1. 岡根弁護士のぼやき論壇

岡根弁護士のぼやき論壇

日野町事件の決定(高裁)日が決まった

先週、大阪高裁から弁護団に「決定は2月27日(月)に出します」という連絡が来た。昨年3月に「結審」して、「この裁判体で決定を出します」という言葉どおりなら6月には出るのではないか、6月に出なかったら9月末までには、という具合に決定が出される日さえ決まらないままズルズルと時間が経過していた。

その間に、同じく高裁(こっちは東京高裁)で再審開始を争っている袴田事件の決定は3月13日ということが決まっていた。年度を跨ぐのか?とも思い始めていた矢先の決定日通知だった。

日野町事件は、1984年の年末に端を発する事件で、2000年10月に最高裁で上告が棄却され無期懲役が確定してしまった強盗殺人事件である。しかし、その判決は間違いで、彼は犯罪とは無関係だ。私事であるが、2000年4月に弁護士登録をして、その年の11月に再審弁護団に入れてもらってから既に23年が経過する。その間、間違えた判決で人生を奪われた阪原さんは、もうこの世にはおられない。命ある間に救済をという願は打ち砕かれてしまった。今は、ご遺族の申立による「遺族再審」であり、2018年7月11日大津地裁で「再審開始」の決定が出ている。しかし、不当な検察官による抵抗(抗告)により未だに大阪高裁に係属している事件である。

その決定が、ようやく2月27日に出る。再審請求審は、通常の裁判と異なり、非公開の手続であるので、決定が出るといっても、法廷で「判決言渡」のような手続はない。裁判所で「決定書」を受け取るというだけの手続となる。渡された決定書を見てみないと、結論は分からない。

抗告を棄却して、再審開始の判断を維持することになると信じてはいるが、一抹の不安もある。改めて思うと、再審開始は、それで「無罪」となるわけでも何でも無く、裁判がやり直されるというだけである。それにも関わらず、再審開始の判断が余りにも壁が高すぎて、冤罪被害者の救済にはなっていないという制度上の問題を抱える。

ここで再審開始を確定させ、次のステージに進めるように、今は裁判所による真っ当な判断を期待するしかない。

9月18日(土)13:00~ 私も2000年に弁護士登録して以来弁護団に参加している日野町事件の市民集会が開かれます(日弁連主催)。コロナ感染の関係でネット参加が中心となりますので、自宅からでも参加できます。9月15日までに申し込んでいただければ、参加方法などの連絡があるはずです。以下のURLからお申し込みください。

https://form.qooker.jp/Q/auto/ja/hino/hino/

この事件は、2018年7月11日大津地裁で、「再審開始」の決定が出されています。ですが、検察が不当な即時抗告を行っているため、今もって大阪高裁に係属しており、「再審」公判が開始されていません。阪原さんは、今もって犯罪者の汚名を着せられたままの状態です。残念ながら、阪原さんは、2011年に他界されてしまっているため、今はご遺族による再審請求ですが、1日も早く無罪を伝えたいと願っています。

さて、この集会では、日野町事件の何が問題なのかを明らかにしながら、全国に広がる再審事件の当事者にも参加してもらい、無罪を勝ち取った布川事件や東住吉事件、湖東病院事件から今再審を確定しようとしている日野町事件に、そして、大崎事件や袴田事件に、「再審、無罪」のバトンをわたしていくということをコンセプトとしています。各事件当事者の方もそれぞれ登場を予定されています。

集会では、元毎日放送編集部(だったはず)の関西大学教授・里見さんが中心となって、日野町事件の問題点を分かりやすく映像にまとめてもらったビデオの上映も予定しています。この中で、私もほんのちょっと「出演」します。

いろいろ盛りだくさんすぎる内容かも知れませんが、決して見飽きることはないと思います。是非ともご参加ください。

鴨川沿い

刑事弁護をしていると京都拘置所に接見に行くことも必要となります。公共交通機関だと最寄り駅は近鉄ですので、事務所の多くが位置する裁判所近辺からだと乗り換える必要があります。そのため、地下鉄だと乗り換え無しで行けるので、くいな橋の駅を利用する人が多い。待ち時間などを入れると片道だいたい事務所から35分~40分くらいは余裕でかかります。

