1. 2014年10月

2014年10月アーカイブ

 
(女性弁護士の法律コラム NO.183)
 
今日(2014年10月29日)付け読売新聞朝刊の「恋と結婚」というコラムに、夫が浮気をした時の人生相談の回答の時代による変遷が掲載されていた。
 
古くは、夫が浮気をしても、ひたすら夫の心の変化を待ち、我慢すること。
世の中には、二号さん、三号さんを持つ男性もいる。
嫉妬する妻は見苦しい。
などなど、封建的な家族社会を象徴する回答ばかり。
 
変化は、1973年頃の高度経済成長が終わりを告げた頃から。
 
我慢することはない、でも離婚するかどうかは自分で決めなさい。
 
背景には、男女平等の価値観がある。
でも、女性の経済力の低さを心配する回答も。
それらは今も同じ・・・
 
離婚に関する法律相談を受けていると、マレに「私は、離婚した方がいいんでしょうか?」と聞かれることがある。
でも、それを決めるのはアナタ。離婚後の人生を覚悟するのはアナタ。
 
方向を決めた時には、私たち弁護士は、いつでもアナタの力になりますよ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 

ガン患者の友人と、その仲間たち

 
趣味を通じて知り合い、長年、親交を深めてきた女友達が、今年2月、ガンの手術を受けた。
私より10歳以上年上だが、いつもお洒落で若々しく、色んなことに好奇心旺盛で、私の人生の目標のような女性である。
 
術後1週間で退院し、5月には前から予定されていた船旅にも出かけられた。
 
10月初め、体調が悪化して入院となったが、数日でやや回復されたので、退院→帰宅となった。
ただ、1人暮らしの彼女を心配する親族の反対を押し切っての退院であったため、帰宅後、親族の訪問はなくなった。
そこで、彼女を心配する仲間たちが、交代で自宅を訪れ、また夜も交代で宿泊し、誰かが彼女の傍らにいるようネットワークを作った。
こんなに心配する友人が周囲にたくさんいるのも、彼女の人格の賜物だと思う。
 
出来る限り自宅で過ごしたいというのが彼女の強い希望だったが、残念ながら、先週末、彼女は自らの意思で再入院せざるを得なくなった。
入院後も、仲間たちは頻繁に病院を訪れるようにしている。
 
私自身、両親を送った経験からしても、自分の思いどおりの人生の終わり方をするのはとても難しいと感じている。
でも、出来る限り彼女の希望に沿えるよう関わっていこうと思っている。
 
 
 
 
 

片岡愛之助~GOEMON~

 
こんなに面白い舞台を観たのは久しぶりだった。
 
大阪・松竹座の10月花形歌舞伎は、片岡愛之助の「GOEMON」。
テレビ「半沢直樹」で大ブレイクした片岡愛之助が歌舞伎でフラメンコとコラボすると知り、大阪まで観に行くことにした。
 
「GOEMON」は、大塚国際美術館のシスティーナ礼拝堂で2011年に初演された新作歌舞伎で、大盗賊の石川五右衛門がスペイン人の血を引いていたという奇想天外な作品。
昨年2月に松竹座で再演、今回は3度目の上演。
 
古典歌舞伎をベースに、フラメンコ音楽とダンス、室内楽も取り入れた斬新な内容。
五右衛門の父親のカルデロン神父は、あの「タッキー&翼」の今井翼クン。
翼クンのフラメンコ、そして、フラメンコダンサー佐藤浩希のフラメンコ。
愛之助の、つづら抜けを含む2度の宙づり。
2階席(私は2階席だった)での大立ち回り。
などなど、観客をあきさせない熱気あふれる舞台だった。
 
一緒に行った私の大学時代の友人は、昨年も観たとのこと。
「また機会があれば、もう1度観たい!」間違いなく、そう思わせる舞台だった。
 
 

 
(女性弁護士の法律コラム NO.182)
 
