1. ウィメンズセンター大阪とSACHICOを訪問してきました
女性弁護士の法律コラム

 
(女性弁護士の法律コラム NO.148)
 
10月27日の日曜日、弁護士会の両性の平等に関する委員会と犯罪被害者支援委員会との合同で、ウィメンズセンター大阪とSACHICOの訪問と見学をさせていただいた。
 
午前は、大阪市阿倍野区にあるウィメンズセンター大阪を訪問し、お話を伺った。
女性が自分のからだや性にまつわる不安や悩み、社会の中での生きにくさを率直に語り合い交流する場として、1984年に結成された。
子宮筋腫の手術をするべきかどうか、月経不順や中絶問題あるいは性について考えたいなど、電話相談(無料)や面接相談(有料、要予約)を行っている。
研修を受けてスキルアップした相談員を配置するなど、相談者の立場に立った運営をされている。
SACHICO発足以降は、その事務局団体にもなっている。
 
ともすればタブー視される「性の悩み」に正面から応えようと日々工夫や努力をされており、長年にわたりねばり強く取り組みを続けてこられたことに本当に感服した。
 
午後は、大阪府松原市の阪南中央病院の中にある性暴力救援センター・大阪「SACHICO」の訪問。
2010年4月発足。
支援員と産婦人科医師(すべて女性)が24時間対応し、主には、性暴力被害にあってまもない(7日以内)の女性への総合的支援を提供する。
具体的には、緊急避妊対策によって妊娠を回避すること。外傷の診察、妊娠への対応など。そして心のケア。
また、過去の被害に悩んでいる女性については、カウンセリング等も紹介している。
更に、加害者対策として、カルテの保管や証拠採取なども行われている。
365日毎日24時間のホットラインをつないでいること自体、想像どおり、関与されている方々の献身的努力なしでは、成り立たないことを実感した。
産婦人科医師との協力・連携も不可欠だ。
 
年間の電話相談件数は約4000件にも及ぶ。
性暴力被害にあった女性たちの多くは、恐怖と屈辱と混乱の中で「誰にも言えない、知られたくない、考えたくない」と一人で悩む。
それは、その被害女性の心身のみならず、生活、さらには人生までをも変えてしまうこともある。
 
「SACHICO」のような性暴力被害者救済センターが全国各地で設置されることが求められるとともに、性暴力のない社会を実現するにはどうすればよいか考えていかなければならないと強く感じた1日だった。
 
※ウィメンズセンター大阪:06-6632-7011(月から土曜10:00~17:00)
※「SACHICO」24時間ホットライン:072-330-0799
 
 

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