先日(2026年2月24日)再審開始が確定した日野町事件で、再審公判へ向けた動きがありました。最高裁にあった各記録も、大津地裁、検察庁に戻ってきたようです(記録によって保管する機関が異なる)。確定してから1ヶ月経つ時期を見計らって、三者(弁護団、裁判官、検察官)での打合せをしませんか、という要請に応える形で、3月25日、大津地裁で顔合わせをしてきました。これを、三者打合せと言うのか、三者協議と言うのかは、正式な手続ではないこともあって、特に決まっていません。
この席上で、弁護団からは、無罪を言い渡すべき明らかな証拠がある(刑訴435条6号)ことが確定したのであるから、検察は有罪の主張に固執するのではなく、証拠を精査した上で、無罪の主張をし、冤罪被害者の迅速な救済に協力してほしい旨の申入をしました。元々、有罪の根拠が不十分なまま無期懲役が確定してしまった事件です。再審請求審の中で、わずかに有罪を支えていたであろう証拠もその根拠がないこと明らかにしてきました。普通の思考回路を持つ法律家であれば、この事件で有罪が維持できるとは考えられません。検察官が、公益の代表としての立場を全うしようとするのであれば、過去において有罪の主張立証をしようとしてきたということに固執することなく、司法の信頼回復に努めるべきです。
ただ、過去の再審事件を振り返ると、最後には有罪立証を放棄したケースはあっても、過去を引きずり有罪主張に固執してきていますので、今回も公益の代表を履き違えた主張をするかもしれません。もしそのような場合には、次回5月19日(火)の打合せ期日までに、どのような訴因で有罪主張をしようとするのか、その根拠となる証拠はどれになるのか等を明らかにするよう求めました。検察官は、「検討する」とだけ答えています。場合によっては、4月に担当する検察官が交代するので何も答えられません、という返事でもおかしくないかな、と思っていたので、それからすると、いい方向かなとは思います。
いずれにしても、検察官が、検察庁の沽券にしがみつくのか、真の公益の代表として冤罪救済に助力するのか、注目してもらえればと思います。