1. 建物賃貸借-行方不明者に明け渡しを求めるには?
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建物賃貸借-行方不明者に明け渡しを求めるには?

 アパートの賃借人が何の連絡もなく行方不明になり、家賃の不払いが続いた場合、家主はアパートの賃貸借契約を解除して明け渡しを求めることができます。

 ただし、その方法はやや複雑です。

 まず、賃借人に対して、賃貸借契約解除の意思表示を行う必要がありますが、行方不明になっていてどうしても賃貸人に連絡がつかないことがあります。

 

 そこで、建物の明け渡しを求める訴訟を提起します。

 訴訟では、「公示送達」という制度を使うことができるでしょう。

 これは、努力しても相手方が分からない場合や相手方の住所・居所が分からない場合に、裁判所に一定期間文書が掲示されること等により、法的に相手方のもとに送り届けられた扱いとするものです。
 

 建物明渡請求訴訟で勝訴判決を得た後は、裁判所に強制執行の申し立てを行います。

 そして、執行官により強制的にアパート内の荷物を外に出すことができます。
 

 気をつけなければならないのは、上記のような裁判所の手続きを経ることなく、家主が賃貸人の荷物を勝手に運び出したり処分したりしてはならないということです。

 たとえ、賃貸借契約書に「家賃が○回未払いとなったときは、家主は無断で賃借人の荷物を処分できる」といった文言が記載されていたとしても許されません。

 

 家主が裁判所の手続きを経ることなく賃借人に無断で荷物を処分したりする自力救済行為は違法とされており、後に賃貸人から損害賠償請求をされることもあります。