1. 女性弁護士の法律コラム

女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.243)
 
四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の運転差し止めを命じた広島高裁の仮処分決定について、広島高裁は、2018年9月25日、四国電力の異議を認めて同決定を取り消しました。
 
広島高裁は、昨年12月、阿蘇カルデラで約9万年前に起きた過去最大規模の噴火について「火砕流が到達した可能性は十分小さいと評価できず、原発の立地は認められない」と判断し、今年9月30日まで伊方原発の運転停止を命じました。
 
今回の決定は、昨年12月決定が差し止めの根拠とした、原子力規制委員会が安全性を審査する内規として策定した「火山影響評価ガイド」について「相当な正確さで噴火の時期と規模を予測できることを前提にしており不合理」と指摘し、「災害の危険をどの程度容認するかという社会通念を基準とせざるを得ない」としました。
 
その上で、阿蘇カルデラで破局的噴火が発生した場合、膨大な数の国民の生命が奪われ、国土は壊滅に至る被害をもたらすと認定するも、「具体的予防措置を事前に執ることはできない」とし、一方で、「発生頻度は著しく低く」、「国民の大多数はそのことを格別に問題にしていない」と断定しました。
 
そして、「破局的噴火で生じるリスクは発生可能性が相応の根拠をもって示されない限り、原発の安全確保の上で自然災害として想定しなくても安全性に欠けるところがないとするのが、少なくとも現時点におけるわが国の社会通念だと認めるほかない」とし、伊方原発の安全性は欠けていないというのが社会通念だと判断しました。
 
原発の安全性・危険性は、本来、科学的に判断されなければならないものではないでしょうか。
今回の決定は、噴火の時期や程度を予知できない限り、社会通念を基準に判断せざるを得ないと判断していますが、「社会通念」とは何か、また、なぜ「社会通念」が基準となるのかという根拠も示されていません。
しかも、裁判所が言う「社会通念」は、国が破局的噴火のような自然災害に具体的対策を策定していないことと国民の大多数がそのことを格別問題にしていないことのようですが、国の無策及び原発再稼働に反対する国民の大きな声を全く無視するものにほかなりません。
 
折しも9月27日は、4年前に御嶽山が突然噴火し、多くの登山者が犠牲になった日です。
また2016年10月には阿蘇山中岳第1火口で爆発的噴火が起こり、今年になっても3月には再び火口入山規制され(4月23日規制解除)、いつ火山の爆発が起こるかわからないというのが現状です。
 
そのような予測不可能な事態を認定しながら、「社会通念」で原発「安全」と認めてしまうのは、やはり原発再稼働の「結論ありき」だったとしか考えられません。
 
 
 
 

借家で一人暮らしの女性の相談

 
(女性弁護士の法律コラム NO.242)
 
豪雨の後の京都は、連日、40度近くの猛暑日が続いている。外を歩くと、溶けてしまいそうな暑さである。
 
京都市内の各区役所では、毎週水曜日午後に無料法律相談が行われている。
昨日は、区役所の無料法律相談の担当日だったので、一番猛暑の時間帯に出かけた。
午後1時過ぎから午後3時過ぎまでの時間帯に6人の相談者の相談を聞かなければならないので、区役所の担当者から「一人20分でお願いします」と釘をさされる。
しかも、相談開始から15分経過すると、担当者が「あと5分です」と声をかける。
ゆっくり相談を聞くことができないのがつらいところである。
 
昨日の相談の中で印象に残った女性がいた。
その70代後半の女性は、借家の借り主で、家主から、突然、老朽化を理由に明け渡しを求める手紙が届いたとのことであった。
夫は既に亡くなり、娘らも独立し、長年住み慣れたこの家で一生を終えようと思っていたところに、家主から明け渡しを求められ、途方にくれていた。
 
娘さんが家主と交渉するようだったので、家主側の「老朽化」という理由は、なかなか認められるわけがないので、とりあえず「明け渡しはできない」と回答をし、家主の出方をみるようアドバイスをした。
 
一人で年金だけで生活しており、これから他に家を借りられる所もなく、長生きしたからこんなことが起こるのか、もう死んでしまいたい、などと目に涙をためて言われた。
法テラスを利用すれば、弁護士費用は立て替えてくれるので、弁護士に依頼することもできることを説明したが、たとえ分割でも返済していかなければならないので、そんな余裕はないとも言われた。
法的には大丈夫かもしれないが、今後家主が何をやってくるかわからないという不安な気持ちが抑えられないのであろう。
自治体の住宅などの公的な施設やサービスがもっと充実していたら、彼女のような心配もしなくてもよいのに・・
 
弁護士が受ける法律相談に楽しいものがあるはずもないが、暗い気持ちになった。
 
法律相談中、外はどしゃぶりの夕立だったが、終了して帰る頃には、雨は上がっていた。
雨上がり後のあまり涼しくないムッとする空気の中を、暗い思いで帰った。
 

顧問弁護士は「第三者」じゃない

 
(女性弁護士の法律コラム NO241)
 
