1. 母と子の面会交流
女性弁護士の法律コラム

母と子の面会交流

 
(女性弁護士の法律コラム NO.179)
 
Nさんは、事情があって、3人の子どもを置いて、夫と別居した。
子どもは3人共まだ幼く、とりわけ一番下の子どもはまだ1歳だった。
 
Nさんから離婚調停を受けてほしいと依頼された時、何はさておき、子どもとの面会交流は求めなくていいのか尋ねた。
Nさんは、夫との間で面会交流については揉めないと思うと言ったので、面会交流を別事件として申立てなかった。
 
しかし、いざ離婚の調停が進み、その中で面会交流の話し合いが始まると、Nさんの予想に反し、夫は、別居後、子どもが神経質になっているからすぐには会わせられないとか、当面は隔月でしか会わせられないとか言い始めた。
 
そこでNさんと相談し、あらためて面会交流の調停を申し立てた。
その手続きの中で、Nさんは面会条件についてずいぶんと譲歩したが、最後、夫は、子どもの受け渡し場所をどうしてもNさんの自宅にすると言い張った。
しかしNさんは、いくら子どもとの面会交流とは言え、別れた夫に自宅に来られるのは嫌だと言い、その気持ちは私も十分理解できた。
裁判官も夫を説得してくれたようだが、一時は、審判に移行せざるを得ないと覚悟した。
 
その後、急転直下、夫は自宅以外の場所で受け渡しを行うことを了解し、面会交流の調停が成立した。
調停が成立した時、Nさんは、子どもと約9ヶ月間会えていないので、日々成長していく子どもと久しぶりに会うことは嬉しいけど不安だと語っていた。
 
先日、Nさんが事務所を訪れた。
1回目の面会交流日が過ぎた後だったので、「どうだった?」と尋ねると、一番下の子はさすがにキョトンとしていたが、上の二人は「ママー!」って駆け寄ってくれたと嬉しそうに話してくれた。
 
色々あったけど、元夫にも感謝。
 
離れていても良い親子関係をはぐくんでいってほしいと心から思う。
 

月別アーカイブ

弁護士紹介TOP