1. 権力者も心酔した香木「蘭奢待」
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権力者も心酔した香木「蘭奢待」

2025年10月25日から第77回正倉院展が始まった。

以前、何度か行ったことがあるが、ここ何年かは行っていない。

 

その正倉院展に、「蘭奢待」(らんじゃたい)の雅名をもつ香木「黄熟香」(おうじゅくこう)が出展されている。織田信長・足利義政・明治天皇の3人の権力者がこの香木から数片切り取ったことは有名である。

 

実は、今年10月初めに集った、大学卒業以来の同級生数名の中に、農学部出身で林産工学を専門とする京大名誉教授のTさんがいた。

Tさんとは、学部は違っていたが、大学時代の下宿が近所だったこともあって、時々、部屋に寄ったこともあった。

卒業後は、年賀状のやりとりすらしていなかったが、ある時、インターネットで京大に教授として在籍されていることを知り、京大を退官される時に初めて連絡を取った。しかし、その後も会うことはなかったが、ようやく今年数十年ぶりの再会となった。

 

会った時、Tさんから専門分野の興味深い話をたくさん聞かせてもらったが、最近は、正倉院から依頼を受け、宝物の木について調べているという。宝物を移動する際に落ちる、ほんの小さな破片から調査するそうである。

その中に「蘭奢待」調査の話もあった。

2025年10月25日付け読売新聞夕刊に「蘭奢待」の記事が掲載されていたが、蘭奢待は、ベトナムからラオスにかけての山岳地帯で生えていたジンチョウゲ科の木が原木で、772~885年頃に伐採されたか倒木したことが判明した。それ以降、正倉院に納められた。

こういうことも、Tさんが調査されて判明したんだろうな。

 

その後、NHKが「フロンティアで会いましょう」という番組で「蘭奢待の謎」を放映し、Tさんもその番組に出演することを知ったので、もちろん観た。

 

「蘭奢待」はどんな匂いがするんだろう・・・?

テレビ番組出演者は、「甘い」とか「杏仁豆腐のよう」とか言っていた。想像できない!

他方、毎年のように正倉院展を訪れている奈良在住の友人に聞くと、「去年より今年は、なぜか、あまり良く匂わなかった」と言っていた。匂いは「言葉では表現できない」とも。

 

私自身は、「匂い」や「香」にはさほど興味はないが、「蘭奢待」の匂い、1度くらいはかいでみたいものである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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