麻生財務大臣が、2018年4月17日の記者会見で、財務省の福田事務次官のセクハラ疑惑の事実調査を「公平性のため」「第三者」の弁護士に依頼したと述べた。
その弁護士というのは、財務省の顧問弁護士だという。
 
政治家が使う「第三者」という言葉。どこかで聞いたような・・・・
そうそう、当ブログでも書いたことがあるが(2016年6月13日付け)、2016年、当時の舛添東京都知事に政治資金問題が起こった時にも、舛添氏は「第三者」である弁護士という言葉を何回も使用した。
 
弁護士は、依頼者から着手金や報酬等を受領して、その依頼者のために働くのが主な仕事なのだから、どう考えても「第三者」ではあり得ない。
財務省の顧問弁護士は、財務省からお金(国民の税金だが)をもらってるんだから「第三者」ではないのは当然だ。
政治家や弁護士本人がどう思っていても、少なくとも社会は「第三者」とは見ないし、見えない。
 
政治家は、日本語の使い方を間違っている。
 
 
 
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.240)
 
今年1月末に、私の郷里の岐阜に住む友人と3月に大学卒業を控え就職も決まった娘さんと3人で食事をする機会があった。
その際、娘さんが昨年春、自転車に乗っていて車と衝突し負傷するという交通事故に遭ったこと、加害者側保険会社が医療機関に支払っていた治療費が昨年12月で打ち切られたこと、示談がまだ未解決であること等を聞いた。
友人は、これからどのように加害者側保険会社と交渉したらよいかわからないと困っていた。
 
私の友人は車を所有しているので、私は「あなたが掛けている車の任意保険に弁護士特約はつけていない?」「もし、つけているなら、娘さんの自転車事故にも利用できるかもしれないので、適用があるかどうか尋ねた方がいい」「そして、弁護士特約が利用できるなら、弁護士費用は、あなたの任意保険会社が出してくれるから、弁護士に頼んで示談交渉をしてもらった方がいい」などとアドバイスした。
そのようなやりとりの中で、娘さんが大学時代、奨学金を借りており、事故の示談金が入れば、3月下旬までの期限に、借り入れた奨学金の元本の返済の一部に充てたいという気持ちを持っていることもわかった。
 
まもなく、友人から、弁護士特約が利用できることがわかった、ついては、私に依頼できないかという連絡があった。
 
事故現場は岐阜市内で、私たちの距離が京都と岐阜で離れていることが気にかかったが、娘さんから話をあらためて聞くと、示談での主な争点が慰謝料であることがわかったので、受任することにした。
どんな事件でも受任した以上、打ち合わせは、面談が原則である。
ただ、この件は、例外的に、郵便・FAXそして主にはメールと電話で打ち合わせをすることにした。
娘さんからは、できれば3月下旬の奨学金返済期限に間に合えば嬉しいという要望も寄せられた。
正式に受任したのがもう2月に入っていたので、その時点では、3月下旬までに解決するかどうか不明であった。
 
インターネットなどには書かれてあるサイトがあるが、一般的に、交通事故の示談交渉の場合、弁護士に依頼しないで当事者が交渉する場合の慰謝料の金額と弁護士が交渉する場合の慰謝料の金額(弁護士基準)とは、後者の方が高額になる。
だから、弁護士特約があれば、弁護士への着手金や報酬は保険会社が支払うので、私は友人に「弁護士特約が利用できるのであれば、弁護士に依頼した方が良い」とアドバイスしたのだ。
 
私は、娘さんから、交通事故にあって負傷して大変だったことや困ったこと等(慰謝料の事情)を可能な限り詳しく聞き取り、加害者側保険会社の担当者と何回か交渉した。
その結果、3月始めには示談が成立し、示談金の支払いも奨学金返済期限に間に合わせることができた。
 
友人と娘さんから喜んでもらい、私も役に立てて良かったと思う。
娘さんには、ほんの少し、大学卒業と就職の「お祝い」となったかな。
 
 
 
 

亀石倫子弁護士の講演会

 
(女性弁護士の法律コラム NO.240)
 
10月27日、京都弁護士会で開催された刑事弁護講演会に参加した。
 
若い頃には刑事弁護も数多く担当したが、現在は、刑事弁護事件は持っていない。
でも、今回の講演会は、警察によるGPS捜査事件で最高裁判決を獲得した亀石倫子弁護士(大阪弁護士会所属)の講演だったため、どのような弁護活動をして最高裁判決にまで至ったかとても興味があり、参加することにした。
 