もう私たちの生活では、すっかり身近になった青色LED(発光ダイオード)。
その発明に携わった中村修二さんが、今回、ノーベル物理学賞を受賞されました。
 
今朝の各新聞でも触れられていますが、中村修二さんは、青色発光ダイオードの発明をめぐって、元雇用先の企業(日亜化学工業)に対し訴訟を起こし、職務発明の対価について、企業に雇用されている研究者へ道を開いた人としても有名です。
 
中村さんは、日亜化学に在職中に青色発光ダイオードの製造の一部にかかる発明をしました。
しかし、それに対し、会社から支払われた報酬は、たったの2万円でした。
そのため、中村さんは、2001年8月、日亜化学に対し、会社が取得した特許の持ち分の移転登録の請求と、予備的に職務発明の対価として200億円の支払を求める訴訟を起こしました。
 
2004年1月、東京地裁は、職務発明の対価を約604億円と認定し、中村さんの請求金額の200億円全額を認める判決を下しました。
最終的には、2004年12月、控訴審の東京高裁において、日亜化学が中村さんに対し、職務発明の対価として約6億円と遅延損害金約2億円を払うということで和解されたそうです。
その背景には、東京高裁では、中村さんの発明に対する貢献度を5%と低く認定していたことがあるようです。
 
訴訟の中で、対価は200億円から8億円に減ってしまいましたが、中村さんが企業内の研究者に対する正当な対価支払いへの一投石をした意義はあったと思います。
しかし、中村さん自身は、この和解を日本の技術者の敗北である、裁判所は大企業中心の判決しか下せないと怒り、日本を去ってしまいました。
 
中村さんは、受賞の会見で、「日本の研究者はサラリーマンで、良い研究をしてもボーナスが増えるだけ」とジョークを交えて語ったそうです。
そして、中村さんが研究を持続した動機は「怒り以外に何もない」とのこと。
「日本には自由がない」と研究環境を改善する必要を訴えたそうです。
 
ノーベル賞を受賞するような発明に対し、たったの2万円で済まそうとした企業。
このような日本の環境では、優秀な研究者は皆、海外に行ってしまうでしょう。
訴訟終了から10年以上経った今でも、中村さんに「日本には自由がない」と言わしめる研究環境の改善は急務です。
 

本当に美味しい珈琲とは

 
飲み物の嗜好については、コーヒー党と紅茶党に分かれると思うが、私はコーヒー党だ。
そんなにコーヒーの味に通じているわけではないが、砂糖もミルクも入れずにブラックで飲んでいる。
そして、味は、苦みがきいたものが好き。
 
毎週土曜日の午前11時から放映されている「LIFE 夢のカタチ」(ABC朝日放送系)。
先週は、大阪市城東区で「ハマ珈琲」を営む濱卓也さんを取り上げていた。
「煎りたてコーヒーのおいしさを日本中に広めたい」という濱さん。
 
コーヒーは、煎りたて、挽きたて、淹れたての3条件がそろった時、驚くほど深い味わいが生まれ、最高の味となる。
焙煎して間もないコーヒーは、淹れたとたん泡が立体的になり、その泡の中に香りの成分がたっぷり含まれていると濱さんは言う。
 
確かに、買って来たばかりの挽きたての豆は、香りも、お湯を注いだ時の泡立ちも違う。
 
どうせ同じ額のお金を出すなら、美味しく味わわなくっちゃね!
いつもは買いに行くのが面倒なので、200グラム入りを2袋同時に買って来るのだが、これからは、できるだけ少量買いをしようと思う。
 
それと、今年、夷川東洞院東入に「鳥ノ木珈琲」という小さな喫茶店が出来た。
まだ入ったことはないが、実は、その喫茶店は、濱さんが作った焙煎機で、煎りたて、挽きたて、淹れたての珈琲を味わえる店だということを知った。
1度、訪れて、本当に美味しい珈琲を味わってみたいものだ。

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