1. (最新法令:離婚)養育費の先取特権とは?
女性弁護士の法律コラム

(最新法令:離婚)養育費の先取特権とは?

2026年4月1日施行の改正民法によって、養育費の制度についても改正が行われたことは、以前にご説明しました。

https://www.kyotolaw.jp/introduction/muramatsu/person/2025/12/7313.html

 

月額2万円という法定養育費が新設されたとともに、これまでは、裁判所の判決や調停調書あるいは公正証書など法的効力の高い文書(債務名義)がないと給料などに強制執行をすることができませんでしたが、改正により養育費については先取特権(さきどりとっけん)が認められ、その権利を有することを証明する文書などがあれば、「他の債権者よりも優先して債務者の財産から弁済を受けることができる」ようになりました。

 

よって、養育費を請求できる人(債権者)は、養育費支払合意書など「その権利を有することを証明する文書」を執行裁判所に提出して、債務者に対し強制執行を申し立てることができます。

どこかの機関が自動的に取り立ててくれるわけではなく、あくまで債権者自身が裁判所に申し立てる必要があります。

 

ただし、無制限に取り決めた金額の全額が優先されるわけではありません。優先的に扱われるのは、法務省令により、月額8万円に子どもの数を乗じた金額までとなっています。

 

改正法の施行は2026年4月1日からですが、それ以前に離婚が成立している場合でも、施行日以降に発生する養育費については先取特権の対象となります。

 

なお、合意文書ではなく、法定養育費による強制執行の申立てがあった場合には、債務者にとって酷な場合もあり得ることから、執行裁判所は、必要があると認めるときは、債務者を審尋する(裁判所が債務者の意見などを聞く)ことができるとされました(改正後民事執行法193条3項)

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