1. 抵当権の付いた夫名義の土地を自分名義にすると
不動産関係の相談

抵当権の付いた夫名義の土地を自分名義にすると

Q.このたび夫と離婚をすることになり、夫名義の土地建物を私の名義にすることで話がまとまりました。
  ただ、その土地建物には夫を債務者とするローン(抵当権)がついており、全額完済するまで夫が支払続けてくれるか不安です。どのようにしたらよいでしょうか。
 

A.妻が離婚に際して財産分与を受ける際、その対象となる不動産に抵当権がついている時にはその登記を抹消してほしいと思うのは当然です。
  しかし、抵当権の登記を抹消するためには、ローンの全額を返済しなければならないので、離婚する時点で夫に資力がないときには、抹消できないことになります。
 
  抵当権の登記を抹消しないまま、財産分与を原因として土地建物の所有権移転登記をすることはできます。
  ただ、その後、夫が債務を返済せず、そのため抵当権者が競売を申し立て、それが競落されると、その土地建物は他人の所有になってしまいます。
  したがって、競売を防ぐためには、妻に返済義務はなくても妻は夫の債務を返済しなければならなくなります。

  立て替えて支払った額については、夫に請求することはできます。
  しかし、その時の夫の経済状況によっては必ずしも回収できるとは限りません。

  ですから、財産分与で抵当権付の土地建物を取得する際には、以上のようなことを十分覚悟する必要があります。