講演のタイトルは「刑事弁護は社会を変える」。
これから法曹になっていく司法修習生の研修の1つとしても位置づけられていた。
 

 
亀石弁護士は、コメンテーターとして、時々、テレビで見かけるが、実際に話を聴いたのは、初めて。
就労経験はあるものの、まだ30代で、弁護士経験は7年という若手だ。
 

 
以前にブログでも書いたことがある(ダンスの)クラブ風営法違反事件にも弁護団の一員として関わっていたことを知った。
 
新聞報道されるような裁判事件の場合、新聞では判決の結論(勝訴あるいは無罪)しか報道されないが、弁護士としては、どのような訴訟活動をしたか、どのような証拠をどうやって入手したかなどが気になるところである。
GPS捜査事件でも、警察がGPS捜査をしていることについて、どのように資料を収集し、争っていったかの話が勉強になった。
 
ただ、弁護士としてもっと大切なことは、直感的に「GPS捜査がおかしい」として争うという感性や意欲を持っているかどうかだと感じた。
亀石弁護士だったからこそ、最高裁まで争ったのであり、これが他の弁護士であったならば、もしかしたら、スルーされたかもしれない。
 
例えば、これまでに社会的に注目された、公害事件、薬害事件、無罪事件などでも、やはり「これは、おかしい」という弁護士の感性と行動がなければ、行政や司法の壁は破ることができなかっただろう。
 
単に法律書を読むだけでなく、世の中で起こる様々な事象に目を向け、自分自身の感性を磨いていくことが弁護士に求められる姿勢だとあらためて思った。
 
※GPS捜査違法事件については、当事務所のホームページの「最新判例:刑事」で紹介しています。
 
 
 
 

「差し支えです」

 
(女性弁護士の法律コラム NO.238)
 
裁判所で争われている事件で、次回の期日を決める時、裁判官から「●月●日はどうですか?」と聞かれ、その日に他の予定が入っている場合には、私たちは「差し支えです」とか「大阪で別件の裁判が入っており差し支えです」などと言う。
 
その「差し支え」という言葉が、2017年7月3日付け京都新聞朝刊の「デスク日誌」によると、新聞記者にとっては「法廷で飛び交う慣れない言葉」だと知って意外に思った。
 
記者は、「その日は既に予定があります」とは言わず、「差し支えです」と言うのが、日本語としておかしいと書いていた。
でも、もう何十年も「差し支えです」に慣れきっている私には、なんで日本語としておかしいかよくわからない。
「差し支えがあれば、言ってくださいね」
「差し支えがあるので、行かれません」
って、使うよね。
「差し支え」はあるのか、ないのかであって、「差し支えです」と言うのがおかしいんやろか。
 
私たち法曹が書面に書く言葉で、「にわかに措信しがたい」(=とうてい信じられない)という言葉があるが、このような使い方は、一般市民の人にはわかりにくだろう。
また、面会交流のことを「メンコウ」と略して言ってた若い家裁の裁判官がいたなあ。これは、アカンやろ。
 
でも、「差し支えです」は、何がおかしいかわからん。
今度、日本語教師をしている友だちに尋ねてみよう。
 
 

京都面会交流ひろば

 
(女性弁護士の法律コラム NO.237)
 
昨日は、NPO法人「京都面会交流ひろば」主催で、面会交流に関する講演会と「京都面会交流ひろば」の説明会が開催されたので、参加した。
 
講演は、二宮周平立命館大学法学部教授による「面会交流支援の方法と課題」。
二宮先生には、これまで夫婦別姓問題や、児童扶養手当の非嫡出子に対する差別裁判など、私が弁護士になった頃から色々とお世話になってきた。
久しぶりに聴くお話だったが、とりわけ、カナダにおける面会交流の支援の具体例が興味深かった。
 
次に、NPO法人「京都面会交流ひろば」の活動についての説明がなされた。
親が離婚した場合、子どもの面会交流について家裁で調停成立あるいは審判が下されても、親同士の感情的な対立が続き、面会交流がスムーズにいかないケースが少なくない。
そんな時に、スタッフが面会交流に付き添ったり子どもの受け渡しを支援する活動を行う。
 
このような面会交流を支援する活動を行う民間団体が全国で少しずつ増えており、また兵庫県明石市などは自治体が行っているので、利用も無料である。
これまで京都近郊では、大阪の「エフピック」という団体しかなかったため、京都にもあればと思っていたが、2016年10月にこの「京都面会交流ひろば」が設立され、実現した。
役員は、元家裁の調査官、元家裁調停委員、元裁判官、弁護士、税理士など。
二宮先生は顧問。
スタッフとして実際に活動するのは、役員や現役の調停委員。
受付は、電話のみで、火・木・土の午前11時から午後3時まで。
支援期間は、原則1年(有料)。
詳細は、「NPO法人京都面会交流ひろば」のホームページで。
 
まだ設立されたばかりで、利用者は多くないそうだが、子どもの面会交流にとって、とても有益な取り組みである。
 
 
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.236)
 
犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する改正案が、2017年5月23日、自民・公明・維新などの賛成多数で、衆議院本会議で強行可決された。
 
