1. (最新法令:離婚)改正DV防止法成立~精神的DVも対象に~
女性弁護士の法律コラム

DV防止法(正式名称は「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」)の改正が2023年5月12日成立しました(施行は2024年4月1日)。

 

DV防止法は、被害者からの申立てにもとづき、裁判所が相手方配偶者に対し、被害者の身辺へのつきまといや住居等の付近の徘徊などの一定の行為を禁止する命令を出す制度です。

 

今回の改正では、DV被害に「自由、名誉、財産に対する脅迫」が追加され、「精神的DV」が保護命令の対象に加わりました。

また、接近禁止命令等の期間を6ヶ月から1年間に伸長しました。

禁止する連絡手段には、電話やメールだけでなく、緊急時以外の連続した文書の送付やSNSの送信も加えられました。

更に、命令違反の場合の罰則も強化され、現行の「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」から「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」となりました。

 

被害者保護が保護が強化された内容となっています。

 

ただ、神奈川大学井上匡子教授が指摘されるように(2023年5月13日付け京都新聞夕刊)、日本のDV防止法は、被害者が逃げることが前提とされており、海外のような「DV罪」の新設や加害者の更生プログラムの導入も検討されるべきと思われます。また、自治体毎で被害者支援の内容が異なるため、全国どこでも充実したサポートを受けられる体制を国が作ることが求められます。

 

 

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