自民党が今国会に夫婦別姓に関する法案提出を断念したという報道があり、野党も足並みがそろっていない。
1996年に法制審議会が夫婦別姓選択制を導入する民法改正要綱案を答申してから既に約30年が経過しようとしている。
この国では、いったい、いつになったら法制化が実現するのだろう・・・
そんな中、宇多田ヒカルの新曲が物議をかもしていることを、2025年5月21日付け毎日新聞夕刊の中森明夫氏のコラムを読んで初めて知った。
ネットで調べてみると、宇多田ヒカルの新曲「Mine or Yours」の中で、「令和何年になったらこの国で/夫婦別姓OKされるんだろう」という歌詞が確かにあった。
上記コラムによると、「夫婦別姓」のワードを歌詞にしたのは、我が国ポップスで初とのこと。この問題に関心の薄い膨大な数の若者たちが「夫婦別姓」という言葉を一斉に検索した、と中森氏は続ける。どんな政治家や社会運動家よりも宇多田は「この国を前に進めた」と思う、とも。
私は昭和世代だから、宇多田ヒカルよりは、母親の藤圭子の方に親しみを感じる。
でも、宇多田ヒカルが1998年末に15歳でデビューした時の印象は強烈で、デビュー曲の入ったCDは購入してよく聴いていた。
現在は、ロンドンに在住するシングルマザーで、4年前にノンバイナリーであることを公表したとのこと。
多様性が叫ばれる今日、夫婦の姓についても当然選択の自由が尊重されるべきであり、人気のアーティストがこのような新曲を発表してくれたことは、とても嬉しい。