1. 村松いづみ
女性弁護士の法律コラム

2020年7月10日から、新しい遺言書保管制度が開始されました。

 

それは、自分で書いた遺言書(自筆証書遺言)を法務局で保管してもらえる制度です。

これまでは、このような制度がありませんでしたので、遺言書を書いた場合、自宅で自分で保管していることも少なくなく、遺言者が亡くなっても相続人が遺言書があることを知らずにいたり、発見されても書き換えられたり破棄されたりする恐れもありました。

 

また、この新しい制度を利用すると、家庭裁判所における遺言の「検認」(民法1004条1項)の手続も不要になります。

 

新しい制度なので、法務局において、具体的にどのような手続で遺言書が保管されるか興味がありました。

それで、自筆で遺言書を書かれた元依頼者のSさんに、この保管手続を利用されることを勧め、私も同行させてもらうことにしました。

なお、法務局が保管する遺言書の用紙には少し制限がありますので、注意してください。

 

まず、予約が必要なので、Sさんの娘さんが日時を予約されました。

申請書が必要なので、娘さんがあらかじめ法務局のホームページからダウンロードされて、必要事項を書き入れ準備されました。申請書は、法務局の遺言書保管窓口に行けば、もらえます。

 

当日、必要なものは、①遺言書、②申請書、③本籍の記載のある住民票など、④本人確認書類、⑤手数料3900円、です。

 

まず、最初の面談は、法務局の職員が遺言者本人一人と行い、家族の立ち会いはできませんでした。私はSさんの代理人ではありませんでしたので、私も娘さんと共に少し離れた席で待つことになりました。

 

職員は、Sさんに、この遺言書は自分で書いたのか、内容は誰か専門家に相談したか、法務局は内容の有効性を保証はしない等と言われたようでした。最初の面談は5分程度で終了しました。

 

次に、職員から、「保管の手続をしますから、30分ほどお待ちください」と言われました。

 

そして、約30分後、今度は娘さんも(そして私も)同席の上、まず、Sさん本人には、遺言書を保管したことを証明する「保管書」の交付や、今後、本籍・住所・名前などの届出事項の変更があった場合の説明、遺言書の内容を確認したり変更したい場合の手続の説明がありました。

次に、娘さんには、Sさんが死亡された後に、どのような書類の請求ができるのか等の説明がされ、その申請書も交付されました。

 

最後に、私が「相続人以外の他人が、自分が遺言書に受遺者として記載されている可能性がある場合、どうしたら調べることができますか?」と質問すると、そのような場合でも、その他人が遺言書に記載があるかどうかは法務局で調べてもらうことができるという回答でした。

 

手続にかかる時間は、待ち時間も含め1時間弱でした。

勉強になりました。

 

 

 

 

 

 

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