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2012年10月アーカイブ

囲繞地(いにょうち)通行権の対価

 京都でも比較的多く見られるのですが、ある土地が他の所有者の土地に囲まれて、公路に出るためには他人所有の土地を通らなければならないような土地が存在します。これを「袋地」と言います。

 「袋地」の周りの土地所有者全員が自己の所有土地を通らせないと言い出すと、当該「袋地」は利用価値のない土地となってしまい、これは社会経済的に見てよろしくないということで、「袋地」については、法律上当然に「囲繞地(いにょうち)通行権」というものが認められています。

 「囲繞地通行権」というのは、難しい言葉ですが、簡単に言うと「ある所有者の土地が、他の所有者の土地等に囲まれて(この状態を囲繞という)、公路に接していない場合に、囲まれている土地(袋地)の所有者が公路まで他の土地を通行することができる権利」です。

 このような土地の位置関係にある場合に、囲んでいる側の土地を「囲繞地」といいます。

 「囲繞地通行権」は「袋地」所有者に法律上当然に認められる権利ですが、反面、囲繞地に損害を与えるものですから、囲繞地通行権者は、囲繞地の所有者に対して、償金(対価)を支払わなければならないのが原則です。

 ただ、例外として、共有土地を分割して袋地を生じさせた場合や、一筆の土地を分筆して袋地を生じさせた場合は、そのような分割ないし分筆をすると「袋地」が生じることを承知の上で、分割ないし分筆をしているので、「袋地」所有者は、分割後の残地または分筆前に一筆の土地であった土地を無償で通行することが認められます。

        2012年10月25日  弁護士 黒澤 誠司

略歴
大阪府出身
洛北中学校卒業
立命館高校卒業

1985年
立命館大学法学部入学 薬師寺ゼミ(国際公法)

1996年
司法試験合格(50期)

1998年
弁護士登録 京都法律事務所入所

2011年
京都弁護士会 副会長

2013年
京都弁護士会 高齢者障害者支援センター運営委員会 副委員長・京都弁護士会 紛争解決センター運営委員会 副委員長

2014年
京都弁護士会人権擁護委員会委員長
日弁連人権擁護委員会
近畿弁護士連合会人権擁護委員会
日栄・商工ローン被害対策京都弁護団 事務局長
中国残留孤児国家賠償訴訟京都弁護団 事務局
シベリア抑留国賠訴訟弁護団 事務局長
青年法律家協会京都支部 事務局長
NPO法人 患者の権利オンブズマン関西常任委員などを歴任

趣味等
学生時代は中高大とソフトテニス部に所属していました。最近は小ネタ手品に興味があります。

ココ山岡事件
日栄不当利得金返還請求訴訟その他消費者事件
薬害ヤコブ病事件
中国残留孤児国家賠償訴訟
城山共同作業所事件
医療過誤事件
今西税金裁判
シベリア抑留国家賠償訴訟
新生存権裁判

弁護士として最初にかかわった事件が医療事故であったので、医療事故に関心があります。
また、最近は、裁判所から遺産分割、遺留分減殺請求や破産管財事件、成年後見事件を引き受けることが多くなっています。
法律事務所に来られる方は、精神的に追い詰められた方が多いので、ご相談をお聞きするときは、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。また、事件のご依頼を受けた場合は、事務所のモットーである「敷居は低く、志は高く」を意識しつつ、できるだけ難解な法律用語を使わないようにして事件の進行について理解をしていただきながら、一緒に事件解決を目指すようにしたいと考えています。