一番早い交通手段は、たぶんバイクですが、次の手段は自転車になります。ですが、最短ルートでも(裁判所から)拘置所まで7キロを超えますし、帰りは若干登りになることから自転車で行く人は希です。特にママチャリで拘置所まで行く弁護人はほとんどいません。

しかし、これが、鴨川沿いの遊歩道(自転車通行可)を通ると信号はないし、待ち時間もなく30分かからずに行くことができます。雨の日とか猛暑下だと別の心配があるので、止めた方がいいかもしれませんが、結構快適です。ちょっと前にくいな橋の近くに遊歩道から車道に出られる道が整備されたので更に行きやすくなってます。途中、鴨川の東岸から西岸に移らないといけなくて、その取付道の坂がちょっと苦痛というところですが、信号無しというのがいい。帰りはのんびり川面をみながら、たまにはカワセミにも会えたり、鯉の産卵(結構豪快です)もみられるかも知れません。オオサンショウウオの目撃情報もあったりします(見たことはないですが)。ただ、向かい風になることが多いのが玉に瑕というところです。

運転免許写真の活用法

運転免許の更新の際、免許証に表示するために写真を撮ります。 その写真が、運転免許証以外に使われている、ということをご存じでしょうか。

 刑事弁護をしている弁護士間の交流の場で、面割り台帳の写真に運転免許更新の際の写真が使われているということが明らかになってきました。 もちろん、本人の同意などありません。勝手に使われているのです。 そのような使い方はおかしいのではないか、端的に違法ではないか、と争ったようなのですが、検察官は、何の問題があるんですか、という態度で、判決も、特に大きな問題はない、と判断をしたとのことでした。
 面割り台帳、というと、「この中に、犯人と思われる人の写真は含まれていますか?」と言って見せられる数名の写真が並んでいる写真集と思ってください。 確かに、その台帳にその写真の氏名等は記載されていませんし、過去に犯罪を犯した(ないし疑われた)時に撮った写真と言われているわけでもないので(公開もされていませんし)、実害はない、と言おうと思えば言えるのかも知れません。
 でも、ちょっと考えてみてください。免許更新に行って写真を撮られるとき、この写真が犯罪捜査の中で「犯人かも知れないリスト写真」として勝手に使いますよ、と説明されたら、そんな写真撮影を気持ちよく行えますか? 撮影拒否をしたら免許を渡しません、と言われたら、やむなく撮影には応じる方が大半だとは思いますが、そんな負担を庶民に与えていいんですかね。
 それを、たいした問題ではない、と思っている、裁判官や検察官には、正直ゾッとします。 この人たちの人権感覚ってこんなもんなんだ。 まずないことだとは思いますが、面割り台帳の写真(普通警察の捜査段階で使用)に取り調べた検察官(あるいは裁判官)の写真があったことが後で分かったら、それでも、その検察官(裁判官)は、たいした問題ではない、と心底思えるのでしょうか。

入管法「改正」断念!

