1. 雪山登山の失踪宣告(危難失踪)が認められました(東京高裁)
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.232)
 
2016年7月8日付けの当ブログ「雪山登山の失踪宣告(危難失踪)事件調査の旅(東北そして東京)」で紹介した、東北の雪山に平成27年1月一人で登り、そのまま還らぬ人となったKさんの失踪宣告事件。
原審の家裁が危難失踪を認めなかったので、高裁に抗告していましたが、昨日、危難失踪を認めるという決定が届きました。
 
普通の失踪宣告は、生死が7年間明らかでないとき、請求により家裁が行いますが、この「危難失踪」というのは、戦地に行ったとか、沈没した船の中にいたなどの危難に遭遇した者の生死が危難が去って1年間明らかでないときに行われます(民法30条)。
 
原審の家裁は、雪山に登って還らないことは「危難」にあたらないと判断しました。
 
高裁段階からこの事件を受任しました。
今年7月には、東北まで出かけて、捜索にあたった地元の方の話を伺ったり、同時に、Kさんが行った山にも雨が降る中登りました。
また、Kさんが勤務していた東京の会社関係者にも面談し、お話を伺うことができました。
その甲斐があったというものです。
「早く気持ちの整理をしたい」というご両親の気持ちにも応えられて良かったです。
 
Kさんが亡くなられて来年1月で丸2年が経過します。
来年早々には、再び、地元の方々への報告とお礼もかねてその地を訪れ、Kさんにも裁判の報告とお参りをしに行きたいと思っています。
 
なお、決定の内容などは、また「法律コラム」の方で紹介します。
 
 
 

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