1. シンポジウム「老後の貧困問題を考える」(京都弁護士会主催)
ブログ マチベンの日々

 
2016年9月20日付けの当ブログで紹介した本「下流老人」(藤田孝典著)。
その藤田さんの講演が、昨日3月1日夜、京都弁護士会主催で開催された。
 

 
開会の5分前には、会場は超満員。約200人を超える参加者と思われた。
藤田さんは、著書「下流老人」がベストセラーとなり、テレビへの出演や国会で参考人として発言するなど有名で、私も著書を読んで以来、是非、生の話を聞きたいと思い、参加した。
 

 
藤田さんは、「自分は暗い話しかしない」と言いつつ、NPO法人ほっとプラスに年間約500件も寄せられる相談など、現在、高齢者が置かれている生の現実をも交えて軽妙に語ってくれた。
 
日本の65歳以上の高齢者の5人に1人は貧困で、更に、単身高齢男性は38.3%、単身高齢女性は52.3%が貧困とのこと。
その意味では、高齢期は誰もが貧困に陥る可能性がある。
例えば、夫婦二人で年金月20万円で生活できていても、娘が離婚して孫2人連れて実家に戻ってきたら、一家5人での月20万円生活は一変に破綻してしまう。
 
しかし、日本の年金制度は、改悪される一方で、給付水準はどんどん下がっている。
 
従って、日本の高齢者は、年金だけでは生活できず、生き甲斐や楽しみのために働くのではなく、「お金」のために働かざるを得ない。
しかし、労働環境は過酷で、事故を起こしたり、労働災害にあう高齢者が増加する可能性が大きい。
藤田さんは、それを「過労老人」と呼んでいた。
 
では、下流老人問題を解決するには、どうすればよいか。
自助努力だけでは限界があり、社会を変えていかなければ本当の意味での貧困は解決しない。
あと、個人としてできることは、生活保護を受けることを自ら否定せず、また、様々な社会福祉制度を活用すること。
また、地域社会へ積極的に参加し、地域との関係性をつくることが大切。
 
今後も自分自身の問題として考えて取り組んでいきたい。
 
 

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