がXを投稿したところ、8日夕方、つくば駅周辺には100人を超える人が続々と集まった。

JR仙台駅前には約350人が駆けつけた。札幌駅前には約1400人が集まった。

10日夕方までに47都道府県の163カ所で計4万9351人が参加したという。

(2026年4月11日付け京都新聞朝刊)

 

戦争はいやだ、でも、どうやって声を上げたらいいかわからない・・・という人たちをウェブサイト「デモカレンダー」が後押しする。

 

2026年4月19日付け朝日新聞「天声人語」では、日米安保条約改定に反対するデモが広がった1960年、小林トミさんという30代の美術教師が「誰デモ個人として入れる声なき声の会」と書いた横断幕を作り国会に向けて歩き始めたところ、気づけば300人近くが一緒に歩いていたというコラムが掲載されていた。65年以上経った現在も、今月上旬、改憲反対のデモに1人で参加している若い世代がたくさんおり、そこにたくさんの「1人」がいることに励まされ、安心したと話す人もいたとのこと。

 

先週の日曜、大文字山に登り、銀閣寺方面に下山したところ、銀閣寺道で「No WAR」と書いたプラカードを置いて1人でスタンディングしていた女性もいた。

 

日本全国のあちこちで、「平和憲法を守ろう」という共鳴が起こっている。

 

 

 

 

 

くも膜下出血で寝たきり状態になった東京大学医科学研究所付属病院の50代男性医師が、国に対し過重労働による労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は、2026年3月16日、労災と認めました(確定)。

 

時間外労働は、発症前の6ヶ月平均で、100時間を超えていました。

 

裁判で争点となったのは、夜間や週末に待機する医師の「宿日直許可」。

「宿日直許可」とは、「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」については、労働基準法上の「労働時間」「休憩」「休日」に関する各規定を適用しないと定められているものです(労基法41条3号)。

労基法の例外ですから、あくまで「通常の労働」とは異なる軽度または短時間の業務であることが前提となっている規定です。

 

判決は、医師は宿直中、入院患者の急変やみとりに対応したり、診察やカルテの作成などをしたりしており、「労働からの解放が保障されたとはいえない」と判断し、宿直時間すべてが業務として認めるのが相当であるとしました。

 

医師の時間外労働については、2024年4月に上限規制が導入されました。そのため、宿直や日直が労働時間にカウントされないよう、宿日直許可を申請する医療機関が急増しているようです。

宿日直許可を得れば、あとは働かせ放題という実態もあり、判決はそうした状況への警告とも言えるでしょう。

 

 

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