対象犯罪は277にも及び、2人以上で犯罪を計画し、1人が下見などの「準備行為」をすれば、計画に合意した全員が処罰される。
実行後の処罰を原則とする刑法の体系が大きく変わる。
すなわち、目でとらえることができる犯罪の「着手」ではなく、目では見えない「内心」によって処罰が可能となってしまうのである。
 
日本弁護士連合会も各地の弁護士会も、会をあげて反対意見を表明し、街頭宣伝、集会、パレードなどのとりくみを行っている。
 
政府答弁では「一般人は対象にならない」としているが、他方、「捜査の対象」になれば、一般人ではなくなることも認めている。
 
2017年5月24日付け京都新聞朝刊に、作家の雨宮処凛さんが興味深い投稿をされていた。以下、簡単に紹介する。
2008年、「麻生邸ツアー」を企画した。当時の総理大臣だった麻生氏の私邸が渋谷にあり、敷地だけで62億円の豪邸だというので見に行こうということになったという。
同年9月リーマンショックが起こり、翌年1月には「年越し派遣村」が出現した時で、海外でも、格差を実感するために、このようなツアーがあることを知って企画された。
ところが、渋谷駅で待ち合わせをし、50人ほどが歩道をぞろぞろと麻生邸に向かって歩き始めて5分。突然、3人が逮捕された。
東京都公安条例の「集団示威行動」に該当するという容疑であった。
結局3人は、12日間も勾留され、自宅や関係先が家宅捜索された。
格差社会に疑問を持つ貧しい人が、総理大臣の私邸を見に行こうという意思を持っただけで「犯罪者」として逮捕される。
「共謀罪」がなくとも、このような無法がまかり通るのである。
3.11以降、この国では「声を上げる人々」が多く路上に繰り出すようになり、国会周辺には何度も10万人規模の人が集まっている。
「政権に都合の悪いことを言うやつらは徹底的に取り締まりたい」そんな政権の思惑がちらつく。
共謀罪は、この国の民主主義を破壊するものである。
 
雨宮さんが挙げるケースのように、誰もが、国や自治体などの政策などに不満を持ち、声を上げよう、行動しようとしただけで、もはや、その人は「一般人」ではなくなり、「犯罪の対象」となってしまうのである。
国や自治体への不満だけではない。大企業への不満も「対象」になりうる。例えば、岐阜県大垣市では、風力発電施設の建設に反対する市民の情報が警察によって収集されている。
 
共謀罪の審議は、参議院へ移る。
反対の声を上げましょう!
 
 

講演「離婚について」

 
(女性弁護士の法律コラム NO.235)
 
昨日、京都市ひとり親家庭支援センターで「離婚について」というタイトルで、お話してきました。
これまで、毎年、この時期に講演に行かせていただき、今回が3度目になります。
 
参加対象は、京都市在住のひとり親家庭の親となっていますが、現在、まだ離婚はしておらず、離婚を考えている人も参加は可能です。
 
離婚についての基礎的な知識などを、私が担当した事件の経験も織り交ぜてお話ししました。
2016年人口動態統計によると、2015年の離婚数は21万7000組で、これは2分25秒に1組の夫婦が離婚していることになります。
また、最近は、子どもの面会交流を求める調停が増加しており、これは、少子化や父親も育児に関わる機会が増えていることが背景にあると思われます。
 
終了後は、あらかじめ申込みをされた方の法律相談を行いました。
離婚を考えた時には、事前に正確な知識を得ておいた方が良いですね。
 
お気軽にご相談ください。
 
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.234)
 
今日から年賀はがきの受付が始まった。
今朝の京都新聞で、「お年玉付きくじ」付きはがきを国に提案したのは、京都の男性であったことを知った。
国は、提案には乗り気でなかったが、男性の熱意が勝って世界初のくじ付きはがきが1949年12月に発行されたという。
国が当初反対した理由の1つは「賭博的で射幸心をあおる」
 
それから67年後の2016年12月14日。
与党自民党や日本維新の党などの賛成多数により、カジノ法案が強行採決され、成立した。
 
カジノは、現行刑法の賭博罪(185・186条)に該当する。
そのカジノを、国が率先して導入したのである。
 
刑法の教科書(大塚仁著)には、賭博罪について「偶然的事情によって財物の獲得を僥倖しようとする行為を内容とする犯罪である」と書かれてある。
そして、「私有財産制度のもとでは、自己の財産を任意に処分することは、本来、各人の自由に委ねられているところであり、・・・別段、罪悪とするにあたらないようでもあるが、一面、これら偶然の事情によって財物の獲得を僥倖しようと争う行為を容認するときは、国民の射幸心を助長し、怠惰浪費の弊風を生じさせ、健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風をそこなうばかりか、さらに、暴行、脅迫、殺人、傷害、窃盗、強盗、詐欺、横領その他の副次的な犯罪をも誘発し、ひいては、国民経済の機能に重大な支障をきたさせるおそれがある」と指摘されている。
 
