1. NHKEテレ「原田正純、水俣、未来への遺産」
ブログ マチベンの日々

NHKEテレ「原田正純、水俣、未来への遺産」

 
今年6月11日に亡くなられた医師原田正純先生。
このブログでも、過去2回書かせていただいた(2012年6月12日付け、2011年5月25日付け)。
 
その原田先生の姿を追ったドキュメンタリー番組「原田正純 水俣 未来への遺産」が11月4日と11月11日(再)に放映された。
その生涯を水俣病と共に歩んだ原田先生の姿が丁寧に描かれていて、あらためて深く感銘を受けた。
「水俣病は病気ではない」「殺人ですよ。企業と国による犯罪です」
多くの人の命と健康を奪う原発問題が起きても、命の重みをなんとも感じていない今の政治家や財界の人間たちが本当に情けなく思った。
 
番組の中で、海辺で胎児性患者2人と若き日の原田先生が語るシーンがあった。
「頭の中の手術はできないの?」と女の子が原田先生に尋ねる。
有機水銀中毒である水俣病は、治らない病気だ。
原田先生は「頭の手術をする病気は、死んでしまう病気だもん」と苦しい嘘をつく。
泣き出す女の子。
原田先生は、その治らない病と生涯かかわった。
 
原田先生は、若い学生たちに語る。
「医師は中立でなければいけないと僕は批判される。中立って何ですか?力の弱い患者の側に立つことが本当の中立ですよ」
 
宇治ユニチカ工場の二硫化炭素中毒症の裁判で、原田先生の尋問担当となり、何度か直接お目にかかることができたことは、私の弁護士人生の中でかけがえのない宝となっている。
 
医師と弁護士という職業の違いはあっても、「人間の命と健康を守ること」と「力の弱い者に寄り添う気持ち」は、決して忘れてはならないとあらためて感じた。
 

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