1. 田村厚労大臣が謝罪
アスベスト訴訟

田村厚労大臣が謝罪

田村厚労大臣が建設アスベスト京都一陣訴訟の原告たちに謝罪した。提訴から約10年。ようやくここまでたどり着いた。

記事の写真に写っている寺前原告団長、青山・岩木両副団長の三人はみなこの世にいない。余りにも遅すぎる謝罪だ。

寺前さんは僕が尋問を担当した。亡くなる直前に病院で会ったとき、寺前さんは最後まで頑張れずすみませんと手を合わせた。その光景が今も目に焼き付いている。彼らの写真の前で、代読とは言え大臣の謝罪をかちとったのは感無量だ。

国と建材メーカーは、危険なアスベストを「奇跡の鉱物」と称して、危険性を警告せず、必要な曝露防止策も怠ったまま普及を推進した。言わば国とメーカーが護送船団方式で進めた国策により、何も知らず犠牲になったのが建設作業従事者なのだ。

毒をばらまいたメーカーの責任は明らかだ。けれどブレーキを踏まなかった厚労省のみならず、アクセルを踏んだ通産省や建設省も共犯だ。その結果、かけがえのない命がたくさん奪われた。その意味では厚労相の謝罪程度では全然足りない。本来なら内閣の責任者である菅首相が土下座して詫びても足りないくらいだ。

一陣については謝罪したが国と企業は二陣訴訟ではまだ争っている。何度も何度も責任が断罪され、最高裁で国と主要建材メーカーの責任が確定したのに、何故無益な裁判を続けるのだろうか? 被害者には時間がない。命あるうちの全面解決を国とメーカーには強く求めたい。

 

田村厚労大臣謝罪文(20210325)PDF