1. 重けりゃいいのか
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重けりゃいいのか

少年逆送事件の裁判員裁判において、裁判員の感想が報道されていました。

「やったことに大人も子どももない。法律は甘いと思った」
こういう感想を聞くと、正直げんなりしてしまいます。
たしかに、やったこと(結果)は大人も子どもも変わりません。それはその通り。そこから先がまさに少年法の理念をどう実現するのかという場面です。
そもそも、少年事件で、重大な犯行について原則逆送という法改正をしたこと自体が大いなる誤りなのです。ただでさえ専門的な判断を要する(と思われる)量刑の判断に、少年法の理念を加えて判断をしなければならない事件は、裁判員裁判には向きません。
少年法の理念を理解していない裁判官も大勢居て、家裁の裁判官(審判官)にも失望することも多くありますが、一般の裁判員に対して裁判員のかかわる僅か短時間で少年法の理念を理解せよという方がどだい間違っています。そんなことは限りなく不可能に近いことです。
なぜこうも、犯罪を犯してしまった人を排除する方向しか出てこないのでしょうか。裁判官が、そこらあたりはきちんと説明しないといけないのですが、実際に少年とかかわらないと、この辺はしっくり来ないところなんですよね。聞いただけでは腹にも落ちないですし・・・
裁判官は、第三者に徹しなければなりません。それは、裁判員も同じです。量刑の判断者は、法の理念を実現しなければならないにもかかわらず、その法の理念の理解が不十分では、理念の実現は望めないですよね。
少年事件は、裁判員裁判の対象事件からは外すことが望まれる所以です。

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