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2013年4月アーカイブ

お腹の赤ちゃんに相続権は認められるか?

 妊娠中に夫が死亡した場合、妻のお腹の赤ちゃんに相続権が認められるでしょうか。
 相続権が認められるか否かで結論が大きく異なってきますので、知っておく必要があります。
 
 人は、生まれてはじめて権利を有し、義務を負担する能力を取得するというのが大原則です。
 しかし、それでは将来生まれることが予想される胎児にとっては不利益となることから、相続に関しては、例外的に「胎児は、相続については、すでに生まれたものとみなす」と定められています。

 ただ、現実には、流産等の可能性も否定できないため、判例では、胎児の段階では、まだ相続権はなく、将来生まれてきた時点で、相続開始の時にさかのぼって相続権を有していたものとして扱われることになります。

 少しややこしいので例をあげると、妊娠中に夫が死亡した場合、赤ちゃんが生まれる前に赤ちゃんを除いて遺産分割協議をすると、その後赤ちゃんが生まれた時点で、赤ちゃんも相続人に加えた形で遺産分割協議をやり直さなければならないということになります(相続回復請求権を行使)。
 これは、手続としては非常に面倒ですので、妊娠中である場合、赤ちゃんが実際に生まれてから遺産分割協議を行ったほうがよいと思われます。

 なお、赤ちゃんは意思表示ができませんから、赤ちゃんを相続人に加えた形で遺産分割協議をする場合、家庭裁判所に対して特別代理人を選任してもらい、その特別代理人に加わってもらって遺産分割協議を行うことになります。
 母親は赤ちゃんとともに相続人となるため、特別代理人になることはできませんので注意が必要です。

                       弁護士 黒澤 誠司

略歴
大阪府出身
洛北中学校卒業
立命館高校卒業

1985年
立命館大学法学部入学 薬師寺ゼミ(国際公法)

1996年
司法試験合格(50期)

1998年
弁護士登録 京都法律事務所入所

2011年
京都弁護士会 副会長

2013年
京都弁護士会 高齢者障害者支援センター運営委員会 副委員長・京都弁護士会 紛争解決センター運営委員会 副委員長

2014年
京都弁護士会人権擁護委員会委員長
日弁連人権擁護委員会
近畿弁護士連合会人権擁護委員会
日栄・商工ローン被害対策京都弁護団 事務局長
中国残留孤児国家賠償訴訟京都弁護団 事務局
シベリア抑留国賠訴訟弁護団 事務局長
青年法律家協会京都支部 事務局長
NPO法人 患者の権利オンブズマン関西常任委員などを歴任

趣味等
学生時代は中高大とソフトテニス部に所属していました。最近は小ネタ手品に興味があります。

ココ山岡事件
日栄不当利得金返還請求訴訟その他消費者事件
薬害ヤコブ病事件
中国残留孤児国家賠償訴訟
城山共同作業所事件
医療過誤事件
今西税金裁判
シベリア抑留国家賠償訴訟
新生存権裁判

弁護士として最初にかかわった事件が医療事故であったので、医療事故に関心があります。
また、最近は、裁判所から遺産分割、遺留分減殺請求や破産管財事件、成年後見事件を引き受けることが多くなっています。
法律事務所に来られる方は、精神的に追い詰められた方が多いので、ご相談をお聞きするときは、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。また、事件のご依頼を受けた場合は、事務所のモットーである「敷居は低く、志は高く」を意識しつつ、できるだけ難解な法律用語を使わないようにして事件の進行について理解をしていただきながら、一緒に事件解決を目指すようにしたいと考えています。