「入管法今国会改正断念」 今朝の新聞の1面を占めています。

喜ばしいことです。 市民の力が、検察庁法改悪阻止に続いて発揮されました。
 しかし、なぜこんなことで喜ばないといけないのでしょうか。入管法については、国連の人権条約機関から再三問題を指摘され、改善を求められてきていました。2007年には拷問禁止委員会から「収容に上限を設けるべき」、2014年には自由権規約委員会から「独立した審査もない中での長期にわたる行政収容があることを懸念」、2020年には国連人権理事会の恣意的拘禁作業部会から「入管収容は恣意的拘禁にあたり国際法違反である」とまでいわれている、今の存在自体が問題のある法律です。
 それを、改正するはずであったにもかかわらず、今回の「改正」案は、なんと、更に問題を大きくして国際法違反の程度を深めるものだったのです。 こんな法案を、このコロナ対策を第1にしないといけないときに、国会に持ち出すこと自体がとんでもないことだったのです。 本来であれば、今回の廃案だけではなく、収容期間に上限もない、司法救済もないに等しい、そんな今の入管法の改正こそ求められているのです。
 そもそも、日本の行政は、難民に対して、冷徹に過ぎます。 本国に帰れば、生命さえも保証されない人でも、難民認定を拒絶して、本国に送り返しているのです(自費で)。 日本で生まれ育って、日本語しか話せず、日本にしか身寄りのない、そんな日本でしか生きていけないような人(外国籍)に対しても、生活基盤の全くない「本国」に帰れ、という政策を採っているのです。このような事態をこそ見直して、国際法違反にならないような入管法に改正することが本当は求められています。
 それはともかく、今回のとんでもない改悪を阻止できたことは、素直に喜ばしいことです。 

朝日新聞のたぶん京都版に「司法VOICE」」というコーナーがある。 2週間に1回掲載されるようで、結構な期間続いている。 時々知人の記事も見る。 再審法改正を求める市民の会が、京都南部を中心に結成され、先日立ち上げの講演会(湖東病院事件からみる再審法改正の必要性が語られた)が開かれた。 それにちなんで立ち上げメンバーにこの記事の打診がなされたようだが、再審事件をやっていないので、おまえが書け、という話になった。 寄稿文で、原稿料は無し。

 再審法改正は、刑事分野では重要な立法課題なので、引き受けることにした。 それが、4月29日の朝刊に掲載されることになる(はず)。
 800字前後なので、あまりいろいろとは書けない。 そこで、概ね「裁判官は間違わないと思い込んでいる、99.9%有罪の中には結構な割合で冤罪(犯人でもないのに誤って有罪とされる)が含まれている、ところが、間違わないと思い込んでいる、ないしは誤りとは認めたくないからか、再審は日本の裁判所ではめったに認められない、 だからこそ、立法的な解決が必要なのだ」、的な文書を送った。
 ところが、新聞社の判断で、ちらっと触れた「日野町事件」の事件説明を加えられた関係で、言いたかったことがかなり削られてしまい、最初の投稿文とはずいぶんと変わったものになってしまった。
 こんなのなら掲載をお断りをしようかとも思ったけど、「再審法改正」の必要性は少しでも多くの人に知ってもらいたいこともあって、ちょっとだけ抵抗して、修正に応じた。 
 新聞記者さんの感覚では、冤罪はめったに起こらないと思われているのか、言葉の端々で、まろやかな、たまにはそういうこと(冤罪、誤判)も起こります的な言い回しになっている。 元々は、もっとトゲトゲしていたんだけど(自分的にはそれでもオブラートには包んでいたつもり)、もし記事を見られた方がおられましたら、元の文章を想像してみてください。

再審法改正へ

2000年に弁護士登録した年の11月から弁護団に入って、まだ続いている事件がある。3年前、大津地裁で「再審開始」の決定を得たが、検察官抗告で大阪高裁に係属していることは、この間サボってきた3年前の記事(過去記事)に記したとおり。

 それがまだ続いている。
 日野町事件でも、検察は、脊髄反射のように「再審開始」に対しては、即時抗告をする。
 再審法については、ドイツ法を範にしたといわれているけれども、そのドイツでは、何十年も前に「開始決定」の不服申立は禁止されている。 日本の法律(再審法の部分)とほぼ同じところから出発した台湾や韓国では、大幅な改正の動きがあり、日本はすごく遅れた国になってしまっている。
 日本の再審法は、たった19条しかなくて、戦前から同じ規定がそのまま残り、今も生きている。たった1つ不利益再審が禁止されたことを除いて。
 今、再審法改正をめざす市民の会が結成され、再審法の改正に向けた様々な取り組みが行われようとしている。「再審法をめざす市民の会」で検索すると、同会のWEBセミナーをみることができる。
 すごく興味深い内容で、聞きやすいので、是非、視聴してみてください。

