2012年11月29日、関西電力と国を被告として、現在、全国で唯一稼働している関西電力大飯原子力発電所1号機から4号機までの運転差し止めと損害賠償を求める訴訟を、京都地方裁判所に提訴しました。この裁判には、京都の市民ら1109名が原告として参加しています。これほど多くの市民によって原告団が構成されていること自体、脱原発を求める大きな世論の現れでしょう。今後、大飯のみならず我が国の原発全てを廃炉にさせる取り組みにつなげていきたいと思います。多くの皆さんの御支援を是非とも御願い致します。
福山弁護士の「飲み法題」
交通事故により右鎖骨骨折等の傷害を負った事案について、示談交渉を受任しました。被害者(事故時7歳)は、事故後、PTSD症状もあったため、実通院日数こそ32日でしたが、症状固定までに約2年1ヵ月を要しました。被害者の右鎖骨には、骨折治癒後も、視診上明らかに分かる程度の変形が残りましたが、当初の主治医は、子供の骨変形を後遺症と認めないという特異な立場を取っていました。そこで依頼者と協議した上で、別の大学病院に転院し、後遺症診断書を作成してもらい、12級5号という後遺症認定を受けることができました(症状固定時9歳)。
加害者は事実関係を全て認めて不起訴処分となっていましたが、その後、死亡してしまいました。加害者は韓国籍だったため戸籍の取り寄せができず、相続人への訴訟提起が困難だったので、任意保険会社との交渉を粘り強く行うことにしました。想定された争点は、①過失相殺の有無、②後遺症逸失利益の有無・金額でした。
保険会社の当初提案は、過失相殺こそ0%でしたが、通院慰謝料73万円(修正通院期間3.5ヵ月の青本中間値)、後遺症慰謝料224万円、後遺症逸失利益はなし、既払金約270万円を除き50万円余りを支払うという低額提案でした。鎖骨変形の後遺症について、後遺症診断書に「自覚症状なし」との記載があったことから、労働能力の喪失なしと判断されたことが最大の問題でした。
しかし、鎖骨の変形は、仮に自覚症状がなかったとしても、性質上、外貌醜状と類似の後遺障害であり、12級の醜状障害については、外貌、服装によって就労機会が制限されるとして、後遺症逸失利益を認めた裁判例があること等を主張して、逸失利益として、4,860,600円(賃金センサスによる平成20年産業計・企業規模計・男女計平均賃金)×14%(12級の労働能力喪失率)×11.7117(9歳に適用するライプニッツ係数)=7,969,624円を請求しました。また通院慰謝料は、修正通院期間3.7ヵ月の最大値98万7000円、後遺症慰謝料も12級の最高額300万円、総額で約1200万円(既払分を除き約950万円)を請求しました。
保険会社の2回目の提案は、後遺症慰謝料を約50万円増額して275万円とした以外は、前回と同じで、後遺症逸失利益はやはりなしでした。さらに交渉を行いましたが、保険会社の回答は、逸失利益を認めるとしても最大5年分(約190万円)までで、それ以上は無理というものでした。それでも諦めずに、裁判例を多数示し、訴訟になった場合の想定損害額も挙げて、繰り返し電話交渉を行いました。その結果、最終的に保険会社から、後遺症逸失利益と後遺症慰謝料、通院慰謝料の合計で730万円、総額で約1000万円(既払分を除き730万円)という回答を引き出すことができたため、その時点で示談に応じることにしました。この額は、後遺症慰謝料を300万円、通院慰謝料を100万円とした場合、後遺症逸失利益は330万円と10年分の逸失利益にほぼ等しい額です。
不十分な部分は残りますが、裁判に持ち込むこと自体の困難さがあったことや、鎖骨の変形について、必ずしも労働能力喪失を認めない裁判例もある中で、交渉による解決としては、一定の水準をかちとることができたのではないかと思います。
以 上
京都市内の某医療機関に勤務していた職員の方が、契約を10回以上更新され10年以上勤務していたのに突然雇い止めされた事案について、雇い止めの無効を理由に雇用契約上の地位の確認を求めて、労働審判を申し立てていましたが、この度、医療機関側が雇い止めについて謝罪した上、相当額の解決金を支払う内容の調停が成立し、勝利的解決をかちとることができました。
労働審判では、労働契約か否か、解雇権濫用法理が類推適用されるか否か等が争点となりました。当方としては依頼人が、勤務の時間や場所等について拘束されていたこと、業務遂行について指揮命令を受けていたこと、社会保険料や所得税が源泉徴収されていたこと等から、労働契約という外なく、また長期間にわたって契約が反覆継続されていたこと等から、解雇権濫用法理の適用があり、雇い止めは無効だと主張しました。
