1. 「看る力 アガワ流介護入門」(阿川佐和子 大塚宣夫)
ブログ マチベンの日々

 
阿川佐和子さんの「看る力」(文春新書)を読んだ。
この本は、エッセイストの阿川佐和子さんと、よみうりランド慶友病院を開設した医師大塚宣夫さんとの対談である。
 
目次は、
Ⅰ 看る力・家族編
Ⅱ 看る力・夫婦編
Ⅲ 看られる覚悟ーあなたが高齢者になったら
の3部で構成されている。
深刻な介護体験をされている方にとっては、やや「軽すぎる」あるいは「金があるからできる」内容かもしれないが、「なるほど」と思わせる場面もあり、納得して読むことができた。
 
私が「なるほど」と思ったところ
 
●飲み込みに障害がある人でも「好きなものなら喉を通る」
食べることは、人間の最後まで残る楽しみであると同時に、高齢者の生きる力を測る目安としても、とても大事。
よみうりランド慶友病院は、病院食がとてもおいしく、また、ステーキや寿司などを特別に注文することもできる。酒もOKとか。
●認知症は、自分の中に入ってきた新しい情報をうまく処理できなくなっている常態なので、周囲は非難しない。とがめられないという安心感を与える。
●介護は長期戦と心得よ。
できるだけたくさんの人を巻き込み、関わるみんながときどき休める仕組みを作る。
●「後ろめたさをもつ」(例えば、ゴルフに行く)と、そのせいで優しくなれる。
息抜き上手は介護上手。
●スキンシップは大事。
●一人暮らしは老化防止の特効薬
風呂に毎日入らなくたって、1日3食食べなくたって、部屋が汚くたって、夜寝なくて朝起きられなくたって、そんなことは生きることにおいてなんの障害にもならない。
●孤独死で何が悪い
●施設に預けるのは親不幸ではない
●身内の甘え(介護される側は「この程度はやってくれてもよい」、介護する側は「この程度は我慢してくれてもいい)は、最大の敵。
介護のプロのスキルは違う。
●認知症にとって、もっとも効果があるのは、自分が周りから注目されること、あるいは必要とされること。
 
自分自身のことで言うと、「看られる覚悟」編がなんとなく得心できた。
 
●75歳からが本当の老後。車で言えば、ポンコツ車。メンテナンスが悪ければ早くダメになるし、良ければ少し長持ちする。
●「老人は休むな」
休養期間が長くなると、今度は動きだしが大変になるから、75歳過ぎたら自分の体の言うことは聞いてはいけない。
使わなかったら、体はたちまち衰える。
●他者から望まれることが一番いい。でも、その他者とかかわりを保つのにも努力が必要。
●不良老人になろう
●自分のつくった財産は自分で使い切る。
 
「老い」は誰しもが避けられない道。
私の場合、趣味の登山をする時、体力の低下を感じることが多い。
あまり「ラクチン登山」ばかりを目指さず、今から身体のメンテナンスをしっかり行って、元気な不良老人になりたいものだ。
 

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