1. 安斎育郎先生の講演会「福島原発と放射能災害」
ブログ マチベンの日々

 
4月28日夜は、安斎育郎立命館大学名誉教授の「福島原発と放射能災害」の講演会に参加した。
 
「1+1=2」であることは、政府が語っても、原発を推進してきた御用学者が語っても、原子力安全保安院のメンバーが語っても真実なんだろうけど、今は、政府や御用学者たちの言葉は信じられない。
だから、東京大学工学部原子力工学科1期生の中でただ一人、一貫して原発に反対してきた安斎先生の話が聞きたかった。
 
京都で安斎先生と言えば、その放射能防護学の専門よりも、憲法や平和問題、オカルト批判、あるいは手品の先生として有名である。
でも、3月12日以降は、再び「ものを言う放射線防護学者」としてマスコミに注目され、多忙な毎日を送られている。
 
メディアはあまり報道していないが、実は3月30日、原子力安全委員会委員長、日本原子力学会会長などを経験した16人が、政府に対し「福島原発についての緊急建言」を提出している。
その冒頭には「はじめに、原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝します」とあり、「福島原発は極めて深刻な状況にある」「既に国家的な事件というべき事態に直面している」と述べられている。
安斎先生も「毎朝、起きてニュースを観るのが怖い」と言われるほど、福島原発はこの瞬間も終わりの見えない危険な状態が続いている。
でも、私たちは、起こってしまった事故を悔やんでいても仕方ない。その原因を断ち、被害を最小限に食い止め、そして国民全体で今後のエネルギー政策のあり方を考えていかなければならない。それが、将来の日本に対する私たちの責務だと思う。
 
身近な所に安斎先生のような頼もしい学者がおられるので、その力も借りて運動を作っていかなければならないと思った。
なお、安斎先生が5月13日に、かもがわ出版から出される著書「福島原発事故 どうする日本の原発政策」はわかりやすく、お薦めです。
 
 

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