1. 映画と本「急に具合が悪くなる」
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映画と本「急に具合が悪くなる」

今、話題の「急に具合が悪くなる」。

原作(晶文社)があったので、先に本を読み、その後に映画を観た。

 

映画は、2026年5月のカンヌ国際映画祭で、ダブル主演のヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さんが女優賞を受賞した(岡本さんは日本人初)。

監督は、アカデミー賞国際長編映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー」の濱口竜介監督。

 

新聞記事でこの映画のことを知った時、映画「ドライブ・マイ・カー」は以前観たことがあったが私にはやや難解で、しかもこの映画の上映時間が3時間16分もあるということで、ちょっと躊躇していた。でも、映画を観た友人がとても良かったとメールをくれたので、では、まず原作を読んでから映画を観に行こうと決めた。

 

原作は、哲学者の宮野真生子(まきこ)さんと人類学者の磯野真穂さんの実際に交わされた往復書簡である。宮野さんは2019年7月に逝去。

宮野さんと磯野さんは、宮野さんが末期がんで死に向かう中、仕事を通じて知り合い、往復書簡を交わすようになった。原作は、2019年5月から7月までの全10編の手紙が掲載されており、生と死をめぐってそれぞれの思いが語られ交流されている。

学者同士のやりとりで、やや難解なところはあるが、私自身、末期がんの夫を約2年見守る中で考えたことや思い悩んだことがあったので、宮野さんの言葉を読みながら、あまり語らなかった夫はあの時どのように思っていたのだろうかなどと考えながら読み進めた。そして、自分ががんになった時、このように冷静に理性的に生と死に向き合えるだろうか、とも。

 

映画は、原作がベースにはあるが、原作を再現したものではなく、かなり異なった内容になっていた。

フランス・パリを舞台に、偶然出会った、高齢者施設の施設長であるマリー・ルーと余命半年と宣告された日本人の舞台演出家真理の「魂のやりとり」が静かに流れる。

高齢者施設における高齢者や認知症患者をどのように「ケア」するか、なぜ介護施設の経営は苦しいのか?、なぜ少子化は進むのか?、なぜ戦争はなくならないのか?など資本主義の問題にまで触れられ、「フランスでもそうなの?」と思うほど、きわめて社会性の高い問題提起がなされている。

また、全編を通じて展開される認知症や高齢者に対するケアのあり方の「ユマニチュード」は、夫が亡くなった後に、確か、京都新聞夕刊で何回か連載され、私が興味関心を持っていた、新しいケア技法である。

職員の抵抗は強かったが、希望ある結末になっていた。

 

このような社会的な問題提起も含まれた映画だったが、やはり3時間16分の上映時間は長かった・・・

 

 

 

 

 

 

 

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