1. 2026年7月

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再審法「改正」案が成立してしまった・・・

冤罪の被害者を救済することを目的としていたはずの、再審法改正が、法務省≒検察の横やりにより、まさに焼け太りのような改悪法が成立してしまった。検察は、自己の間違いである冤罪について、全く反省もしないし、冤罪被害者を救済しなければならないという意識が微塵もないことを鮮明にしたのがこの「改正」法案であった。

これまで、少なくとも5名の誤った死刑判決についてでさえ、再審が認められ、ようやく無罪となった、それなのに、その冤罪被害者が求めるような改正が無視され、これまで通り、あるいはそれ以上に冤罪被害者の救済が困難となる「改正」再審法ができてしまった。厚顔無恥とはまさにこの「改正」を推進した法務省≒検察を表す言葉であるようだ。

できてしまった「改正」法、確かに、自民党を始め議連に加わった国会議員のそれこそ血のにじむような反撃によって、ほんの少しはましにはなっている。とはいえ、証拠リストの開示もないし、開示すべき証拠に制限が付いている(しかも、そもそも「開示」ではなく裁判所に提出をするというものにすぎない)。これでは、今までなら、当たった裁判官によってはなんとか認められてきた証拠の開示さえも認められなくなるおそれが大きくなる。税金で捜査機関が集めた証拠をなぜ独占することができるのか、なぜ最も利害関係のある冤罪被害者がその証拠に触れることさえできないのか、「検察は誤ることが無い」というそれこそ誤った検察の発想に立たない限り、捜査機関による証拠の独占が認められる理屈はない。

ようやく再審開始が決まった日野町事件では、検察は、「有罪主張はしない」とはいうものの、「無罪の論告はしない」という態度を頑なに崩さない。それなら、真っ白な無罪のために、その手の中に持っていて隠し続けているであろう証拠を出すように迫っても、迅速な再審公判に反するというような理屈にならない理屈で開示を拒んでいる。開示に時間がかかるのは、検察がどの証拠なら開示をしてもいいのか等を検討するからであって、既に何十年も検討の期間のあった手元にある証拠を全部出すのなら、迅速な裁判に反するような時間を要するはずが無い。開示さえしてくれるのなら、どの証拠を出すのか出さないのかは、弁護団で早急に対処をしますよ。

そこまで頑なに拒むのは、判明すれば検察にとってやばい証拠があるから ではないのかと、真面目に勘ぐってしまう。ただ、本当にそのような証拠があるのであれば、本当に公益の代表を自覚するのであれば、その証拠を出した上で、その問題点を明らかにすべきことがその役割にかなうはずである。

何にせよ、再審法の「改正」についての5年後の(真の)改正に向けて、地道に活動をしていかなくてはならない ことだけは確かなようです。

有罪主張はしない しかし

6月19日に行われた三者協議(日野町事件の再審公判に向けた打合せ)で、検察官から、再審開始が確定したことを重く受け止め、証拠を慎重に検討した結果、再審公判では、有罪の主張はしないことにした、との態度表明があった。これで、無罪となる可能性がより大きくなった。

しかし、有罪主張はしない、とはいうものの、「無罪」の論告はしないという態度は頑なに維持している。かつて有罪だとして提訴をし、確定審において無期懲役を主張をした過ちを自ら認めるような態度は取らないということのようだ。公益の代表であるというのであれば、証拠をつぶさに検討した結果、阪原さんを真犯人であるとして起訴したことは間違っていたと素直に認めるべきである。証拠の偽造と言われてもおかしくないことを複数行ってきたことが再審請求審でほぼ明らかになっているのである。1人の人の人生を奪った過ちを真摯に反省するのであれば、自らの過ちについて反省をすることを態度で示す必要があるのではないか、と思うが、検察という組織はそうではないらしい。

検察官が、無罪の主張をしないのであれば、弁護団としては、無実の人に真っ白な無罪判決が言い渡されるように、検察官が手に持ったまま未だに出さない数々の無罪を示す証拠を出させなくてはならない。税金で集めた証拠は、検察官の独占物でいいはずがない。迅速な裁判のためには証拠開示には応じられない、という態度を検察官は取っているが、既に十分に検討したであろう手持ちの証拠を開示するだけなのだから迅速な裁判には全く支障がない。出すか出さないかという(全く不要な)検討に時間を取ろうとするから、「迅速な裁判」にならないというだけで、手元にある証拠を全部出すのであれば「迅速」性に反する要素を見いだすことの方が難しい。

こんな態度を取る検察官が再審事件を扱っているのである、法改正において証拠開示の範囲を「関連性」なるもので縛れば、今後の再審事件では検察は今以上に証拠開示に消極になるであろうことは明らかである。再審法の改正議論において、開示すべき証拠に制限を設けてはならないという立法事由がまさに今進行しているのである。検察官主導の今より悪くなる「再審法改正案」をそのまま通してはならない。参議院での議論で、少なくとも不当な証拠開示への制限は取り払ってもらいたい。参議院、がんばれ!

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