1. 「差し支えです」
女性弁護士の法律コラム

「差し支えです」

 
(女性弁護士の法律コラム NO.238)
 
裁判所で争われている事件で、次回の期日を決める時、裁判官から「●月●日はどうですか?」と聞かれ、その日に他の予定が入っている場合には、私たちは「差し支えです」とか「大阪で別件の裁判が入っており差し支えです」などと言う。
 
その「差し支え」という言葉が、2017年7月3日付け京都新聞朝刊の「デスク日誌」によると、新聞記者にとっては「法廷で飛び交う慣れない言葉」だと知って意外に思った。
 
記者は、「その日は既に予定があります」とは言わず、「差し支えです」と言うのが、日本語としておかしいと書いていた。
でも、もう何十年も「差し支えです」に慣れきっている私には、なんで日本語としておかしいかよくわからない。
「差し支えがあれば、言ってくださいね」
「差し支えがあるので、行かれません」
って、使うよね。
「差し支え」はあるのか、ないのかであって、「差し支えです」と言うのがおかしいんやろか。
 
私たち法曹が書面に書く言葉で、「にわかに措信しがたい」(=とうてい信じられない)という言葉があるが、このような使い方は、一般市民の人にはわかりにくだろう。
また、面会交流のことを「メンコウ」と略して言ってた若い家裁の裁判官がいたなあ。これは、アカンやろ。
 
でも、「差し支えです」は、何がおかしいかわからん。
今度、日本語教師をしている友だちに尋ねてみよう。
 
 

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