競馬や競輪なども「賭博罪」に該当するが、「公設、公営、公益のため」「法令に因る行為」として違法性が阻却されてきた。
ところが、今回は、民営カジノが合法化されてしまうのである。
 
「カジノ」は、人が負けることによって潤うものにほかならず、刑法の教科書に書かれてあるとおり、勤労意欲を低下させ、挙げ句の果てには、犯罪にまで走らせる恐れがある。
 
30年以上も弁護士業をしていると、仕事柄、ギャンブルで人生を狂わせた人をたくさん見て来た。
破産申請をしても、免責(=借金支払が免除されること)決定が受けられないかも知れないことを悲観して、自殺した人。
競馬にはまって借金が増え、その借金を返そうとまた更に馬券を買う・・・そしてついには、会社の金にまで手を出して横領罪で処罰を受け、刑務所に入った人。
親がギャンブルに手をつけて負債を抱え、子どもと親子断絶してしまった人。
 
人は、強い意志を持つ人ばかりではない。
たとえ意思が弱い人でも、夢のある健全な人生を送ることができる社会にするのが、国の役目ではないだろうか。
 
もう、こんな政治は、ヤメにしよう。
 
 
 
 

自衛官の母、南スーダンへの派遣差し止め提訴

 
(女性弁護士の法律コラム NO.233)
 
自衛官の息子を持つ北海道千歳市の50代の母親が、自衛隊の南スーダンPKOへの派遣は憲法違反として、国に対し、派遣差し止めと撤退などを求めて、札幌地裁に提訴しました(2016年12月1日付け赤旗)。
 
南スーダンPKO派遣問題で、自衛隊員の家族が訴訟を起こしたのは初めてです。
 
安倍政権が新たに付与した「駆け付け警護」の任務は、12月12日から実施可能とされています。
原告である母親は、今回の派遣は、本来任務である「国土の防衛」から逸脱しており、一母親の立場から疑義を唱えるべく行動を起こすことにしたと提訴の理由を語っています。
「普通の母親なら自分の息子が危ない状況に立たされた時、だれもが持つであろう気持ち、その1点で行動しています」と。
 
稲田大臣のたった7時間の南スーダン滞在で、どうして「安定している」などと言えるのでしょうか。
11月に青森から自衛隊が南スーダンに出発して以降も、次々と南スーダンの現状の危険性、いつ戦闘となるかわからない状況が報道されています。
自衛隊員が他国の人を殺し、あるいは殺されてしまう危険性は極めて現実的になっています。
 
20万人の自衛隊員の命と家族の悲痛な思いの上に、「駆け付け警護」の新任務などの違憲性を問う重要な意義を持っている裁判です。
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.232)
 
2016年7月8日付けの当ブログ「雪山登山の失踪宣告(危難失踪)事件調査の旅(東北そして東京)」で紹介した、東北の雪山に平成27年1月一人で登り、そのまま還らぬ人となったKさんの失踪宣告事件。
原審の家裁が危難失踪を認めなかったので、高裁に抗告していましたが、昨日、危難失踪を認めるという決定が届きました。
 
普通の失踪宣告は、生死が7年間明らかでないとき、請求により家裁が行いますが、この「危難失踪」というのは、戦地に行ったとか、沈没した船の中にいたなどの危難に遭遇した者の生死が危難が去って1年間明らかでないときに行われます(民法30条)。
 
原審の家裁は、雪山に登って還らないことは「危難」にあたらないと判断しました。
 
高裁段階からこの事件を受任しました。
今年7月には、東北まで出かけて、捜索にあたった地元の方の話を伺ったり、同時に、Kさんが行った山にも雨が降る中登りました。
また、Kさんが勤務していた東京の会社関係者にも面談し、お話を伺うことができました。
その甲斐があったというものです。
「早く気持ちの整理をしたい」というご両親の気持ちにも応えられて良かったです。
 
Kさんが亡くなられて来年1月で丸2年が経過します。
来年早々には、再び、地元の方々への報告とお礼もかねてその地を訪れ、Kさんにも裁判の報告とお参りをしに行きたいと思っています。
 
なお、決定の内容などは、また「法律コラム」の方で紹介します。
 
 
 

またか!電通新入社員の過労自殺

 
(女性弁護士の法律コラム NO.231)
 
「また、電通か!」という思いで一杯です。
 
2016年10月7日のニュースで、広告会社大手の「電通」に勤務していた女性新入社員(当時24歳)が昨年12月25日自殺し、それが長時間の過重労働が原因だったとして労働災害が認められたことを知りました。
 
「電通」という会社は、日本でも最大の広告代理店です。
私たち過労死や過労自殺を扱う弁護士にとっては、2000年3月24日に最高裁が言い渡した「電通事件判決」はバイブルのようなすぐれた判決で、過労死事件訴訟では必ずと言ってよいほど、その判決の内容を書面に引用したりします。
 
実は、電通では、1991年にも入社1年5ヶ月の男性社員が長時間労働が原因で自殺しました。
年齢も今回と同じ24歳でした。
遺族が起こした裁判で、最高裁は、従業員の過労自殺に関わる民事上の損害賠償請求について、因果関係を初めて認めたのです。
最終的には、会社が約1億6800万円を払うとの内容で和解が成立したそうです。
 
そして、今回。
報道によると、亡くなった女性社員について労基署が認定した1ヶ月の時間外労働は、約105時間にものぼったそうです。
会社は、2000年の最高裁判決をどのように受け止めていたのでしょうか?
 
