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小笠原弁護士の“知っ得”の最近のブログ記事

集団的自衛権についての権力者の"嘘"~その16

 防衛省ホームページのトップページから「防衛省の取組」、「防衛省の政策」、「防衛政策」そして「防衛政策の基本」へと開けてみてください。


  防衛政策の基本には「3 その他の基本政策」として次のような記載があります。


 わが国は、憲法のもと、専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とならないとの基本理念に従い・・・


 そして、専守防衛については、次のとおり説明されています。


 専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢をいいます


  つまり、相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使するのが専守防衛政策であり、これまでの政府の公式説明です。

  ですから、わが国が攻撃を受けていなくても、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があれば、自衛の措置として武力行使が許される、との閣議決定による今回の姿勢は、専守防衛政策の転換です。

 
 ところが、権力者は、専守防衛は不変、今後も専守防衛を堅持すると言います。

 嘘ではありません。本当にそう言うのです。

 
  頭がおかしくなりそうですね。


            弁護士 小笠原 伸児

 

集団的自衛権についての権力者の"嘘"~その15

 前回の続きで、もう少し説明しますね。


 権力者は、わが国が攻撃を受けていなくても、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があれば、ぎりぎりの自衛措置の範囲内として武力行使が許されると強弁しました。

 つまり、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があれば、自衛の措置として武力行使が許される、というわけです。

 明白な危険があれば武力行使が許される、というわけですから、わが国に対する武力攻撃を想定した場合、現に攻撃が発生していなくても、その武力攻撃の発生前に、明白な危険があると判断できるし、武力攻撃の発生を待たなくても、個別的自衛権の行使として武力行使ができて当たり前、こういう論理につながるのです。

  権力者が、集団的自衛権の行使が許されるとする、9条を無視した屁理屈を追求していった結果、とうとう先制的な武力行使まで今の憲法9条の下でも許され得るという、普通の国の姿へと変貌させ始めたのです。


 徹底した平和主義とか、平和国家日本とか、軍隊を持たない日本とか、戦争を徹底して放棄したとか、日本の平和ブランドを捨てさせた権力者。

 世界の人々から、日本は戦争をしない国だという安心や信頼を失わせた権力者。

  国民に嘘を吐いてまで、憲法を蹂躙してまで、戦争体制を築こうとする権力者。


  安倍内閣は売国的権力者である。


            弁護士 小笠原 伸児

集団的自衛権についての権力者の"嘘" ~ その14

 いわゆる限定容認論、厳格な縛り論は、限定にも厳格な縛りにもなっていない、新三要件の有無は政府の総合的判断によるというわけだから、集団的自衛権を行使するかどうかについて、権力者にフリーハンドを与えるものだと書きました。

 
 この点に関連して、もう一つ、個別的自衛権の行使に関しても、新三要件が権力者の権限行使を緩める効果があることに気づきました。

  従来の個別的自衛権の行使第1要件は、

 
 外国の武力攻撃によって、国民の幸福追求権が根底から覆されるという、急迫、不正の事態への対処であること


でしたね。外国からの武力攻撃の発生という明確な要件が、権力者への縛りになっていました。


  ところが、閣議決定以降の、自衛隊法改正論議に関し、現に外国からの武力攻撃を受けていなくても、わが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があるときは、個別的自衛権の行使も許されるという議論が始まりました。

  その背景には、アメリカの先制的自衛権論(やられる前にやっつけてしまっても自衛だ)がありますが、それだけではありません。

 権力者は、わが国が攻撃を受けていなくても、わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があれば、ぎりぎりの自衛措置の範囲内として武力行使が許されると強弁してきました。

 その論理の延長として、個別的自衛権の行使要件も、たががはずれた、たがをはずしたのです。


            弁護士 小笠原 伸児

略歴

長野県下伊那郡阿智村で出生し、その後、熊本県八代市そして愛知県豊明市と引越をし、名古屋市立向陽高校を卒業の後、立命館大学に入学して、以降京都在住。立命館大学法学部卒業。

1991年
弁護士登録(43期)して京都法律事務所へ入所

2005年
京都弁護士会副会長
市民運動として、定住外国人の地方参政権をめざす市民の会事務局長、守ろう憲法と平和きょうとネット代表幹事、STOPイラク派兵・京都共同代表を歴任。

2008年
憲法9条京都の会事務局長

一般民事事件、不動産取引関係、借地借家関係、交通事故関係、損害賠償関係
破産、債務整理、個人再生、強制執行、執行保全
遺産紛争、相続、遺言、離婚事件、親族間紛争、親子養子関係
労働事件(解雇、雇い止め、未払賃金、未払残業、労使紛争)
刑事事件、少年事件、行政訴訟その他

弁護士の業務は法律相談から始まります。相談を聞く際には、相談者の願いや要求あるいは悩み等を受けとめて、その上で、 法律家として、プロとして、最も良い解決方向を考えるようにしています。法律解釈だけでは、本当の紛争解決にならないこともあることを肝に銘じながら、身近な人たちの感覚や感性、気持ちの持ち方、常識を大切にしたいと考えています。
また、関与している社会的な活動分野は、主に憲法平和問題や教育問題、参政権問題等です。