1. 樹木希林さんと沖縄
ブログ マチベンの日々

樹木希林さんと沖縄

 
樹木希林さん(75歳)が2018年9月15日亡くなった。
私は、彼女が悠木千帆という芸名だった時代から、彼女が出演するテレビドラマをよく観ていた。
 
全身ガンに侵されても、なお、自然体で生き抜いた女優樹木さんの人生に感銘を受け、その死を悼むブログや追悼のテレビ番組が放映され、今まで知らなかった樹木さんの一面を知ることとなった。
実は、樹木さんは、芸能界で「政治的」として嫌われるような行動も厭わなかった。
 
2015年7月、東海テレビのドキュメンタリー番組撮影のため、樹木さんは沖縄を訪れた。
樹木さんは、撮影では予定されてはいなかった名護市辺野古のキャンプ・シュワブのゲート前を訪れ、基地反対を叫び座り込みを続けている人々の言葉に耳を傾けた。
樹木さんは、座り込み運動を続ける86歳のおばあ島袋文子さんの隣に座り、「辺野古問題を俳優仲間に広める」と語ったという。
 
また、翌2016年3月には、普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設をテーマにした映画「人魚に会える日」のイベントで監督と対談した際、「無知を恥じているんですよ。中に入ってみると、相当な苦しみがあるんですよね」と沖縄への心情を吐露した。
 
樹木さんが元ハンセン病患者という役で主演した映画「あん」。
その原作者であるドリアン助川さんが、2018年9月21日付け京都新聞朝刊で樹木さんとの思い出を語った。
 
2015年、なかば紛争状態にあったウクライナでのオデッサ映画祭。
周囲から止められたが、「そういうところだからこそ行ってあげたいわよね」と樹木さんは言い、ドリアン助川さんと二人だけで参加。
目頭を押さえているウクライナの人々を樹木さんは静かに抱きしめた。
 
そして、ドリアン助川さんの、締めの言葉は、前記した沖縄の樹木さんの姿につながっていく。
「そのウクライナの映画祭からの帰り、樹木さんは、自宅に戻らず、なぜかそのまま沖縄へ向かった。翌日、辺野古埋め立てを阻止しようとする沖縄のおばあたちと腕を組む希林さんの姿があった。映画際からの衣装そのままで」
 
これからしばらくは、樹木さんの知られざる人生に触れることになるだろう。
 
 
 
 
 
 

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