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2013年10月アーカイブ

預貯金のみの相続と遺産分割調停

Q
  父が他界しました。預貯金のみが相続財産だったのですが、相続人間で協議がまとまらなかったため、家庭裁判所に遺産分割調停の申立をしたところ、「一般調停の扱いになります」と言われました。どういうことでしょうか。



 遺産分割調停は、未分割の遺産があることが前提です。

 ところが、遺産が預貯金のみの場合、相続開始時に銀行に対する払戻請求権が、法定相続分で法律上当然に分割されて各相続人に帰属していると考えられているため、未分割の遺産がないことになります。

 遺産分割調停の場合、調停で話し合いがまとまらず不成立となった場合には自動的に審判手続が開始され、裁判官が遺産に属する物または権利の種類及び性質その他一切の事情を考慮して、審判をすることになります。

 しかし、本件のように預貯金のみが相続財産で法律上未分割の遺産がないと考えられる場合は、一般調停として扱われ、話し合いがまとまらず不成立となった場合も、当然に裁判官の判断による審判に移行することはありません。

 なお、現金については、有体物であって可分債権ではないから当然に分割されて承継されるものではないと考えられており、ゆうちょ銀行の定額貯金についても、預金から10年間は原則として払戻ができないので、未分割の遺産として扱われます。ややこしいですね。


            弁護士 黒澤 誠司

略歴
大阪府出身
洛北中学校卒業
立命館高校卒業

1985年
立命館大学法学部入学 薬師寺ゼミ(国際公法)

1996年
司法試験合格(50期)

1998年
弁護士登録 京都法律事務所入所

2011年
京都弁護士会 副会長

2013年
京都弁護士会 高齢者障害者支援センター運営委員会 副委員長・京都弁護士会 紛争解決センター運営委員会 副委員長

2014年
京都弁護士会人権擁護委員会委員長
日弁連人権擁護委員会
近畿弁護士連合会人権擁護委員会
日栄・商工ローン被害対策京都弁護団 事務局長
中国残留孤児国家賠償訴訟京都弁護団 事務局
シベリア抑留国賠訴訟弁護団 事務局長
青年法律家協会京都支部 事務局長
NPO法人 患者の権利オンブズマン関西常任委員などを歴任

趣味等
学生時代は中高大とソフトテニス部に所属していました。最近は小ネタ手品に興味があります。

ココ山岡事件
日栄不当利得金返還請求訴訟その他消費者事件
薬害ヤコブ病事件
中国残留孤児国家賠償訴訟
城山共同作業所事件
医療過誤事件
今西税金裁判
シベリア抑留国家賠償訴訟
新生存権裁判

弁護士として最初にかかわった事件が医療事故であったので、医療事故に関心があります。
また、最近は、裁判所から遺産分割、遺留分減殺請求や破産管財事件、成年後見事件を引き受けることが多くなっています。
法律事務所に来られる方は、精神的に追い詰められた方が多いので、ご相談をお聞きするときは、話しやすい雰囲気を作るように心がけています。また、事件のご依頼を受けた場合は、事務所のモットーである「敷居は低く、志は高く」を意識しつつ、できるだけ難解な法律用語を使わないようにして事件の進行について理解をしていただきながら、一緒に事件解決を目指すようにしたいと考えています。