1. 判検交流が廃止に
女性弁護士の法律コラム

判検交流が廃止に

 
(女性弁護士の法律コラム NO.109)
 
検察官が刑事事件の裁判官になったり、刑事裁判官が検察官になったりする人事交流(いわゆる「判検交流」)が今年度から廃止されたことがわかった(2012年4月26日付け朝日新聞)。
裁判官と検察官の距離の近さが「裁判の公正をゆがめかねない」との批判を受け、法務省が「誤解を生むような制度は続けるべきではない」と判断した。
 
要するに、判検交流というのは、昨日まで裁判官だった人が、検察官となって被告人の処罰を求め同僚裁判官がその訴訟を担当する、そして任期が切れるとまた裁判官に戻るなど、常識的にみて「どうよ?」と思うようなことが1970年代からずっと続いてきた。
 
この判検交流は、刑事事件だけでなく、民事の分野でも、裁判官が訟務(しょうむ)検事となって行政訴訟や国賠訴訟の国側の代理人をつとめるという形で行われていた。
 
これまで弁護士会はこのような判検交流に反対してきたが、検察官の証拠改ざんなどが大きな社会問題となる中で、「廃止」になったのだろう。
 
朝日新聞の書き方は、「刑事事件の公正に配慮」となっているが、民事事件だって同じ。
民事分野での判検交流も廃止されたのかな?
 

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