頑なな・・・

先日、狭い交差点を右折しようとしたら、交差点真ん中辺りで前が詰まった。見ると、信号機(赤)に従い、1台の原付が停止線で止まっていた。その後ろから、コンビニの交差点からやや強引に右折気味に交差点に入ろうとして、その原付があるため思ったところ(停止線辺りまで行けばその車は車線内に収まる)まで行けず右折車の進路を妨げている状態になっていた。

 その車が、窓を開けて、ちょっと前に行け、といっているように見えた。しかし、その原付、目の前の停止線を指さし、前には行けない、と言っているようだ。確かに、停止線なんだけど、状況見て臨機応変に対応するのも道路の利用方法ではないか。
 その原付、警察官の制服を着ていた。
 後ろの車も、その原付があるのわかっていて割り込んできているんだから、ちょっと下がって進路ちょっと変えたら、その原付の後ろに車線に収まるように停止できる。
 ほんと、どっちもどっちだけど、そのおかげで、右折車がつかえてしまって、4台目がもう1回信号待ちする羽目になってしまった。
 停止線は、確かに狭い道などの場合、バスなどの大型車が右折する際邪魔にならないように交差点の少し手前に引かれていることがある(そこもそのようなところ)。しかし、バイクなどは、停止線より少し前に出ても、左に寄っていれば大型車の右折の邪魔にはならない。
 ほんでもって、融通の利かない警官と 応用の利かない路外進入車のおかげで、割を食うのは信号に従い右折をしてきた第三者だ。ラッシュ時間ではなかったからまだよかったものの、もうちょっと状況見てどうするのがいいのか、柔軟に考えようよ、と言いたくなってしまった。

相続法改正

2018年7月、おおよそ40年ぶりに相続に関する法律が改正されました。その多くは、2019年7月からの施行となりますが、既にこの1月13日から施行されている制度があります。

 自筆証書遺言 に関する改正です。
 これまで自筆証書遺言は、全て自筆、つまり「手書き」しなければなりませんでした。そのため、不動産が沢山ある場合などでは非常にやっかいで利用が阻害されているともいわれていました。
 しかし、これからは、遺産目録に関する部分は、パソコン等を利用することができるようになりました。遺産の特定に関するところで、それ自体は形式的な記載だから、「手書き」を求める必要性が本文よりも低いと判断されたからということです。
 ただ、その様な目録を利用する場合には、各頁に署名押印が必要になります。表裏の印刷の場合、表にも裏にも署名押印が必要です。

再審開始決定・・即時抗告・・

7月11日、午後2時30分。大津地裁の別館(刑事部は別館)カウンターで、日野町事件再審申立事件について決定を受け取った。 再審については、法廷で判決文の言渡、というようなことはなく、決定文が手渡される。 請求人本人(遺族申立)ら3名と弁護団の代表3名がカウンターで受け取った。

 中から〇のサイン!  よしっ  ようやくまともな決定に出会えた。
 しかし、公の代表であるべきはずの検察は、即時抗告の期限である17日に即時抗告を行った。予想していたとはいえ、役割をはき違えた検察庁には幻滅する。
 再審では、いわゆる「不利益」再審(確定した判決よりも重くなったり、無罪が有罪となるなどの再審)は禁止されている。 つまり、再審は、誤判による被害者救済の制度であることが明確になった(戦前は違った・・・)。その趣旨からは、再審開始決定に対して検察官が抗告することは許されない。 検察官が再審申立権者の最初に名前が挙げられているのは、公の代表が誤判を放置しないためであって、再審を求めているものの再審開始への道を閉ざすためではない。 この役割をはき違えた抗告が、幾多の再審事件で繰り返されている。 大崎事件、湖東記念病院事件、松橋事件(特別抗告により今最高裁に)、、、 これがとんでもない高裁決定を生んだ袴田事件や名張毒葡萄酒事件で(現段階での)再審開始が妨げられている。 原口さん(大崎事件)も袴田さんもかなりの高齢。 生ある内に無罪を!
 ようやく無罪となった東住吉放火殺人事件や布川事件でも、検察官の抗告によって無罪となる時期が大幅に遅れた。
 この抗告のお陰で、日野町事件も再審開始は確定せず、大阪高裁の判断を待つことになる。
 高裁でも再審開始を死守するとともに、是非とも、立法解決として「再審開始決定」に対する抗告は明文で禁止することが必要である。 

