1. 2025年6月

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デジタル遺産は大変だ

デジタル遺産とは、故人がデジタル形式で保有していた資産(例えばネット銀行、ネット証券の口座、電子マネー等)のことを言います。これらは通常パスワード管理されており(最近は二段階認証や顔認証等)、故人以外が容易にアクセスできないようになっています。そのため、相続人がその存在を知らなければ分からないまま放置される可能性がありますし、仮にその存在を知っていたとしてもパスワード等が分からなければ相続手続に非常に難渋する可能性があります。

ときには、せっかく多数の相続人が集まって遺産分割協議を終えたのに、後日電子マネーの存在が分かったため、遺産分割協議をやり直さなければならなくなるということがおこります。また、判明した時期が遅れた場合などは相続税の申告漏れとして追徴課税の対象となる可能性もあります。

デジタル遺産からは少し外れるかも知れませんが、最近は音楽配信や動画配信などについてサブスクリプション契約が交わされていることが多くあります。そうすると、どことどういう内容の契約をしていたのか、あるいはIDやパスワードが分からない等のため解約ができず、漫然と引落だけが延々と続いていくということにもなりかねません。

家族に迷惑をかけないような対策としては、①不要な継続契約がないか定期的に見直して不要な契約は解除しておく、②デジタル遺産やネット上の契約についてIDや場合によればパスワードなどを信用できる家族との間で共有しておく等のことが大切です。

立つ鳥跡を濁さずと言いますが、私も元気なうちに断捨離の意味合いも含め身辺をスッキリさせておきたいです。