3回目の審判期日で調停が成立しましたが、雇い止めについての謝罪をかちとったという意味で、基本的に当方の主張が認められたものと考えています。有期雇用の使い捨てが横行する中で、微力ながら一定の歯止めをかけることができたと思います(2012.7.24)。
アスベスト(石綿)と聞いて、何を思い浮かべますか? 僕は小学校の理科の授業で、アルコールランプでお湯を沸かすとき、石綿付きの金網をビーカーの下に敷いていたことを思い出します。
今、大工や左官など、建設現場で働く人たちの中で、アスベストが原因の肺ガン、中皮腫などの病気が増えています。
アスベストは、耐熱性、耐火性等に優れており、安価であったことから、高度成長期やバブル期の建設ラッシュの時期に大量に輸入され、多くは建材に使われました。その結果、建設現場で建材を切断・加工したり、解体する際に、大量の石綿粉じんが発生し、建設業従事者がそれを吸い込みました。アスベスト輸入のピークは1974年と1988年です。アスベストは「静かな時限爆弾」と言われ、長期の潜伏期間を経て発病するため、今ごろになって患者が増加しているのです。
本当は、国や企業はアスベストが危険なことを知っていました。戦前から、外国での報告や国内の調査で、石綿の危険性の報告がされていたのです。1972年には、肺ガンや中皮腫を発症しないという安全値はないこと、つまり低濃度でもガンになるということも明確になりました。ところが、企業は危険と知りながら、大量の石綿含有建材を製造・流通させ、政府も2006年まで使用禁止せず、流通を促進し続けました。これは人災です。
経済のために、人の命が軽んじられる構造は、イタイイタイ病や水俣病、四日市公害訴訟をはじめ、エイズ、ヤコブ、肝炎等の薬害事件でも繰り返されてきました。これ以上繰り返されてはならない。そう思います。
2011年6月3日、私たちは、関西建設アスベスト京都訴訟の提訴を行いました。同年12月には2時提訴、今年7月には3時提訴を行い、現在、原告は20名となっています。被告は国と企業43社です。
今年5月には、横浜地裁で同種事件について、原告敗訴の判決が言い渡されました。
人の命より産業の方が大事という不当判決です。今、東日本大震災などで、震災がれきの処理が問題となっていますが、原告たちは、ボランティアの人たちがアスベスト粉じんを浴びるのではないかと心配しています。自分のことより人の心配をする、それが職人の心意気です。格好いいと思いませんか? それがボクがアスベスト訴訟に取り組んでいる理由です。(2012.7.24)
◆国会や米大使館周辺ではデモは許可されないのだ!
そもそもなぜこのような扱いがなされているか調べてみると、国会やアメリカ大使館前では東京都公安委員会がデモ自体を許可していないのだ。
だから、もしも旗やのぼりの所持等を認めると、それが許可されていないデモに該当することになってしまうから、警視庁は主催者に対して「必要な指導」を行っているというのである。
要するに、私は国会周辺でもデモを行っていたと思っていたのだが、あれはデモではなく「請願行進」だったということのようだ。
何だか詐欺にあったような気分である。
◆根拠は東京都条例
こうした扱いの根拠規定は、「道路その他公共の場所で集会若しくは集団行進を行おうとするとき、又は場所のいかんを問わず集団示威運動を行おうとするときは、東京都公安委員会の許可を受けなければならない」と定める東京都「集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例」第1条である。
◆条例によるデモ規制は違憲だ!
しかし、この条例の規定によっても、なにゆえに国会議事堂周辺及びアメリカ大使館周辺だけ、デモを認めないのかということの説明にはなっていない。
そもそも憲法21条の表現の自由は、人権の中でも優越的地位に立つと言われ、その規制については厳格な審査が必要というのが憲法学のイロハである。
デモ行進を全て許可制として、国会議事堂及びアメリカ大使館周辺のデモについては一切認めないとか、旗や幟の使用を認めないといった扱いは、全く合理的根拠を欠くもので、上述の条例によっても合理化できないと思う。
こういう時代錯誤の規制は一刻も早くやめるべきだ。
デモを行う側も、これを既成事実として受け入れる雰囲気があるとしたら、それは由々しきことだ。
不合理な規制はやめさせることを本気で考えるべきだと思う。
(第169回国会における山内徳信参議院議員の「国会ならびに駐日米国大使館周辺でのデモ行進などの規制に関する質問」及び平成20年6月13日付答弁書第143号参照)