学生ローン(奨学金の実態)

先日の相談で、訴状を持ってこられた。 日本学生機構が原告になっている。
要は、奨学金を借りていた元学生に返済が滞っているから、遅延損害金を含めて全額支払え、というもの。 同封されている「和解したかったら、こういうものを提出せよ(事前に機構に送付を求める)」には、まず、就職先を明らかにして、給与明細等を出せ、というものだった。
 つまりは、今後滞ったら、給与を差し押さえますよ、ということだ。
 通常であれば、そんなもの教える必要もないのであるが、普通の債務整理であれば多分債権者はのまない長期の分割案が示されており、かつ、(こっちが重要であるが)連帯保証人がいるので、無碍に拒否できないのだ。  そして、これらの提出をしなければ、和解はあり得ない、と表示されている。
 なので、一括で支払えない場合は(普通は支払えない)、破産もできないので、飲むしかない立場に追いやられる。そして、職場を把握され、今後滞ったら給与差押となるのだ。
 これが、今の「奨学金」の姿だ。 国立でも学費が年間100万円という時代、奨学金無しには生活できない家庭が多数を占める。 その上、就職しても、10年前と比べると平均的な収入が月額10万円近く減少している。 ひとりで生活する費用を捻出するのが精一杯で、返済する余裕もない。 これでは、結婚して家族を維持していくことはできない。少子化がますます進行する大きな要因である。
 ところで、その訴状、表示されている代理人はどうも弁護士のようであったが、事務所名の記載がない。
学生機構のインハウスかとも思ったが、表示されている住所が違う。 これはどういうことなのか。
弱みにつけ込んだ、すごく横柄な、人をバカにしたような態度に思えてならない。

刑事訴訟法改正(司法取引)

刑法や民法等、いろいろ改正される中で、刑事訴訟法も改正され証拠収集の新しい手段が作られた。

作られてしまった、といった方が感覚には合う。
この間、秘密保護法や共謀罪、戦争法というような、憲法に反する法律が作られたり改正されたりしている。今度の選挙(22日)では、こんな違憲な法律は撤廃できるような議員を選ばなければ本当に日本はとんでもないことになる。 
刑訴法の改正も、憲法違反とまではいわないが、えん罪を拡大してしまう可能性が高くなるようなあってはならない改正だった。
 それが、来年6月2日までには施行される。
 どんな内容かというと、乱暴に言ってしまえば、他人の犯罪行為について捜査機関に情報を持ち込んで自分の犯罪での処分で得をしよう、というものである。 他人の犯罪の捜査に協力するから不起訴にしてね、といようなものである。 アメリカでの再審無罪となった事件を見返してみると、第三者供述がえん罪の一つの原因になっているという調査結果がある。 必ず「真実」を語るとは限らないからだ。
 改正の結果、その捜査協力について、弁護人も関与させられてしまうことになる。 弁護人のサインがないと司法取引が成立しないからだ。 弁護人の立場からすれば、「えん罪」の可能性には関与したくない。 しかし、弁護人は、被疑者等に対して誠実義務を負っている。 だから、被疑者が望めば、果たして、他人の「えん罪」の可能性(言わんとすることが真実かどうか現実には弁護人には検証はできない)があるからと、協力を拒否できるのだろうか。
 こんな問題のある法律を作り続ける自民公明が安定多数を占める国会の構成を大きく変えないと、ほんととんでもないことになる。 安倍政権はまさに「国難」、こんな分野にも悪影響が及んでいる。

