1. 再審開始決定!
岡根弁護士のぼやき論壇

再審開始決定!

残念ながら、日野町事件に付いてではありませんが、福井女子中学生殺人事件について、名古屋高裁金沢支部が再審開始の決定をした。

もともと、原第1審は「無罪」だったのを、高裁がむちゃくちゃな判決で「逆転有罪」にしてしまった(最高裁もそれを追従)ものだから、もっと早くに再審開始がなされるべき事件だった。
異議申立などがなされると、再審の公判がすぐに始まるわけではなく、またまたひっくり返る可能性はあるが、訴追側による恥の上塗りはやめてもらいたい。
客観的な証拠もなく、アリバイもあったのに、まともに取り合わず、暴力団員の作り話に乗ってしまったというのが、元の高裁判決だ。いかに(高裁の)裁判官が、「被告人を見たら有罪と思え」と考えているのかがよく現れている。
このまま、再審が開始され、当然の結果である「無罪」判決が出されることを心より願う。
えん罪は、新たな被害者を(国家的な犯罪として)作り出すに止まらず、被害者親族等には、真犯人を見逃してしまうという新たな苦痛を与えることになる。
その点に関連して、再審開始決定の報道と同じ紙面で、被害者親族のコメントが掲げられていたが、報道機関の報道姿勢を疑う。何のためにこんなコメントをとってくるのか、さっぱり理由がわからない。ずさんな捜査機関、出鱈目な訴追機関、無茶苦茶な判断機関により、真犯人を捕らえてほしいという被害者のせめてもの願いを国が裏切ったのだ。それに止まらず、新たな被害者を作り出してしまったという本来感じる必要が全くない責任まで感じさせてしまったかもしれない。
それに拍車をかけるのではないか、という報道は、慎むべきではなかろうか。

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