1. 集団的自衛権についての権力者の”嘘” ~ その12
小笠原弁護士の“知っ得”

集団的自衛権についての権力者の”嘘” ~ その12

 7月12日付の毎日新聞(朝刊)に掲載(25面)された「15歳のニュース」は大変わかりやすい内容でした。

 この間、権力者の嘘で書いてきた、これまでの憲法解釈を変えたのか、変えていないのかについても、端的に「180度の大転換」とあります。

 以下、大野記者の説明です。

 

  歴代政府が「憲法上許されない」と言ってきたことを「憲法上許される」とする国の方針の180度の大転換なのですから、本来は憲法改正のはず、安倍首相も当初はそのつもり、そのために憲法96条の改憲手続のハードルを下げようとした、しかしうまくいかないので憲法解釈の変更という手軽な道に走った

 しかも「憲法解釈の再整理、一部変更」と言い張る、憲法9条の解釈を抜本的に変更しており、むしろ9条改正に等しいこと(解釈改憲)を行った

  96条の問題の時は「ゲームで思うような結果が得られないから自分たちに都合のいいようにルールを変える動き」と書いた、今回は「ルールを変える」のではなく、そんな手間は掛けず「『そもそも自分たちに都合の悪いルールではなかったんだ』と言いくるめる動き」といえる

 

  もっと、もっと、強調しましょう。

 今回の閣議決定で、安倍内閣は、これまでの解釈を180度大転換させた、抜本的に変更した、と。

  変えたのに変えていないと嘘をつく安倍内閣は信用できない、と。
                                              

            弁護士 小笠原 伸児