私が今年読んだ本の中で、ダントツ、面白い!と思った。
2025年10月21日付け当ブログで畠山重篤さんのことを書いた時と同じように、鈴木俊貴さんの本のことも以前に読売新聞コラムに掲載されており、なぜかその記事も残してあった。
そして、先日会った高校時代の同級生が、これも偶然にその本を持っていることを知り、貸してもらった。とてもわかりやすい文章だったので一気に読んでしまい、更に一層興味を持った。
すると、またまた偶然にも、鈴木俊貴さんが2025年10月27日放映のテレビ「徹子の部屋」に出演と知り、Tverを観て鈴木さんの話を聞くこともできた。
鈴木さんは、1983年生まれで、現在、東京大学准教授。専門は動物言語学だが、この「動物言語学」という学問は、2023年に鈴木さん自身が命名した新しい学問である。
鈴木さんは、幼い頃から動物を観察することが好きだったが、大学生の頃に、シジュウカラの鳴き声に興味を持ち、「餌皿を置く→観察する→片づける」という単純作業をひたすら繰り返し、シジュウカラの仲間を呼ぶための鳴き声を発見する。
また、ある時は、バッタ採集のアルバイトでお金を貯め、それでシジュウカラ用の巣箱40箱を作り、巣箱の天井に小型カメラを設置して親鳥とヒナの様子・行動などを観察した。
まさに、「シジュウカラ・オタク」だ。
鈴木さんは、大学卒業後もずっとシジュウカラの研究を続けた。
そして、古代ギリシャ時代から現代まで、言葉を持つのは人間だけで、動物たちの鳴き声は感情表現だ決めつけられてきたが、鈴木さんは、シジュウカラにも言葉があることを発見そして証明し、彼の論文は世界で認められた。
証明するための実験過程もまた実に面白い。科学者・研究者というものは、こういうもんなんだなと思わせる工夫と忍耐力だ。
私も早速、カバンの中に、双眼鏡を入れた。
とりあえずは、京都御所に行ってみよう・・・