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2013年1月アーカイブ

死亡退職金は相続財産か ?

 生前に支給された退職金、並びに退職後で退職金の支給を受ける前に死亡した場合の退職金はいずれも相続財産となります。

 

 ただ、本人の死亡後、遺族等に支払われる死亡退職金が相続財産に含まれるか否かについては、昔から争いがありました。

 

1.死亡退職金の支給について受給権者が規定されている場合

 

 就業規則等で受給権者が被相続人と定められている場合は、相続財産となります。

 

 他方、遺族等と定められている場合、考え方が分かれますが、最高裁を含めた多くの判例は、死亡退職金について遺族の生活保障が目的であると考えて、相続財産ではないと判断しています。

 

2.死亡退職金の支給について受給権者の規定がない場合

 

 例えば、死亡退職金についての定めが勤務先会社に存在していなかったが、本人の死亡後、勤務先会社の決議で死亡退職金を支給する旨の決議を行って遺族に支払いをした場合などについては、判例でも考え方が分かれていました。

 

 ただ、最高裁判所昭和62年3月3日判決では、退職金支給規定を有しない財団法人の理事長が死亡した後に、理事会が亡理事長の妻に対して死亡退職金を支給する旨の決議を行い支払った事案について、死亡退職金は相続財産として相続人の代表者としての妻に支給されたのではなく、相続という関係を離れて亡理事長の妻個人に支給されたものであると判示して相続財産ではないとの立場に立ちました。

 

 死亡退職金が相続財産となるのか否かは、被相続人が他に多額の負債を抱えており、相続放棄を検討しなければならないケースなどでは、重要な問題となりますので、慎重な事前の検討が必要です。

 

 

2013年1月7日  弁護士 黒澤 誠司

略歴
大阪府出身
洛北中学校卒業
立命館高校卒業

1985年
立命館大学法学部入学 薬師寺ゼミ(国際公法)

1996年
司法試験合格(50期)

1998年
弁護士登録 京都法律事務所入所

2011年
京都弁護士会 副会長

2013年
京都弁護士会 高齢者障害者支援センター運営委員会 副委員長・京都弁護士会 紛争解決センター運営委員会 副委員長

2014年
京都弁護士会人権擁護委員会委員長
日弁連人権擁護委員会
近畿弁護士連合会人権擁護委員会
日栄・商工ローン被害対策京都弁護団 事務局長
中国残留孤児国家賠償訴訟京都弁護団 事務局
シベリア抑留国賠訴訟弁護団 事務局長
青年法律家協会京都支部 事務局長
NPO法人 患者の権利オンブズマン関西常任委員などを歴任

趣味等
学生時代は中高大とソフトテニス部に所属していました。最近は小ネタ手品に興味があります。

ココ山岡事件
日栄不当利得金返還請求訴訟その他消費者事件
薬害ヤコブ病事件
中国残留孤児国家賠償訴訟
城山共同作業所事件
医療過誤事件
今西税金裁判
シベリア抑留国家賠償訴訟
新生存権裁判

弁護士として最初にかかわった事件が医療事故であったので、医療事故に関心があります。
また、最近は、裁判所から遺産分割、遺留分減殺請求や破産管財事件、成年後見事件を引き受けることが多くなっています。
法律事務所に来られる方は、精神的に追い詰められた方が多いので、ご相談をお聞きするときは、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。また、事件のご依頼を受けた場合は、事務所のモットーである「敷居は低く、志は高く」を意識しつつ、できるだけ難解な法律用語を使わないようにして事件の進行について理解をしていただきながら、一緒に事件解決を目指すようにしたいと考えています。