大麻取締法が改正され、というか、麻薬等の取締法の中に「大麻草」が含まれることとなり、2024年12月から大麻の自己使用についても処罰されるようになった。根本的な問題として、なぜ、大麻の使用を刑罰でもって取り締まらなければならないのか、という疑問はあるが、その点はさて置き、これまでは、所持や栽培だけが処罰されてきたのに、今は、使っても処罰されることになった。
今回、大麻の自己使用で逮捕・勾留されているケースがある。勾留が認められるためには、1住居不定、2証拠隠滅のおそれ、3逃亡のおそれ、のどれかがなければならない。勾留状を見ると、1、2、3全てに該当するとある。
はて? 大麻を使ったということの証拠として、隠滅する証拠って一体何があるのだろう? 準抗告で、この点を「具体的に明らかにする必要がある」と主張したが、裁判所の決定には、全く何らの具体的な内容は一切示さず、「虞がある」とだけ記載されていた。裁判官の頭の中では、一体どういう証拠が対象となり、それを破壊とか捏造とかができると考えているのだろうか? 全く理解が出来ない。
数週間から3ヶ月くらい以前の時期に使ったという証拠は、普通は尿検査で大麻等の成分が含まれていた検査結果が用いられる。それをどうやって、隠滅出来るのだろうか。本当に具体的に検討しているのか。
人の自由を20日も奪う処分で、こんないい加減な判断が横行しているのが、今の勾留に関する司法判断だ。
このところ、当番弁護士の登録が京都でも50%を割っている。刑事弁護をやらない弁護士が増えいている。こんないい加減な判断がおかしいと疑問を持っても、全く是正もされない。刑事弁護にやる気がなくなる人が増えてもやむを得ない気がしてきた。