命の重みがわからない企業の体質に憤りを禁じ得ません。
 
折しも、同じ7日、厚生労働省は、過労死の実態や防止策の実施状況などを報告する「過労死等防止対策白書」を初めてまとめました。
過労による犠牲者を出さないよう、国はもっと指導監督や法的整備を行うべきです。
 
 

「広義の失業率」は、8.4%

 
(女性弁護士の法律コラム NO.230)
 
「完全失業率」という言葉を聞いたことがあると思います。
ちなみに、1~3月期の完全失業率は、3.2%です。
 
完全失業率とは、「完全失業者数」を「労働力人口×100」で割ったもので、総務省統計局が発表する雇用情勢を示す代表的な指標です。
簡単に言うと、働きたい人(労働力人口)のうち職がなくて働いていない人の割合を示すものです。
「完全失業者数」というのは、
①調査期間中(月末1週間)に就業していなかった
②就業する意欲がある
③調査期間中に就職活動や開業の準備をしていた
という3つの条件を満たしたものと言います。
よって、月末1週間に少しでも仕事をした人などは、それ以外の期間、仕事に就いていなくても完全失業者に含まれません。
また、仕事が見つからないため求職活動を断念した人や、育児や介護のため仕事に就けない人も除かれています。
従って、実際の失業者率は、もっと高い数値になることは明らかです。
 
ところで、先頃、内閣府は、不本意に非正規になっている労働者や求職活動を断念した人を含めた「広義の失業率」を試算した結果を発表しました。
それによると、1~3月期、8.4%にのぼることがわかり、わが国の雇用の実態は、はるかに深刻であることがわかりました。
この試算では、完全失業者に加え、過去1年間に求職活動をしたことがあるものの、適当な仕事がなかったり、出産、育児、介護などのたmねに仕事を続けられそうになかったりして、求職活動をやめた人も失業者に含めています。
さらに、正社員になれず、やむなく非正規の職に就いた労働者も加えて、「広義の失業率」を算出しています。
 
アメリカの失業統計では、「広義の失業率」が発表されています。
わが国も、雇用の実態を十分把握できるような統計を取るべきです。
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.229)
 
人が行方不明となり、その生死が7年間明らかでない時は、利害関係人の請求により、家庭裁判所は、失踪宣告をすることができる(民法30条1項)。
失踪宣告されると、その人は死亡したことになって、初めて戸籍に死亡の事実が記載されることになる。
これとは別に、戦地に行ったり、船が沈没したりなどの危難に遭遇した人の生死が、その危難が止んだ後1年間明らかでないときも、失踪宣告をすることができる(民法30条2項)。
これが「危難失踪」である。
 
Aさん(男性)は、平成27年1月に東北の冬山に単独で登ったまま帰らず、現在もその生死が明らかでない。
父親が危難失踪を申し立てたが、家裁は、危難に遭ったとは認められないとして、その請求を認めなかった。
そこで、父親は、不服申立を行い、抗告審からこの事件の依頼を受けて担当することになった。
 
調査のため、先週末から今週初めまで、東北と東京に出かけた。
東北では、実際に捜索にあたった地元の山の会の方々から話を伺うことができた。
Aさんが遭難した山は、私も過去に登ったことがある山だが、夏と冬とは状況が一変することや、この山は笹や木々が密集しているため、雪が溶けると、登山道以外の場所には侵入することもできず、捜索も困難であることなどがわかった。
また、1月に登山する人はほとんどいないとのことで、しかも、Aさんは、冬山についてはほとんど素人と同じくらいの経験しかなかった。
平成27年1月は、何年かぶりの大雪で、そのような雪の中をラッセル(道を造ること)しながら進むことは、かなり体力を消耗したであろうことが推測された。
 
そして、実際に山に登ってみた。
あいにくの梅雨の時期だったため、雨の中を歩くことになった。
晴れていれば、周辺の山々が展望できたのだが、全く視界はなく、途中で引き返したくなる気持ちを抑えて歩き、頂上に達した。
山の会の方々の言葉が実感として感じられた。
 
京都へ戻る途中、東京に立ち寄り、当時、Aさんが働いていた職場の関係者からも事情を聴くことができた。
会社の同僚にも「明日、山に行く」と話していたとのことで、遭難したことは間違いない。
 
