1. 敷引特約は有効(最高裁判決)
女性弁護士の法律コラム

敷引特約は有効(最高裁判決)

 
3月24日、最高裁判所は、賃貸住宅の敷引(しきびき)特約について「不当に高額でなければ特約は有効」とする判決を言い渡しました。
 
敷引特約というのは、関西を中心とした住宅の賃貸借契約の中に盛り込まれているもので、敷金(あるいは保証金)の中から当然に一定の金額を差し引くと定めた条項のことを言います。
 
2001年に「消費者の利益を不当に害する契約は無効」と定める消費者契約法が施行され、この敷引特約が消費者契約法に違反するのではないかと争われ、今回の最高裁の判決は、初めての判断となります。
 
今回の事案は、敷金40万円のうち特約で差し引かれたのは21万円。
最高裁は、差し引く額が賃借期間に応じて18~34万円で家賃の2倍弱から3.5倍強にあたり、礼金の支払いもなかったとして「高すぎるとはいえない」と判断しました。
「差し引く額が高すぎる場合は無効」とも述べていますが、その基準は、今後の判例の積み重ねによるでしょう。
 
借り手側が家主側と比べて交渉する力に差がある現状で、納得のいかない判決となりました。
 
 
 

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