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2011年2月アーカイブ

保釈保証金は還ってくるか

犯罪を犯したと疑われて、裁判を起こされてしまった被告人は、保釈が認められると、保釈保証金を納めて社会復帰することができます。ところが、逃亡などをして保釈が取り消されたりすると、保証金の全部又は一部が没取されてしまいます(刑訴法96条1、2項)。ですので、没取されなければ戻ってきます。

最高裁判所で、こんな判決が出ています。判決確定前に、呼出に応じず、逃亡していたとしても、保釈保証金の没取はできない(2010年12月20日 最高裁判所第二小法廷 決定)、というものです。

そのケースは、地裁で実刑判決が出され、控訴をし、保釈の許可が下りたので、釈放されていた被告人が、控訴棄却の判決を受けました。上告をした上で(ですので刑は確定していない)、再度保釈の請求をしたのですが、それは認められませんでした。そうすると、被告人は勾留されている状態に戻らないと行けないことになります。ところが、その被告人は、勾留のための呼出に応じず、数ヶ月の間、逃亡を図っていたようです。しかし、ついに見つかってしまって、身柄を拘束されると、観念したのか翌日には上告を取り下げたので、判決は確定し、その後は、刑に服すことになりました。

 そこで、検察が、逃亡を図っていたことでもあるので、保釈保証金の没取を請求したのですが、これが認められなかったというのです。
 逃亡しているんだから、当然保証金は没取されるのでは? と思うのですが、そうではないようです。

刑訴法96条3項では、「保釈された者が、刑の言い渡しを受けその判決が確定した後、執行のため呼出を受け正当な理由なく出頭しないとき、又は逃亡したときは、検察官の請求により、決定で保証金の全部又は一部を没取しなければならない」とあります。

 これは、保釈保証金を担保に刑の執行を確実にするためのものですから、判決が確定前に逃亡していた事実があっても、保証金の没取はできない、ということのようです。たしかに、身柄を拘束されてから、上告を取り下げて刑が確定していますから、確定してからの逃亡ではないですね。

意外な感じもしますが、たしかに、3項では、「刑が確定した後」となっていますから、条文通りの判断をしたということでしょう。
ただ、検察官が、被告人が逃亡している間に、保釈の取消を請求し、それを裁判所が認めて、保釈が取り消されると、2項によって没取されてしまうという事態があったかもしれません。
最初に認められた保釈と、公訴棄却後の保釈請求(認められなかった)との関係がイマイチよくわかりませんが、保証金没取との関係でもやっぱり逃げるのは危険でしょう。

イノシシ登場

毎朝、わんこの散歩をしている小山にイノシシが出没しだした。去年の夏の終わり頃からだ。
一時、目撃情報が増え、わんこが襲われるという被害も生じていたが、このところ、目撃情報は聞かない状態になっていた。ただ、雪が降った翌日の朝には、イノシシと思われる足跡が残されていたり、食べ物を探して掘り返したあとが残されていたりはしていたので、まだいるんだろうなとは思っていた。

 ここ数日、その掘り返しが「すさまじい」状態となっている。10㎝台の大きさの石が掘り出され、遊歩道の階段が破壊されそうな勢いである。今朝も、真新しい堀跡を発見。
しかし、運がいいのか悪いのか、イノシシ自体には遭遇しない。朝、よく散歩で出会う人は、昨年から5~6回は目撃している(飼い犬がイノシシに吠えかかり反撃されてわんこがちょっとした怪我もした)。
つい数日前、20メートルほど手前を歩いているその人から、つい今イノシシが走り去っていったのを見た、と聞いたが、目撃はしていない。あと数秒早く遊歩道に入っていれば、ひょっとしたら目撃したかもしれない。今日は会うしれない?! と結構スリリングなお散歩を繰り返している。ともかくトラブルになるのは避けたいものだけど。

検察長官会同

今日の新聞を見ていたら、16日「検察長官会同」が、東京・霞ヶ関の法務省で始まったという記事が目にとまった。この間の検察官の不祥事(証拠改ざん・犯人隠避等)にふれて、「調書至上主義があるなら、改めなければいけない。改革には不満が出るかもしれないが、良薬は口に苦い。しっかり受け止めて欲しい」と、訓示したとあった。

「調書至上主義」とはなんぞや、というと、ばくっというと、(刑事)裁判で、証人や本人の話を直に聞いたことよりも、捜査段階の「調書」を重視し、それを元に裁判を進めるということだ。

この前も、検事が「調書の方がわかりやすいですから」と、本人がいるにもかかわらず、捜査段階の供述調書(検面調書)の採用にこだわっていた。これをあっさり証拠採用する裁判官も裁判官だが・・・

「検面調書」とはなんぞや。書いて字のごとく、「検面」とは、検察官が面と向かって取り調べたということで、「調書」とは、(検察官が)被疑者(主に逮捕とか勾留されている人)を自らが取り調べて聞き出したことを、(検察官が)自ら作文して作り上げて書いたもののことだ。本当は聞き出していないことも含まれているかもしれない。言っているニュアンスが異なっているかもしれない。が、そんなことはお構いなしに、検察官の描くストーリーに合うように調書は作成される。

検察官が聞き出しているのに、検面調書は、1人称で、まるで被疑者本人が自分で書いたかのような体裁になっている。どういう質問にどう答えたのかというような経過は全く現れない。部分的にそのようにわざと作ることもあるが、たいがいが、「独白」調である。