共謀罪の学習会をやってきました

共謀罪、政府は「テロ等組織犯罪準備罪」との名称で、東京オリンピックを開くために必要ですと宣伝しています。

 ところが、政府が理由としているテロ対策として「国連越境犯罪防止条約(パレルモ条約)」に批准するため、というのは、真っ赤なウソです。 そもそも、この条約が対象としているのは、国境を越えて活動しているマフィアや麻薬の密輸、人身売買などを繰り返している集団の行う経済犯罪です。テロとは関係ありません。
 テロ対策というのであれば、国連的枠組みとして「爆弾テロ防止条約」や「テロ資金供与防止条約」など5つの国連条約やその他8つの国際条約は既に採択済みですし、国内立法もできあがっています。
 だいいち、アメリカでさえ防げていないのに、いくら法律を作っても、テロを根絶などできるはずがありません。 むしろ、戦争をする国だと思われることが、テロの対象とされてしまう一つの大きな原因です。 国外においては、日本人だと言うことで既に被害に遭っている方も出てきてしまっています。
 共謀罪ができてしまえば、例えば、「今年会社の業績厳しいらしいから手当カットされるかもしれないよ、そんなことされたら生活出来ないから、会社の内情暴露されたくなかったら・・・みたいな交渉しないといけないかもしれないね」なんて話をしていたら、社長にちくったヤツがいて、(ブラック企業の)社長が「組織的強要罪」の共謀があったと捜査機関にねじ込んで、逮捕、勾留なんてことにもなりかねません。
 自首減免規定もあるので、捜査機関に密告すれば、密告者は無罪放免、他方、犯罪となるような話しもしていないのに、その他のメンバーは共謀罪で逮捕、ということも現実的には起こりえます。
 共謀罪というような、実質的に「内心」を処罰するような規定は、日本の法体系にはそぐわないし、内心の自由や表現の自由を保障する憲法にも反します。 それに、「共謀」を捜査の対象にしようと思えば、意思連絡が犯罪行為ですから、盗聴が大手を振って暗躍してしまいます。 監視社会となってしまうことでしょう。 まさに、平成の治安維持法と言われる所以です。
 こんな共謀罪をつくらなくても、国連国際組織犯罪防止条約を締結することは可能です。 それに、日本の犯罪状況は年々改善されてきています。 このような法律を作る必要な全くありません。

ノーマルタイヤで罰金

 先週末は久しぶりの大雪となりました。今週末も日本海側を中心に大雪の予報となっています。峠道などでは、立ち往生して動けなくなった車が何台も放置?されていたようです。ノーマルタイヤだと雪道で5%程度の坂でも発進できないことも起こります。これでJAFなどに救援を求めることも結構多いようです。

 ところで、2016年11月22日、国土交通省は、冬装備をせずに雪道でち往生した車に対しては違反になり、罰金が発生すると発表しました。
 元々、雪道をノーマルタイヤで走ること自体違法だったのですが、雪道で動けなくなってしまったら、今後は罰金を覚悟しなければいけないことになります。
 京都市内だと、一部を除いて、一冬に2~3回しか雪が積もることはありませんので、履き替えるのは邪魔くさいし費用もかかることから、夏タイヤのまま過ごしている人も多いようです。雪の状態にもよりますが、夏タイヤでもフラットなところなら走れます。なので、ついそのまま乗ってしまう人もいますが、絶対にやめましょう。本当に危ないです。ブレーキをかけても夏のようには止まりません。人身事故などを起こしてしまえば、7年以下の懲役ということにもなりかねません。
 なお、スタッドレスタイヤでも、止まりにくいことに変わりはありませんので、スピードの出し過ぎや「急」の点く行動は控えましょう。
 

道路交通法 車いすの取り扱い

 自転車は、車両ですので、基本的には車道を走行しなければなりません。特に許可されている歩道以外は自転車は歩道を走れません。

 では、車イスはどうなるのでしょうか。電動の車イスでも、時速6キロ以下に制限されている場合には、道交法上は「身体障害者用の車いす」として扱われます。
 そして、身体障害者用の車いすや歩行補助車は、「歩行者とする」と定められています。 したがって、車イスで道路を通行する場合には、歩行者に対する規制が課されます。
 通行する場所は、歩道があれば歩道、歩道のない道路においては道路の右端側となります。
 また歩道においても、自転車道が設けられているところは、その部分をできるだけ避けて通行するようにしなければなりません。
 横断歩道では、歩行者用の信号にしたがうようになります。もちろん、歩行者横断禁止の場所では車道を横切ることはできません。

