1. 2010年6月

2010年6月アーカイブ

ワシも国会で考えた(その2)

◆国会や米大使館周辺ではデモは許可されないのだ!

 そもそもなぜこのような扱いがなされているか調べてみると、国会やアメリカ大使館前では東京都公安委員会がデモ自体を許可していないのだ。
 だから、もしも旗やのぼりの所持等を認めると、それが許可されていないデモに該当することになってしまうから、警視庁は主催者に対して「必要な指導」を行っているというのである。

 要するに、私は国会周辺でもデモを行っていたと思っていたのだが、あれはデモではなく「請願行進」だったということのようだ。
 何だか詐欺にあったような気分である。

◆根拠は東京都条例

 こうした扱いの根拠規定は、「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会の許可を受けなければならない」と定める東京都「集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例」第1条である。

◆条例によるデモ規制は違憲だ!

 しかし、この条例の規定によっても、なにゆえに国会議事堂周辺及びアメリカ大使館周辺だけ、デモを認めないのかということの説明にはなっていない。

 そもそも憲法21条の表現の自由は、人権の中でも優越的地位に立つと言われ、その規制については厳格な審査が必要というのが憲法学のイロハである。
 デモ行進を全て許可制として、国会議事堂及びアメリカ大使館周辺のデモについては一切認めないとか、旗や幟の使用を認めないといった扱いは、全く合理的根拠を欠くもので、上述の条例によっても合理化できないと思う。

 こういう時代錯誤の規制は一刻も早くやめるべきだ。
 デモを行う側も、これを既成事実として受け入れる雰囲気があるとしたら、それは由々しきことだ。
 不合理な規制はやめさせることを本気で考えるべきだと思う。

(第169回国会における山内徳信参議院議員の「国会ならびに駐日米国大使館周辺でのデモ行進などの規制に関する質問」及び平成20年6月13日付答弁書第143号参照)