だからこそ、どういう取調状況であったのかを、「最初から最後まで」録音や録画をして、記録にとどめておくこと(可視化)が求められている。この、取調の「最初から最後まで」というところが重要である。検察が進めてきている最後の段階だけの録画は全く意味がない。それどころか、害悪でさえある。

もし、検察庁が、本気で「調書至上主義」を何とかしたいと思っていたとしたら、取調の最後に調書を読んで署名・押印するところだけの録画を進めようとすることとは矛盾する。

だって、それは、調書を今後も裁判での重要な証拠とする(証拠としたい)、ということの表れですからね。

「自白は証拠の女王である」  問題は、ここから脱却するかどうかなんだけど。

霜柱

子どもの頃は、毎朝のように田んぼや道路の端には霜柱ができていた。

京都に出てきてから、あんまり出会わなかった(ような気がする)。

今朝、いつものようにさくら(我が家の愛犬、黒ラブ)の散歩に近くの小山に行くと、霜柱ができていた。久しぶりにあのざくざく感を味わった。童心に戻った感じがする。

まぁ、散歩コースでは、時々霜柱はできていたので、ほんとはそんな久しぶりではないんだけど、懐かしい感じが久しぶりに思えた。

今朝の気温を見てみると、午前6時頃の京都市内が-2度となっていた。結構寒かったんだ。

それでも、花粉は飛び出している。マスクが手放せない嫌な季節になってきた。

楢枯、松食い虫

わんこの散歩でよく行く小山(丘?)も、ならがれや食い虫にやられ茶色くなった松が目立っていた。結構立派な木も枯れてしまっていた。
そのおかげで、昨年の大文字送り火は、燃やす木の量を減らしたらしい。
今年、ついに予算が付いたからか、一斉にその枯れた木が切り倒され、一部は既に撤去された。
頂上から、世界遺産の建物が見られるところで、枯れた木が邪魔して写真を撮るには邪魔だったところがあった。前から、邪魔だなぁ、切ってくれないかなぁ、と思っていたところ、今回の伐採作業でついに切り取られた。いい眺めだ。

枯れた木がなくなると、結構な本数になっていたので、いつもとは風景が異なってしまっている。
山道も、木がなくなるといつも通っているところなのに、違うところに来たような印象を受けて、曲がるべきところを間違ってしまったりする。
こんなに枯れていたのか、とあまりに見通しのよくなった山を見て、残っている木は大丈夫なんだろうか、と心配になってしまった。

禁止区域侵入

新燃岳の規制区域に観光客らが侵入するケースが後を絶たないとの報道がされている。

問題となっている場所が市道なので、何か問題があると、市側に管理責任も生じかねない。しかし、危険だからと侵入防止の標示等をして危険回避を呼びかけているのに、そこで何らかの被害(土石流に巻き込まれたり、噴石の直撃を食らうなど)があった場合にまで、侵入を食い止めなかったとして、何らかの責任が国や地方自治体に生じるのだろうか。

火山活動によるようなケースは、見た限り見つけられなかったが、台風などの異常気象時の道路設置管理の瑕疵が問題となったケースは、少数ながらあるようだ。

一般的な基準としては、「当該道路の構造、場所的環境、利用状況等の具体的、個別的状況に応じ、通常予測可能な危険に対する安全措置が講じられていない場合」には、瑕疵が認められることになるといえる。ただ、この基準では、なんかいろいろ検討して危ないなぁと一般的に思えるのに何も対処しなかったら責任あるよ、といっているくらいで、具体的なケースに当てはめてすぐに答えが出てくるというようなものでもなさそうだ。

危険を承知で、危険な場所にあえて近づき、危険が現実化したら、常識的には、「自業自得」、他人の責任を問題にはできないですよ、ということにはなりそうである。

最近、スキー場でも、禁止区域に侵入して「要救助」という状態になった場合、自費でしか救助しません、と表示されているゲレンデもある。さもありなん、というところだが、この発想を山登りなどの場面に安易に持ち込んで欲しくはない。

いずれにせよ、万が一のことが生じた場合、救助に向かった人が巻き込まれるなど、二次被害も生じる危険があるのだから、危険区域への侵入は控えた方がいい。自己責任、という話だけでは済まないこともありうるのですから。

略歴

滋賀県甲賀郡
(現甲賀市)出身
水口東高校卒
立命館大学卒

1997年
司法試験合格(52期)
2000年
弁護士登録
京都法律事務所入所

京都弁護士会所属委員会:刑事委員会、交通事故委員会、
死刑制度調査検討プロジェクト、
市民ウォッチャー京都幹事
日弁連 接見交通権確立実行委員会
青法協京都支部事務局

趣味等
登山、野球、サイクリング、愛犬との戯れ、etc
京都弁護士会野球部所属

再審冤罪事件(日野町事件)
不正公金支出返還請求事件(同和奨学金・京都市議会議員海外旅行・同和経営指導員補助金等)
学生無年金事件
消費者被害事件
道路設置管理の瑕疵
接見妨害国賠請求事件等

一般民事事件(借地借家・不動産各種契約・交通事故・債権回収・売買等)
家事事件(離婚・離縁・相続・成年後見・遺言・親子関係・財産管理等)
労働事件(解雇・賃金未払等)
債務整理・破産申立事件等
刑事事件
少年事件
行政事件
その他

弁護士となって15年余が過ぎてしまいました。様々な経験も積ませてもらいましたが、日々新たなことに出くわし、戸惑うことも多くあります。法的にどうすることもできないこともありますが、できる限り誠実に対応できるように心がけようと思っています。
法律問題になるかどうか悩まれているときでも、とりあえず聞いてみてください。気楽に相談ができるようになりたいと思っています。