自転車での事故

 交通事故は減りつつある。 政府統計によると2007年と比較して2015年は57%にまで減少している。 交通事故での死亡者数も、1995年頃までは年間1万人を超えていたが、2015年では、約4000人にまで減っている。

 飲酒取り締まり強化も大きな要員だと思われるものの、飲酒とは関係のない事故も年々減少してきている。 これは非常に重要なことではある。
 ただ、自転車が加害者となる 人対自転車 という事故数は、ほとんど変化がない。 重傷事故や死亡事故に限るとむしろ増えているともいわれている。
 今朝、ワンコの散歩中、細い道から優先道路を横断する交差点で、立て続けに自転車が3台、左右確認もすることなく、減速もすることなく平然と横断していくのを目撃した。 見通しはかなり悪く、車に乗っていると、それなりに頭出し確認をしないと優先道路の右側の状況が確認できないという場所なのに、一旦停止どころか、止まろうとするそぶりも感じない。
 怖くないのだろうか?(怖いと思ってたらそんなことできないはずだから、なんとも思っていないのだろう) 
 ちなみに、自転車も、道路交通法上は立派な車両として扱われる。だから当然だけれども交通ルールは守る必要がある。 自転車の場合、被害者にならないためだけではなく、加害者にもならないためにもある程度のルールを守る意識は必要だと思う。 とりわけ、保険に入っていない自転車に乗っている場合は、なおさら加害者になるかもしれない可能性は考えた方がいい。   
 

2005年、おおよそ10年前の事件、小学生が殺害された今市事件。 許されない事件だが、その怒りは、真犯人に向けられるものである。新たなえん罪がまたつくられた。

この前、有罪判決が出されていたが、取調のビデオを70時間ほど見て、自白の任意性を認めた。
愕然としてしまう。 
70時間もビデオを見たの? というところでは、もちろんない。  
この事件、取調べは、147日間にも及ぶ。 これだけで、おおよそ自白に任意性など認めら得るはずがない。 おおよそまともな国では、警察での取調が147日なんてあり得ない。 せいぜい3日程度だろう。 日本では、身体拘束が認められる時間が あり得ないレベルで 長い。長すぎる。
体験してみなければ想像もできないのかもしれないが、アメリカだったかどこかの調査では、身体拘束を受けて2日も経てば、異常な精神状態になる割合が格段に高くなる、ということが言われている。
それが、147日である。 日本のこれまでのえん罪でも、長期の身体拘束が問題となることが多々見受けられた。  ただし、殺人事件でもわずか数時間で、やってもいない嘘の自白をしてしまうこともある。 それが、147日である。 もうこれだけで、任意性など認められ得余地はない。
そんなものすごく恐ろしい国に住んでいることをそろそろ気付いてもいいだろう。 
もちろん、この事件では、147日もの取調べで、わずか80時間しか録画された時間がない。大半が、暗黒の中の取調べであり、(自白に)「落ちた」後の姿しか録画されていない、という問題も重大な問題としてある。しかし、それ以上に、身体拘束の異常すぎる長さという問題に、裁判所も向き合わないといけない。 

斜めは危険

 サッカー 日本A代表監督が指摘する、ダイアゴナルなパスが足らない、斜めに入るパスがないということらしい。このような最終局面のパスが通ればチャンス(相手からすればピンチ)が訪れる。

