くも膜下出血で寝たきり状態になった東京大学医科学研究所付属病院の50代男性医師が、国に対し過重労働による労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は、2026年3月16日、労災と認めました(確定)。
時間外労働は、発症前の6ヶ月平均で、100時間を超えていました。
裁判で争点となったのは、夜間や週末に待機する医師の「宿日直許可」。
「宿日直許可」とは、「監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの」については、労働基準法上の「労働時間」「休憩」「休日」に関する各規定を適用しないと定められているものです(労基法41条3号)。
労基法の例外ですから、あくまで「通常の労働」とは異なる軽度または短時間の業務であることが前提となっている規定です。
判決は、医師は宿直中、入院患者の急変やみとりに対応したり、診察やカルテの作成などをしたりしており、「労働からの解放が保障されたとはいえない」と判断し、宿直時間すべてが業務として認めるのが相当であるとしました。
医師の時間外労働については、2024年4月に上限規制が導入されました。そのため、宿直や日直が労働時間にカウントされないよう、宿日直許可を申請する医療機関が急増しているようです。
宿日直許可を得れば、あとは働かせ放題という実態もあり、判決はそうした状況への警告とも言えるでしょう。