家裁段階で、調査官による調査が若干されているが、調査官も裁判官も「山を知らない」としか言いようがない認定であった。
 
結論が覆るよう、頑張りたいと思う。
 
 

南阿蘇復興のために~國弘正樹弁護士~

 
(女性弁護士の法律コラム NO.228)
 
2016年6月14日付け京都新聞朝刊で、懐かしい弁護士の名前を目にした。
京都弁護士会の尾藤廣喜弁護士が京都新聞の連載コラム「暖流」」を執筆されているが、その中で、
「國弘正樹弁護士」
のことを書いておられた。
 
國弘弁護士は、長い間、京都弁護士会に所属されていたが、2000年に、日弁連が弁護士過疎地域に初めて開設した公設事務所「石見ひまわり基金法律事務所」の初代所長として島根県浜田市に移られた。
私が知っているのは、そこまでだった。
 
尾藤弁護士は、コラムの中で、今年5月17日に生活保護裁判の打ち合わせで熊本に訪れて知った、熊本の弁護士たちの被災者支援の奮闘を書かれ、そしてその中に、國弘弁護士のことも書かれていた。
 
國弘弁護士は、現在69歳。
2013年3月に、南阿蘇村の雄大な自然に感動して移住し、弁護士も辞めて悠々自適の生活を送っていたが、今年3月に弁護士再登録。村で唯一の弁護士になった。
そして、直後の震災。
被災者の相談にのりながら、再建に努めているという。
 
尾藤弁護士は、「まさに弁護士『魂』ここにあり」と書かれていた。
 
常に、社会的弱者の側に立って弁護士活動を続けられてきた國弘弁護士の生き方には、頭が下がる思いだ。
こんな弁護士の生き方に私も少しでも近づきたいと思う。
 

「第三者」の調査

 
(女性弁護士の法律コラム NO.227)
 
政治家の使う言葉には、時々、「エッ?」と思ってしまうことがある。
現在、渦中の人である舛添要一東京都知事の政治資金疑惑の中での発言もしかり。
記者会見で、「第三者」という言葉を40回も使ったらしい。
そして、その「第三者」というのは、舛添さんが依頼した元検事出身の弁護士。
彼らは、部分的には「違法ではないが不適切」と言っていたが、舛添さんに対する都民の不信感はぬぐえていない。
 
「第三者」というのは、当事者以外の独立した人のことを言う。
離婚相談の際、相談者から、時々「先生が、第三者として、私たち夫婦の間に入ってもらえませんか?」と言われることがある。
でも、私たち弁護士がその相談者から依頼を受ければ、その依頼者の代理人であって、第三者ではない。
「あくまで、あなたの代理人なんですよ」と申し上げる。
第三者に入ってほしければ、家裁の調停に申し立てるのが専門的な知識もあるので良いと思う。
 
さて、冒頭の舛添さんが依頼した「第三者」の弁護士。
舛添さんが金を払って頼んだ弁護士。舛添さんと十分「打合せ」をして記者会見しているんだもの、これは、誰がどう考えても「第三者」じゃないよね。
「第三者」という言葉の使い方が明らかに誤っている。
 
ちなみに、日本弁護士連合会は、2010年7月に「企業等の不祥事における第三者ガイドライン」を発表し、法人などの「内部調査委員会」と区別している。
※興味がある方は、公表されているので、検索してみてください。
 
 

リニアモーターカーは悪夢の乗り物

 
(女性弁護士の法律コラム NO.226)
 
JR東海が2027年開業をめざし一部で着工しているリニア新幹線事業に対し、5月20日、700人を超える原告が国に対し事業の認可取り消しを求める裁判を東京地裁に起こしました。
 
リニアモーターカーは、未来の夢のような乗り物・・・・
マスコミなどは、そのように報道していますが、知れば知るほど問題だらけで、まるで悪夢のような乗り物です。
 
リニアは、2027年に東京ー名古屋間の開通を目指し、その後、2045年には大阪まで延ばす予定です。
東京ー名古屋間のルートは約286㎞ですが、その86%、約246㎞は地下トンネルです。
 
まず、環境問題。
沿線の住民の不安や疑問はもとより、環境省も「環境影響は枚挙にいとまがない」と見直しを求める意見書を出しています。
東京から名古屋まで直線的なルートにするために、ほとんどの部分を地下トンネルにしています。
そのため、南アルプスの美しい山々に何十㎞もの穴が開けられることになります。
また地下トンネルを貫く工事によって大量発生する残土の処分先が決まっていません。
災害発生を拡大させる危険を警告する研究者も少なくありません。
 