 競馬でも、斜行した馬には制裁(騎乗した騎手に科されることが多い)が科され、せっかくの順位が下げられることになる。もちろんこれは、後ろから来る馬に危険が生じるから。
 要は、斜めは危険なのです。
 という前振りをしておいて、この前、歩道をゆっくりジョギングしていたら、歩道の真ん中を歩くおばちゃん(進行方向は同じ)に遭遇した。 避けようと比較的広く空いていた左側から抜こうとしたら、突然進路を左方向に斜めに移動しだした。 危うく衝突しそうになり、歩道と車道の間に設置されていたアーケードを支えるポールにしがみつくように急停止した。 ここしかないというタイミングで抜かんとするまさに直前に左に移動した。
 オバチャン(「オバハン」といいたいが)曰わく、「アーびっくりした」と怒ったように言い放ちにらみつける。
 もちろん、謝罪の言葉などない。
 そして、そのまま、横断禁止の道路を平然と渡っていった。 車が来ているのもお構いなし。
 あのね、斜めに進路をとるということは、後ろから来た人の進路を塞ぐことになるんですよ。 実際危うく車道に飛び出しそうになったんだから。まぁ、ゆっくり走ってたからポールがなくてもおばちゃんにちょっと触れる程度で止まっていたとは思うけど。
 歩道でも、車道でも、斜めに移動するということは、後続者の進路を防ぐ危険な行動を行っているということの自覚を持ってもらいたい。 だから、車線変更には、事前にウィンカーを出さないといけないし、後方確認をして、後続車がいないことを確かめてからでないと、斜めに移動してはいけない。
 そういう危険なことをして、他人の進路を塞いだのなら、せめて「すみません」の一言くらい言いましょう。 オバチャンだけの道じゃないんだから。
 

口出し過ぎ(日本のプロ野球の遅れた体質)

プロ野球の世界は今オフシーズン。 誰がいくらで契約更改したとか、そんな話しが取り上げられる。 そんなのどうでもいいじゃないかと思うけど、まぁ、一攫千金を夢見てがんばっているプロ予備軍もいるから、そういう夢のある世界であって欲しい。成果出しているのに、評価が低い、と言うのはプロの世界では良くない。

それは兎も角、この時期、特に若手の選手が髪型をいろいろいじったり、染めたりする。
それに対し、球団が”変更”を命じたり、”注意”をしたりすることが、さも当然かのごとく報道される。
しかし、選手は、球団の持ち物ではない。
どんな髪型をしようが、どんな色の髪にしようが、球団からとやかく言われる筋合いははない。
プロの世界は結果がすべて。 球団の意に沿わないスタイルでも結果を出し、ファンに答えればそれでいいのだ。その結果を評価すべきであって、スタイルなどに口出しをすべきではない。
個々の選手を大切にしない体質が、こんな所にも出ている。
報道する側も、球団側が注意したり、指導したりすること自体がおかしいのだということを理解すべきだ。 個人領域に立ち入りすぎるな!なのだ。

再審開始 確定

東住吉放火殺人えん罪事件で、大阪高裁が再審開始を支持した。

検察官からの即時抗告なのに(地裁が再審開始を決定したのに)3年も4年も待たすな!というところはあるが、再審開始を決めたことは非常に喜ばしいことだ。
決定が出される(といっても、判決言渡のようにはならずに書記官室で決定書を渡されるだけだが)のに併せて、大阪高裁まで駆けつけた。 うれしくて、涙が止められなかった。
今日が、特別抗告の最終日、報道では、検察は特別抗告はしないことにしたとのこと、これで、再審が開始され、再審法廷ではおそらく「無罪」が言い渡されることになるだろう。
26日には、刑の執行も停止されたので、2人とも社会に戻ってきた。20年ぶりだ。
20年も不当に拘束されてきた、その間、当時8歳だった息子は母親と過ごすことさえ許されなかった。
今回の事件、真犯人がいるわけではなく、事故である。事故で、娘を失い、悲しみにうちひしがれているときにその娘を殺した犯人に仕立て上げられてしまう。本当に辛かったと思う。
えん罪は、第2第3の被害者を作り出し、その家族等も巻き込んでしまう。
裁判官はもっとその事実を重く受け止めるべきだ。
単なる憶測と可能性で、人を犯人扱いすることの重大性をかみしめてもらいたい。

月別アーカイブ

弁護士紹介TOP