1. スキー事故の責任
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スキー事故の責任

Q.スキー中に上方からほかのスキーヤーがぶつかってきてケガをしました。どちらに責任があるのでしょうか?

A.スキーヤーは常に加害者にも被害者にもなりうるわけで、事故が発生した場合の双方の責任が問題となります。

  過去の裁判例で、北海道のスキー場で、下の方で滑っていたAさんに上から滑ってきたBさんがぶつかった事故で、AさんがBさんに対し550万円の損害賠償と請求したところ、1・2審は「スキーの滑走自体に危険が含まれており、Bさんの滑走に暴走などの危険な事情は認められない」として、Aさんの請求を退けました。

  しかし、最高裁判所は、「上方から滑る者には、前方を注視し、下方を滑っている者との衝突を回避する注意義務がある」とする判断を示した上で、「Bさんには、Aさんを発見し、接触を避けるだけの時間的余裕があった」として、Bさんの損害賠償責任を認めました。

  事故の態様は、ケース毎に異なるため、責任の所在や過失割合もケースによって異なると思いますが、一般的には、上から滑ってくるスキーヤーの責任の比重が高く、また上手な人に責任が重くなるでしょう。
  さらに、スキー場の規則や注意事項に違反した方に過失があるか、過失が大きいと言えるでしょう。