深刻なのは、地震への対応をはじめとするリニア運行の安全性です。
リニアの走行ルートは、東海地震の地震対策防災強化地域内です。
多数の断層を横切っています。
時速500㎞という超高速走行中に、大地震が起これば、そのまま大事故に直結します。
仮に「安全停止」しても、1000人もの乗客をどう地上まで避難させるのでしょうか。
リニアは基本的には完全自動運転です。職員はほとんど乗っていません。
しかも非常口はおおよそ5㎞おきにしか設置されないようです。
どうやって地表にまで出るのでしょうか。
それに地下トンネルは密閉性が高く、煙や有毒ガスが発生した場合、乗客の声明が危険にさられます。
 
このほかにも多くの問題点を抱えています。
ところが、このようなリニアに9兆円もの巨費が投じられます。
リニア計画は、是非とも止めなければなりません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

自衛隊は兵士である前に市民です

 
(女性弁護士の法律コラム NO.225)
 
GW前の4月28日夜、「自衛官の人権弁護団・北海道」の佐藤博文弁護士の講演を聴いた。
 
安全保障関連法が今年3月29日から施行された。
集団的自衛権の行使が可能となり、自衛官の武器の使用が大幅に認められるようになるなど、自衛隊の活動の範囲や質はともに大きく変容した。
自衛隊員は海外で殺し、殺されるかもしれない。
そうした厳しい状況に置かれるのに、自衛隊員の人権や労働環境に関する議論が置き去りにされている。
 
北海道で、自衛隊員に関連する法律相談や訴訟を多数手がけている佐藤弁護士らは、全国でいち早く「自衛官の人権弁護団」を立ち上げ、自衛隊員や家族のための電話相談や元自衛官を招いた勉強会などを行っている。
 
佐藤弁護士は、私たちが知らない自衛隊の世界を生々しく語ってくれた。
自衛隊内のセクハラやパワハラ、退職強要、自殺。逆に、「辞めたい」と言っても辞めさせてもらえない、等々。
 
しかし、自衛隊員も、日本国憲法で人権が保障されている主権者である。
ドイツでは、「兵士である前に市民」という考え方があり、違法な命令や人間の尊厳を侵すような命令には従わなくていいとされている。また、労働組合のような組織があり、監視のため議会直属のオンブズマン制度もある。
また、アメリカには、戦死遺族の補償や帰還兵の治療支援に当たる体液軍人省があり、日本の防衛予算を上回る膨大な予算が付いている。
 
現役の自衛官が自ら声を上げることは難しい。
家族からの声を少しでもすくい上げることが求められている。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.224)
 
「不安がなくなるから死んでしまいたい」「長寿は罪」・・・
 
65歳以上の高齢者が3000万人を突破し、今もどんどん増え続けている日本社会。
「老後破産」「下流老人」「無縁社会」などの言葉が定着し、高齢者の貧困や孤立が大きな社会問題になっている。
長生きすることが罪・・・いつから日本はそんな国になってしまったのだろう。
 
今日は、NHKスペシャル「老人漂流社会」シリーズの担当プロデューサー板垣淑子さんの講演を聴きに行った。
成年後見センター・リーガルサポート京都主催で、専門職や福祉関係者対象の公開講座で、京都弁護士会にも案内が来たので、申し込んだ。
4月17日にNHKで同番組「老後破産」の衝撃的な映像を観ていただけに、今日の講演は是非とも聴きたかった。
板垣さんは、2010年「無縁社会」から始まり、2012年に「老人漂流社会」とタイトルを変えたNHKスペシャルの担当チーフプロデューサー。
 
板垣さんは、現在の日本社会で現実に起こっている、高齢者の非常に厳しい現状を映像を交えながら生々しく語られた。
 
月10万円の年金だけで、電気も止められ、素麺だけを食べて生活する一人暮らしの高齢男性。
行政の支援を拒否する、一人暮らしの認知症の高齢女性。
40代の息子が失職して一緒に住むようになったため、生活保護が廃止になってしまった高齢男性。
 
どれも現実の姿だ。
 
板垣さんが語った高齢者の現状は本当に悲惨なもので、高齢者が置かれているそのような生々しい現実の姿を伝えることは、すごく意義がある。
 
じゃあ、どうするのか?何ができるのか?
 
生活保護制度が権利であることを徹底することや、同制度の正当な運用の仕方で、少しの人は今より改善するかもしれない。
でも、それでも救われない人は少なくない。
 
その対策として、板垣さんが言われたのは、手元に生活費を一定額残すようにするというような制度間調整だけであり、彼女の本音は別として、やはりNHKの限界というものを感じた。
 
社会保障費が全く不十分なのだから、小手先の調整では、今後の超高齢化社会に対応できるはずがない。
 
アメリカの「フォーブス」誌の「日本長者番付2016」によると、日本の富裕層上位のたった50人が保有する資産の合計は、実に16兆4000億円にも上る。
政治を転換し、このような富裕層・大企業にメスを入れない限り、本当の問題解決、超高齢化社会への対応にはならないと思った。
 
 
 
 
 
 
 

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