今夏の登山は、8月初め、中央アルプス・三ノ沢岳(2847m)に向かった。
登山をする人からも「三ノ沢岳ってどこの山?」と聞かれるほどマイナーな山。
実は、私にとって、三ノ沢岳はリベンジ登山だった。
2018年8月、同年5月にガン宣告された亡夫が計画してくれて一緒に登ったが、あいにくの天候悪化で、山頂直下のケルンで引き返した。だから是非、登頂してみたかった。今回は、山仲間3人が同行してくれた。
三ノ沢岳は、中央アルプス・宝剣岳から西へと派生する支尾根上の独立峰的存在の山で、直登するコースはない。
駒ヶ岳ロープウェイで千畳敷カールまで上がり、そこから左に進み、主稜の極楽平まで登り、三ノ沢分岐からは三ノ沢岳を正面に見ながら下り、その後はアップダウンを経て、山頂に至る。帰りは往路を戻る。
まず、問題は、ロープウエイの終点の千畳敷駅に何時に到着できるかということだった。夏山登山の真っ只中、千畳敷カールまで行くには、バスに乗ってしらび平まで行き、そこからロープウェイで千畳敷まで上がる。そのルートは、人気の宝剣岳や木曽駒ヶ岳に登る登山者や千畳敷カールで過ごす観光客がたくさん利用する。始発のバスは午前6時15分だが、何時のバスに乗れるかがその後の行動にとても影響してくる。
順番待ちをすべく、朝、午前4時半に、バスターミナルに到着する。
既に、私たちの前には、バス待ちのための約70個のリュックが置かれていた。
午前6時10分頃に臨時バスが2台出て、幸い私たちはその2台目に乗ることが出来、午前7時には千畳敷駅に到着することができた。
私たちは駒ヶ根神社の前を左方向に進み、極楽平まで登る。ここまで登り切ると、目の前に三ノ沢岳の優美な三角錐が目に飛び込んでくる。独立峰的存在なので、その姿はとても美しい。
また今日は快晴なので、周囲の山々をすべて望むことができる。
更に、三ノ沢分岐まで進む。ここから宝剣岳へは真っ直ぐ進み、三ノ沢岳へは左へと進んで行く。
2880mの三ノ沢岳分岐から、三ノ沢岳を正面に見ながら、最低鞍部(2650m)まで下り、そこからアップダウンを経て、また山頂まで急坂を上り返す。登山道ははっきりしているが、狭く、しかもハイマツが繁って時々足にあたって痛く、歩きにくい。でも、眺望は抜群だ。
ようやくケルンに至る。
前回はここまで来たが、ガスでほとんど何も見えなかった場所。
やがて山頂に到着する。山頂は狭いが、360度の素晴らしい展望。
後方は御嶽山。
リベンジ登山が実現できて良かった!